これまで幾度となく参議院法制局のお世話になってきました。
法制局は国会議員の立法のお手伝いをしてくれる非常に心強い存在です。
先週までは忙しくて委員会質疑準備以外のことがなかなかできなかったのですが、少しずつ余裕ができつつあるので、法制局に新たな法案の相談をしてみました。次のような法案です。
趣旨:少子化対策
法案内容は以下の通り。
・子供が生まれたら学校を卒業するまで1人あたり月に〇万円支給
・子供の数に応じた所得減税
・必要な財源は国債で賄う(償還期間10年以上のもの?)
・上記の支給金額や減税率などは今後決めていく
これは、有名ブロガーの永江一石さんのブログ記事を読んで参考にしてみました。
デフレを脱却してインフレになるには少子化対策が最優先なのは経済の基本でしょ 2019年8月18日
ブログ本文を自分なりに強引にまとめさせてもらうと以下の通りです
永江理論というか経済の根本ですが、日本の景気を良くして復活するためには、とにかく消費人口を増やさないといけないわけです。どう考えてもこれが根本。
・景気を良くするためには消費人口を増やす
・子供が増えると老後にしっかりと年金が貰える少子化対策の資金ですが、これは国債発行でいいと思います。理由は2点あり、まずは子孫に残す借金ではないからです。子孫を繁栄させるための借金ですので、払うのも子孫でいいわけです。
・子供が生まれたら学校を卒業するまで1人月50000円支給
・子供の数に応じた所得減税 ←高所得者が子供を増やすインセンティブ
オーストラリアの子ども手当を参考にされております。オーストラリアの子ども手当に関するツイート↓があったので紹介します。
オーストラリアの子ども手当(ファミリータックスベネフィット)は、所得によりますが1人あたり2週間で
・0〜12歳 A$182.84(13,895円=年36.1万円)
・13〜19歳 A$237.86(18,077円=年47万年)
その他捕捉分(Supplement)として年間 A$737.3(5.6万円)/1名
足すと年間41万〜52万円です
1A$=76円 https://t.co/XbpKENHvq9
— 大黒 竜也 Tatsuya Ohkuro (@TatsuyaOhkuro) January 17, 2020
昨夜、参議院法制局に上記をもとに法案の相談メールを送ったところ、本日午後に確認事項を列挙した資料を作っていただきました。仕事が早い!!!
少子化対策に関する法案についての確認事項(PDF)
少子化対策に関する法案についての確認事項
【子供が生まれたら学校を卒業するまで一人月 50,000 円】
○現行制度として児童手当があるが、この額を拡充するという方向性でよいか。
* 児童手当制度については、別紙1参照○「学校を卒業するまで」とあるが、具体的には、どの期間までを想定している のか。
* 児童手当は、中学校卒業まで(15 歳の誕生日後の最初の 3 月 31 日まで) の児童を対象としている。○所得制限は設けるのか。
* 児童手当には、所得制限あり。ただし、当分の間、所得制限限度額以上で あっても、一律月 5,000 円の特例給付あり。○年齢や第一子、第二子、第三子以降であるかによって給付額に差を設けるのか、 それとも一律の額を給付するのか。
* 児童手当においては、3歳~小学校修了までの児童については、第一子・ 第二子は 10,000 円であるのに対し、第三子以降は 15,000 円であり、差が 設けられている。【子供の数に応じた所得減税】
○「所得減税」として具体的にはどのような制度を考えているのか。所得控除の制度である扶養控除については、現在 16 歳未満は対象外であるところ、16 歳未満も対象とする等の拡充をするのか、それとも、新たに税額控除の仕組みを設けることとするのか。
* 扶養控除の制度については、別紙2参照○「子供」として、具体的には何歳の子供を対象にするのか。
○控除額をどのように設定するのか。扶養控除においては、控除対象扶養親族については 38 万円、特定扶養親族については 63 万円とされている。
* 「控除対象扶養親族」とは、扶養親族のうち、その年 12 月 31 日現在の年 齢が 16 歳以上の人をいう。
* 「特定扶養親族」とは、控除対象扶養親族のうち、その年 12 月 31 日現在 の年齢が 19 歳以上 23 歳未満の人をいう。【必要な財源は国債で賄う】
○児童手当の財源は、現在、国、地方(都道府県、市区町村)、事業主拠出金で構成されているが、今回、児童手当を増額する場合、その増額分については全額国費で賄うという方向性か、それとも、地方や事業主負担を廃止し児童手当全額を国費で賄うということにするのか。※ 予算を伴う法律案となると考えられ、20 人以上の賛成者を要する。
というわけで、参議院法制局からは現行制度にある児童手当制度や扶養控除等との兼ね合いをどうするのかというご指摘をいただきました。大変参考になります。
色々と検討事項はありますが、ひとまず公表してみて今後色々と意見を調整してみることにします。法案を実現するためには、協力してくれる国会議員が足りないので、党勢拡大するまで地道にのんびりとやっていきます。必要とされるのであれば自然と協力してくれる方が出てくることを期待しつつ、いずれは何らかの形で法案提出にこぎつけることができればと思います。
フランスの政策↓も時間を見つけて勉強してみようと思います。
コメント
ブログの人は全然経済分かってないです。
>永江理論というか経済の根本ですが、日本の景気を良くして復活するためには、とにかく消費人口を増やさないといけないわけです。
政府が金を配って公共投資や技術投資もやりまくれば景気は良くなります。一人当たりの消費が増えるので。
>子孫を繁栄させるための借金ですので、払うのも子孫でいいわけです。
政府の借金は未来永劫返さなくていいです。
子供手当自体は素晴らしいと思います!
「子供1人当たり5万円、NHKの受信料を払っていない家庭には追加で5万円」
とかはどうでしょう。
世帯ではなく子供個人を対象にするべきだと思う。
保護者の所得、世帯構成、生まれた順番、兄弟の数によって子供一人当たりの支給額が変わってしまうのでは、差別だと思う。また、個人として尊重されないので、憲法違反だと思う。
所得控除は、限界税率が高い高所得者は子供を増やすインセンティブがあるが、限界税率が低い人たちにとってあまりメリットはない。低所得なら子供の手当てが出る制度では、働かない方が得になってしまう。このような制度では低所得層と高所得層ばかり子供を持ち、間の層は子供を持てず、税金を払うだけになってしまう。
これでは、社会が分断されてしまうので、子供に一律に支給するべきだと思う