これまで2回、風疹について書いてきましたが、今回はその続きです。
風疹について簡単におさらいしておきます。
・飛沫感染→咳やくしゃみで空気中に飛び散る飛沫によって感染する
・妊婦が感染することで、出生児に悪影響(先天性風疹症候群)
・予防接種で防ぐことができる
そして、この風疹が現在流行しており、問題となっています。
風疹急増に関する緊急情報(PDF):2018年11月14日現在
↑赤いバーが風疹患者数で、灰色のバーが先天性風疹症候群患者数です。2013、2014年に流行した後は一度収まったものの、今年になって再度患者数が増えているのが分かります。
ここまでは前回の内容でした。
風疹は過去に罹患したり予防接種をすることで、体の中に抗体ができ、罹患しにくくなります。この抗体があるかないかというのは血液検査で調べることができます。参考までに私の検査結果を載せておきます。以前職場への入職時に検査してもらった結果です↓。右から2つめが風疹抗体の結果です。
検査は、風疹の他に、ムンプス(おたふくかぜ)、麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)の4種類の抗体の有無が分かるようになっています。私の場合、ムンプス以外の抗体は十分な免疫があるという結果です。
ところで、風疹抗体の年代別保有率と患者数について、厚生労働省のデータがあります。
風疹急増に関する緊急情報(PDF):2018年11月14日現在
上の直線グラフが抗体保有率で、下の棒グラフが患者数です。これを見ると、35歳~54歳の男性の抗体保有率が70~80%台と他の年代よりやや低く、患者報告数もこの年代の男性で多いことが分かります。
こういう結果があるからか、9月末にこんなニュースがありました。
風疹の抗体検査、30~50代男性は無料に 厚労省方針(朝日新聞 2018年9月28日06時00分)
風疹の免疫があるかを調べる抗体検査の費用について厚生労働省は27日、感染リスクの高い30~50代の男性を対象に、来年度から補助する方針を決めた。国と自治体が半分ずつ負担する見通し。関東を中心に風疹は流行し、9月中旬までの累計患者数は642人。30~50代の男性患者が約7割を占める。免疫がないと検査でわかれば、予防接種を促す。
抗体検査が無料になる、とのことです。ただし、来年度から、です。現時点での風疹抗体検査については岡山県ではどうなっているのかというと、
無料で検査できると書いてあるのですが、対象者が次のように限られます。
対象者
検査日において岡山県内に住所を有する方(岡山市又は倉敷市内に住所を有する方を除く。(※1))で、次のいずれかに該当する方。(1)妊娠を希望する女性
(2)(1)の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)などの同居者(生活空間を同一にする頻度の高い者) (3)風しんの抗体価が低い妊婦の配偶者などの同居者
↑の対象者だと、抗体保有率の低い傾向にある30~50歳台男性は必ずしも検査が無料に受けられるわけではないので、やや物足りない気はします。うーん…。
とりあえず、検査をしてくれる施設の紹介も上のリンクにあったので、その紹介をしておいてこの文章を終わりにします。