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「性別変更」も「親子関係」も両方認めると法律の整合性が取れなくなる最高裁判決⁉

今回は先月(6月21日)の最高裁判決を取り上げます。

少しややこしいです。が、自分なりにこの判決の問題点をまず端的に申し上げます。

「性別変更」も「親子関係」も両方認めると法律の整合性が取れなくなるのでは?

ということです。これを意識しながら内容を追っていくと少しは理解しやすいのではと思います。

2024/06/21 #日テレ #親子関係 #ニュース
男性から性別変更した女性が、凍結していた精子を使ってパートナーの女性との間にもうけた子どもとの親子関係を認めるよう求めた裁判で、最高裁は21日、性別変更後に生まれた二女との親子関係を認めました。

この動画の記事を読む>
https://news.ntv.co.jp/category/society/aa7d2b95980a4faf887914e52024ef03

この裁判は、性同一性障害で男性から性別変更した40代の会社員の女性が、性別変更前に凍結した自身の精子を使ってパートナーの女性との間に生まれた子どもとの法的な親子関係が認められるかが争われていたもので、2審の東京高裁は2022年、性別変更後に生まれた二女との親子関係を認めない判決を言い渡しました。

最高裁は21日、2審判決を取り消し、二女との親子関係を認めました。

最高裁は、「血縁上の父と子の関係は、法的性別が男性か女性かによって異なるものではない」とした上で、「法的性別が女性だという理由で監護、養育、扶養を受けることなどできないのは、子の福祉、利益に反するのは明らか」と指摘しました。

血縁のある父親が、性別変更後にもうけた子どもとの親子関係について、最高裁が判断を示すのは初めてです。

親子関係が認められた女性は、「子どもの権利を考えた上で、今の時代にアップデートされた判決だと評価しています」とコメントしています。
(2024年6月21日放送)

子の権利を考えれば、親子関係を認めるのは一見妥当に思えるわけですが、関連する法律との整合性に問題があると思います。

ここで、法律の条文を紹介します。性同一性障害特例法です。

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一 十八歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
2 前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。

(戸籍上の)性別変更を希望する者が、その変更が認められるには、未成年の子がいないことが条件のひとつになっています。

しかし今回の事例では、未成年の子がいるのに戸籍上の性別変更がなされている点が問題点のひとつと言えると思います。

今回の判決に関する、Xポストをいくつか紹介します。

松浦だいごさんの指摘する問題点2つは分かりやすいと思いました。

❶性同一性障害特例法では未成年の子がいると性別変更できない。だからこの人は、すでに生まれていた長女を認知せずに隠蔽して”不正”に戸籍変更した。

❷生まれながらの男性という性別に苦しんで性別変更したのに、「父」という男性アイデンティティを選択する矛盾。

「個々にいい加減な判断基準を出してしまえば今後他の法律判断において司法の信用性は担保できなくなるんですよ
それに怒るなと言う方が無理な話です」とのご指摘もおっしゃる通りと思いました。

最後に、今回の判決から、社会的対立と今後の見通しについて述べておられるポストを紹介します。

「女性へ戸籍性別変更したトランスジェンダー」に「戸籍性別変更後に産まれた次女」が「認知を求め提訴し勝訴した」裁判。

この設定からして非常にややこしいが、一連の流れを大まかに整理すると、以下の様になる。

①(後に女性への戸籍性別変更を申請する)男性が「自身の精子を凍結保存」した

②パートナーの女性が、その精子を使い「男性が女性への戸籍性別変更をする前」に「長女」を出産した

③「長女を認知する事無く」戸籍性別変更を申請し認められた

④「女性への戸籍性別変更後」に、長女と同様の方法で「次女」が誕生した。

⑤「次女(4歳)」が「血縁であるトランスジェンダー女性」に対し「(父)親としての認知」を求めて提訴した

⑥最高裁で「次女の認知」が認められた。(長女に付いては「戸籍性別変更前の誕生だった」として、既に認知が認められていた)

これに付いて担当弁護士は、

「認知をするのは父親でなければならない」とは、法で決まっていない

と言う論点で公判に挑んだと言う。

だが、そもそも「子を産んだ女性側が、その子の認知を争う」事自体が「想定されていないから、法文化されていない」だけだ。

とは言え「法文は書いてある事の通り」でしか無く「想定外で規定が無い盲点を突く」事が「戦略」だと言われれば、そうですかとしか言い様が無い。

だが、これは弁護士当人がいみじくも語っている様に「法の盲点を突いた奇策」であって、決して「王道」では無い。

「家族の形」の様な、大多数の人々の基本的な生活に関わる事を「奇策で突破しよう」と言う「ゲリラ戦法」は「極めて短絡的かつ愚かな手法」だと言わざるを得ない。

「家族の形」などの「大多数の人の基本的な生活に関わる事」は「ハイこう変わりました」と言われて簡単に変わるものでは無いし「揺り戻しの力」も極めて強い。

つまり「奇襲で出来た穴」など「必ず埋め戻されてしまう」のであって「長期的な戦略としては悪手」でしか無い。

しかも、ゲリラ攻撃の跡が「埋め戻されるだけ」では当然終わらず「二度と穴が開かない様に壁が強化される」事が常だ。

つまり、今後「性同一性障害特例法の戸籍性別変更」に関する法規制は「強化される」事はあっても「弱められる」事はあり得ない。

極左LGBT活動家らの「活動」は、斯様にいつも「近視眼的かつ短絡的」で「長期的・大局的視点」に欠けている。

最も必要なのは「社会との丁寧な話し合いとコンセンサスの形成」なのに、それを軽視どころか無視して「突破」しようとするから「激しい反発」に遭う。

それを「奇策です」などと「してやったり」とばかりに得意満面に話しているが、その様な「勝利」など、所詮「砂上の楼閣」に過ぎない。

「奇策は奇策」でしか無く「王道には決して敵わない」事が全く見通せていない様は、まるで「裸の王様」を見ているかの様だ。

なお、この裁判の件に付いては、引用ポストにもある様に「重大な手続き上の疑義」が発生している。

「長女が産まれた後に戸籍性別変更をした」と言う「事実」があるが、これは「性同一性障害特例法」の中の「未成年の子無し要件に抵触する」疑いが極めて濃厚だ。

「長女を認知しない事で、子無し要件をクリアした」などと言われているが、それが事実なら「虚偽申請」である。

万一そうであれば「戸籍性別変更の申請自体が無効」となり、当然に「戸籍性別変更も無効」とされなくてはならない。

この事案の「本当の争点」は「次女の認知」などでは無く「戸籍性別変更申請資格の有無」ではないのか。

そこが今後明確にされていく事を期待したいし「明確にされなくてはならない」のは言うまでも無い。

最後に指摘されている点については、国会で取り上げるべきこととして検討します。

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