先日、こんなニュースがありました。
NHKのネット同時配信解禁 放送法改正案閣議決定(2019/3/5 9:29更新)
政府は5日、NHKがすべての番組を放送と同時にインターネット配信できるようにする放送法改正案を閣議決定した。スマートフォン(スマホ)で動画を楽しむ生活習慣の定着など、社会環境の変化に対応する。一方、番組素材の部外者への誤送信など不祥事の相次ぐ体質の改善に向けて、役員の忠実義務をはじめ民間企業並みのガバナンス(統治)強化の規定も盛り込む。
まず、閣議決定について少し勉強。
閣議決定とはどのようなものか
政府の意思決定をするための会議を閣議といいます。首相及びすべての閣僚の意思決定手段のなかで最も位置づけが高いのが閣議決定です。政府としての統一見解になりますから、閣議決定は全閣僚の意思統一が原則です。反対をする閣僚がいたら閣議決定はできません。
(中略)
閣議決定の効力は
閣議決定は内閣の意思を示すという点で重要な決定と考えられています。しかし、実際には内閣の意思を閣僚間で確認し決定したに過ぎません。法律として制定するには国会の承認を得なくてはいけません。内閣の意思決定のみでは法律として制定されていないので国会で否決されれば法律は制定されません。
(中略)
「内閣が○○について閣議決定をした」と報道があった場合、それは「法律を制定するための強い意思を表明する」と伝えているわけです。
閣議決定で政府の方向性がわかるということですね。
さて、最初のニュース内の、NHKの番組のインターネット同時配信については、ネット上で色々と盛り上がっているので、ここでは割愛します。
注目したいのは、最初のニュースの後半です。
一方、番組素材の部外者への誤送信など不祥事の相次ぐ体質の改善に向けて、役員の忠実義務をはじめ民間企業並みのガバナンス(統治)強化の規定も盛り込む。
NHK、多くの国民から受信料を徴収して超強大化しながらも、民間企業並みのガバナンス(統治)がなかったようです。あったらわざわざこんなことを規定に盛り込む必要はないわけですし…。まぁ閣議決定で民間企業並みのガバナンス(統治)強化の規定が盛り込まれたところで、そんなにすぐにNHKが改善するとは思えませんが…。
NHKに限らず、どんな企業でも程度の違いはあれ良いところがあれば悪いところもあります。悪いところが多ければ一般の企業なら潰れて淘汰されるわけですが、NHKの場合は受信料が大量に入ってくるのでそう簡単には潰れません。
受信料制度については今一度、改めて考えてほしいところです。