以前、岸田文雄衆議院議員の初めての国会での質疑を取り上げました。
岸田文雄衆議院議員のこの時の発言内容をピックアップしてみます。
第128回国会 衆議院 大蔵委員会 第2号 平成5年11月9日
まず質問の冒頭部分です。当時の問題が挙げられており、現在と共通するところ、異なるところがあって興味深いです。
今回の不況、一説には通常の景気循環、平均十五カ月という説もあるようでございますが、そういった見地から考えましても大変深刻なものがあると思うわけであります。加えて、ことしは冷夏、災害、そして円高、公共事業の発注、施行のおくれ等々特殊な要因がたび重なりまして、先行きの方は大変暗いものを感じるわけであります。
そういった中で、政府は九月十六日、緊急経済対策を発表されましたし、また九月二十一日には公定歩合一・七五%、これは史上最低水準であるわけでありますが、そういった決定をされたわけでありますしかるに、その後の状況を見ておりましても、平均株価二万円割れ等々の現象を見る限り、顕著な効果はあらわれていないのではないかなというふうに思う次第であります。そういった状況の中で国民の不安は大変大きいものがあると思うわけであります。
そこで、先ほど米田議員の方からも所得税減税について御質問があったわけでありますが、私も多少表現を変えまして、このあたりをお伺いできればと思う次第であります。
やはり、こういった厳しい状況の中で、私自身
としてはアナウンス効果のある景気対策の目玉としまして大幅な所得税減税、これは必要であると思うわけでありますが、これにつきまして細川総理も再三その答申を尊重するとおっしゃっておられますようでございます。政府税調におきましては、この場合、予算単年度主義あるいは減税食い逃げ防止の見地から所得税減税と消費税税率アップとを確約する形でセットで行うという説があるようでございますが、私自身はそれについて疑問を感じておるわけでございます。
「アナウンス効果のある景気対策の目玉としまして大幅な所得税減税」が必要だと言うのは、今の岸田総理からすると考えられません。
さらに、消費税についても述べています。
そもそも景気対策ということから考えますと、消費の拡大を主な目的にこういった議論が行われておることから考えますと、もともと高所得者層はどちらかというと貯蓄性向が大きく消費性向の方が小さい。逆に低所得者層の方が消費性向が大きいということが言えると思うわけであります。そういったことから考えますと、この所得税減税の財源を消費税の税率アップに求めることにますます疑問を感じるわけでございます。景気対策として、消費拡大の目的のために所得税減税の財源を消費税税率アップに求めるのではなくして、財源の方は時限立法による国債の発行あるいは経費節減等の政府の自助努力あるいは景気回復時の税収アップ等々に求めるべきではないかというふうに思うわけであります。
質問の後半で、相続税について述べています。
相続税につきましては、ちまたの大変厳しい声を受けられまして、政府におきましても平成五年度、今年度の税制改正で延納利子税の一部引き下げ等御努力もされておられますし、また、国税当局も一相続税申請時に土地の評価を路線価と時価のいずれか低い方で評価することを認められるとか、それぞれ努力はされておられることには敬意を表し申し上げる次第であります。
しかるに実際、現在のちまたの声を聞きますと、本当に相続税に押しつぶされてしまうという悲鳴が多く聞かれるわけでございます。先ほど米田議員のお話にもありましたけれども、日本の税収入全体に占める相続税の割合は、各国に比べましてもけた外れに大きいという事実もございます。特に東京を中心とする大都市では、土地の相続はかなり困難という状況でございます。いろいろな立場の人間がいろいろな形でこの状況を嘆いておるわけでございますが、特に大都市圏におきます事業継承という見地から、この相続税は大変大きな問題になっておると思うわけであります。
最近は相続税については問題点を聞く機会は少ないですが、重要な問題ですので機会があれば私の方でも調べてみたいと思います。
そして質問の最後の部分です。どういう内容の質問をしたかのまとめがあります。
以上、景気から始まりまして、為替あるいは金融問題、それから証券市場、相続税といろいろお伺いしてまいったわけでありますが、基本的には今の日本の経済状況、そして国民一人一人の生活は本当に厳しい状況で、苦労しておる、そういう声がいろいろな問題を通じてわき上がっているということをつくづく私自身思って、いろいろとお伺いさせていただいたわけであります。
(中略)
以上、大変稚拙な質問だったかもしれませんが、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
岸田文雄衆議院議員の初質疑の内容について、岸田総理にお伝えしたいと思います。
現状、我々には(全大臣が出席し、岸田総理にも質問可能な)予算委員会の議席はありませんので、質問主意書の形でお伝えをしたいと思います。
ところで、選挙ドットコムチャンネルでのインタビュー動画の2回目がアップされましたので、照会しておきます。