今回の記事では、自民党の保守系議員の集まりが政府に提出した「核抑止戦略に関する提言」を紹介します。
※山田宏参議院議員の動画↓は上記の説明の動画なのですが、LGBT法案に山田議員が賛成したことを批判するコメントが多数寄せられているのは興味深いです。
本日、日本の尊厳と国益を護る会(護る会)は「核抑止戦略に関する提言」を松野官房長官に手交し、我が国としての「国家核抑止戦略」を策定するよう申し入れました。
わが国は、中国、北朝鮮、ロシアという独裁の核兵器保有国に囲まれ、最も危険な核の谷間にあります。… pic.twitter.com/DLxC6mHYfV— 山田宏 自民党参議院議員(全国比例) (@yamazogaikuzo) May 18, 2023
青山繁晴参議院議員が、自身のブログで本文を掲載しております。
護る会が広島サミットに向け、タブーを越えて、岸田総理に提示した「核抑止戦略に関する提言」、その全文です｜青山繁晴の道すがらエッセイ／On the Road https://t.co/skh7vAfZg2
— 青山繁晴 (@aoyamashigeharu) May 18, 2023
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日本の尊厳と国益を護る会（#護る会 代表 #青山繁晴）は「核抑止戦略に関する提言」を岸田首相に提案しました。全文は写真（A4 2枚）を読んでください。・日本版核共有を（米国の核を日米で共同運用）
・欧米なみのシェルターの設置を（70%〜80%）これの実現に向け、護る会は努力して行きます。 pic.twitter.com/fkS5x90DAE
— 稲穂【ネット保守連合・愛国有権者連合】所属 (@9984Yuka) June 3, 2023
江崎道朗の「自主独立のための選択肢」No.154 護る会「核抑止戦略に関する提言」を読み解く（その1）
7月5日号のメルマガは、自民党保守系の「日本の尊厳と国益を護る会」による、岸田文雄首相宛ての提言「核抑止戦略に関する提言」について、江崎道朗研究員が解説します。https://t.co/S5szG1WEyB
— kyuukoku.com (@KyuukokuC) July 7, 2023
私が政策立案において参考にさせてもらっている救国シンクタンクさんがこの提言内容をまとめていただいております。重要な点を抜粋して共有します。
（中略）
重要なポイントは三つです。
① わが国はいま、核の脅威に直面している
わけですが、だからこそ「核武装せよ」という
短絡的な議論をしても、
それでは何も進まないのです。
大事なことは、核の脅威にどう立ち向かうのか、
日本としての戦略をまず持とうではないか、
というのが護る会の提言の根幹です。
現在、日本には、日本独自の核抑止戦略は
ないのです。独自の核抑止戦略もないまま、
核兵器を持ったとして、それをどう使うのですか、
ということです。② そして、独自の核抑止戦略を策定することは、
核兵器のない世界とは矛盾しないのです。
むしろ核兵器のない世界を目指すためにも、
現実に存在する核の脅威に対し
国家と国民を如何に守るかという「核抑止戦略」
を進めなければならないというわけです。③ そして、独自の核抑止戦略を策定することは、
現行憲法や日米安保条約、NPT体制のもとでも
可能なことなのです。
「核武装に踏み切るべきだ」みたいな
大言壮語ではなく、現行の枠組みのなかで、
まずはしっかりとできることからしていこう、
という提言になっているのです。
政治の議論は、スローガンではないのです。次に提言の中身を見ていきましょう。
（中略）
ここでのポイントは、以下の三点です。
第一に、昨年12月に策定された
国家安全保障戦略を推進するためにも、
日本独自の核抑止戦略を策定すべきだとの
論理に基づいていることです。
現行の国家戦略には、核抑止戦略がないから
きちんと策定すべきだ、という論理では
ないことに注目してください。第二に、《その前提として日米同盟の緊密な
戦略調整（中略）も不可欠》と
指摘している点にも注目です。
日本が日本独自の核抑止戦略を
策定するに際して、日本だけで策定するのでは
ダメだと主張しているのです。それは二つのことを意味しています。
一つは、日本の保守系議員たちが
「核抑止戦略の策定を」と主張すると、
アメリカなどでは
「日本は独自の核武装を目指すのか」などと
誤解が広まり、その誤解を使って中国やロシアが
日米分断工作を仕掛けてくる可能性があるので、
事前に手を打ったという意味合いです。もう一つは、そもそも論として、
アメリカとの緊密な連携、特にアメリカの核戦略と
連動しなければ、日本だけで核抑止戦略を策定しても
意味がないからです。
これは、最終的に日本が独自の核武装に
踏み切ったとしても同様です。
自由主義陣営としての総合的な核抑止戦略の
なかで各国が独自の核抑止戦略を策定し、
専制主義陣営の核の脅威に「共同で」
立ち向かう構図が必要なのです。第三に、《政府全体で日本に対する核の脅威と
それに対応するための政策シミュレーション
などの実施も不可欠》という点にも
注目してください。ポイントは、「政府全体で」というところです。
たしかに核に関する日米拡大抑止協議は
始まっていますが、それはまだ実務レベルに
とどまっていて、閣僚級の協議には
なっていません。
ある意味、実務に丸投げしている段階なのです。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_009528.htmlしかもこの日米拡大抑止協議の中身、
つまり核抑止は、首相を議長とする
国家安全保障会議での議題に
なっていないのです。
そこでまずは、日本側は、国家安全保障会議の
議題にすることで「政府全体で」
取り組むようにした方がいい、
と指摘しているのです。国際政治、政治について分析するためには、
政府の公開文書、公開情報を丁寧に
読み解くことが重要です。
そして、公開された文書を読み解くためには、
それなりの知識と情報収集が必要です。
日常の生活で忙しい国民の大半は、
とてもそんな余裕もありません。
そこでわれわれのような民間シンクタンクが
忙しい国民に代わって分析し、
そのポイントを国民に提示する、
という仕組みが必要になってくるのです。救国シンクタンク研究員
江崎 道朗
国防のことはなかなか一般の方々が知る機会はすくないですが、非常に重要です。重要性を鑑み、国民の皆様と共有させていただきました。