スポンサーリンク

なぜ津軽海峡を特定海域としたのか?→外国船等が通れる範囲を狭めるため

少し前になりますが、ロシア海軍が津軽海峡を通過したことが話題となりました。

2022/03/11
日本の防衛省によりますと、ロシア海軍の艦艇10隻が10日未明から11日にかけて北海道南部を経て津軽海峡を太平洋側から西側に通過しました。

この船はロシア海軍が先月、ウクライナ侵攻に合わせてオホーツク海などで行った大規模演習に参加していました。

岸防衛大臣は「ロシア軍の活動が活発化するのは懸念すべきだ」と警戒感を示し、ミサイル実験も踏まえて極東地域などでの動向を注視する考えを示しています。

当時はそれなりに騒がれましたが、元海上自衛隊海将の伊藤俊幸さんは問題なし、とのことでした。

↑の動画での説明が興味深いです。

日本近海で以下の5つの特定海域を設定した話です。

・宗谷海峡

・津軽海峡

・対馬海峡 西

・対馬海峡 東

・大隈海峡

上記5つを地図で確認しておきましょう↓。

これら特定海域では、領海の範囲を陸から12海里ではなく3海里としております。

なぜ領海を狭く設定しているのか?

伊藤俊幸さんがこの設定作業に関わったとのことです。

ここでは津軽海峡に話を限定しておいて、理由は次の通りです。※理解しやすいために大雑把に説明します。

・12海里に設定すると、津軽海峡全てが日本の領海となる。

・しかしそうすると国際的に重要な海峡である津軽海峡においては、他国には通過通航権(※)を主張されてしまう。

・そうなると、津軽海峡全体で他国はやりたい放題できてしまう。

・しかし敢えて3海里に設定することで、津軽海峡の中央に狭い公海を設定することができる。

・こうすることで、他国の船や飛行機の行動をこの狭い公海に限定させることができる。

・つまり、津軽海峡では他国に通過通航権を使わせないことになる。

といった感じです。

※ 通過通航権(ツウカツウコウケン)とは? 意味や使い方

すべての艦船および航空機が、国際海峡の航路を、もっぱら継続的かつ迅速に通過するために航行および上空飛行の自由を行使する権利を、通過通航権という。 無害通航と通過通航の違いは、領海の無害通航では認められていない潜水艦の潜水航行および航空機の海峡上空の飛行が認められていることである。

私は概ね理解できた気がします。

ちなみに、伊藤俊幸さんによると、津軽海峡等を特定海域とした理由として非核三原則が言われることが多いが、それは間違い、とのこと。

上記を理解できれば、中国がトカラ海峡を通過したことの問題が理解できると思います。

総裁選候補には、問題意識を持ってほしいところです。

↓もしよろしければ応援クリックお願いします。
人気ブログランキング

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメント

  1. 4-YouMe より:

    津軽海峡の領海を縮めなければならないようだと、当時は怒っていた人が多かったように思います。通れないと困る拠点は世界中にあるので、安全なままで通してあげてほしい気がする・・・と思っていました。ありがたい、国防上の配慮だと知ることができて嬉しいです。知恵を絞ってくださった皆さんに感謝します。防衛省も以前とは受け止められ方が変わってきましたので、もっと積極的な発信をして国民を安心させてもらいたいです。どう考えても、だいぶ強いです。

    皆さんに、本をご紹介くださいまして、ありがとうございます。今後は単純に、浜田先生の蔵書の一冊としてお使いください。もしかすると後の世代の人から、浜田先生の尊敬すべき人物像の一面として、2024年当時の「朗読」シーンが残るかもしれないと期待してしまいました。来週には私の分も届きます。通学では重いでしょうね。今年は昭和99年だそうです。