スポンサーリンク

ワクチン忌避派も納得できるワクチン行政のために日本版ACIP設立を検討すべきでは⁉

新型コロナウイルス感染症が全世界で問題となって1年半以上が経過していまだに問題となっている一方で、全世界でコロナワクチンによる効果も出てきているのは皆様ご周知のとおりです。

各種感染症の予防効果を持つワクチンは、医療を推進する偉大な発明と言っても過言ではありません。20世紀の医学領域における最大の貢献は、ワクチンと抗菌薬がもたらした、という言われることもあります。

そんなワクチンですが、ワクチンを忌避する人もいます。それはそれで構わないと思いますし、そういう人がある一定の割合で存在することは日本のみならず全世界で見られる傾向と言えます。

ワクチンに限らない話ではありますが、メリット・デメリットを考慮した上でワクチン接種を各人がすればいいと思いつつも、どうしてもワクチン接種は嫌だという人はいるものです。日本国内では、そのようなワクチン忌避派の人の声により、ワクチン接種が思うように進まずに他国であればワクチンで制圧している(しつつある)感染症が問題となることがあります(例えば麻疹・子宮頸がん)。グローバリズムの進んだ今日において、ワクチン後進国と揶揄されるような日本のワクチン行政は頭の痛い所です。

世界に目を向けてみると、アメリカのワクチン行政には非常に参考になるシステムがあり、今回はそれを紹介します。それはACIP(Advisory Committee on Immunization Practices;ワクチン接種に関する諮問委員会)の存在です。

ACIPに関して、岩田健太郎氏の意見を紹介しておきます。それなりの分量になります。特に重要な部分は太字にしておきます。

予防接種行政に必要なのは日本版ACIP 米国ACIP会議に参加して 岩田健太郎(神戸大学大学院教授・感染症治療学/神戸大学医学部附属病院感染症内科) 医学書院 2009年

ACIPの構成とその役割

ACIPは米連邦政府の委託委員会で,1964年に設立されました。米国疾病予防管理センター(CDC)と米国保健福祉省(DHHS)に予防接種を推奨する機関です。ACIPは米国の予防接種のあり方を実質的に形づくっています。どういった疾患が予防接種により予防可能なのか(これをVaccine Preventable Diseases, VPDと呼ぶ),どのような人たちにワクチンを提供するのか,そしてそれによって米国と国民に何がもたらされるのかを検証し,推奨事項をまとめます。

ACIPは投票権を持つ15人のメンバー,投票権のない8つの「官」組織の会員(CDC/NIP, National Immunization Program, ex officio members)と26の「民」からの関連機関代表(liaison representatives)から成ります。

(中略)

15人のACIPメンバーには消費者代表が1人混ざり,そのほかワクチン学,免疫学,小児科学,内科学,感染症学,予防医学,公衆衛生学などの専門家から構成されます。任期は4年間で,居住区,人種,性別に偏りがないようメンバー構成に配慮が払われます。また,ワクチンメーカーとの利益相反には厳しい監査が入り,もし当該メーカーの株を所有している,主催の講演などで利益を得ているなどの利益相反があれば,そのワクチンに関する投票権を失います。

投票権のない関係機関代表は米国医療を代表する機関,例えば,医薬品食品管理局,米国内科学会,米国医師会など,そうそうたるメンバーです。

今回は,ジョージア州アトランタのCDCロイベル・キャンパスで行われました。15人のメンバーが会場の中心にロの字型に集まり,その周囲をex officio membersとliaison representativesがぐるりと取り囲みます。さらにその周囲に私のような非会員(オブザーバー)がいます。非会員もこの会議を傍聴し,そして発言することができます。私のような外国人,VPDによる被害を受けた患者団体,ワクチンに反対する人々など,どのようなバックグラウンドであっても参加発言が可能です。会議の内容はインターネット上でも公開されています。この透明性こそが,ACIPの権威と信憑性を高く保っています。

(以下略)

要は、アメリカにおいてはワクチン行政の最終決定がこのACIPで行われるのですが、その決定においては日本のような密室(と言っても過言ではないようなシステム)での決定ではなく、透明性が担保されたシステムでの決定がなされるというわけです。決定権を持つ15人のうち1人は消費者代表であったり、ワクチン反対派の者も意見を述べることができたりする、といった会議形式も、結果的にワクチン行政への不満を和らげることにつながり得るのではないでしょうか。会議の動画(&写真)を紹介しておきます↓。

↑会議ではワクチン忌避派と思われる方がそれなりに発言されているようでなかなか興味深いです。

行政の透明化推進というのはワクチン行政だけでなく、電波オークションなど様々な分野に応用が可能でしょう。

というわけで、岩田健太郎氏の意見と同じく、私は日本においても、予防接種行政を向上させるために日本版ACIP設立は検討すべきと考えます。

以前の私へのインタビュー記事でも同様の意見を書いております↓。

とりあえず、衆院選の最中ですので、選挙に向けての政策に組み込むことを検討します。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売されています。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

書籍「立花孝志かく闘えり」の紹介です

↓もしよろしければ応援クリックお願いします。
人気ブログランキング

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク