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障害特性によりマスク着用が困難な方々の新型コロナワクチン接種順位の再検討に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年6月1日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回はマスク着用が困難な方々のワクチン接種の優先順位に関する質問主意書です。六十歳未満のマスク着用困難者であっても、精神障害者保健福祉手帳を所持していない方の場合、コロナワクチン接種の優先順位が高くなるわけではないことに問題意識をお持ちの方にこの質問主意書を書いていただきました。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

障害特性によりマスク着用が困難な方々の新型コロナワクチン接種順位の再検討に関する質問主意書

 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(第二・二版)」(以下「手引き」という。)九ページ以下によれば、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種順位三位に「基礎疾患を有する者」が挙げられており、その中には「重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)」の状態の方が含まれている。

一方、厚生労働省のホームページ「マスク等の着用が困難な状態にある発達障害のある方等への理解について」にあるとおり、発達障害者の方々には、障害特性によりマスクの着用が困難な方々(以下「マスク着用困難者」という。)が多数いるが、その中には、二年ごとの更新期限を失念する、そもそも申請していない等の理由で精神障害者保健福祉手帳を所持していない方も多いと思われる。

マスクの新型コロナウイルス感染症予防効果は、当初「他人にうつさないためであり、自分が他人にうつされないことを期待する予防効果は低い」とされていたが、スーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーションによれば、不織布マスクは吸い込み飛沫量を七十パーセント程度削減できることが示されている。言い換えれば、マスク着用困難者は、健常者より新型コロナウイルス感染症にり患するリスクが高いと考えられる。

右を踏まえて、以下質問する。

一 六十歳未満のマスク着用困難者は、精神障害者保健福祉手帳を所持していない場合、手引き九ページ以下の接種順位四位である「上記以外の者」に該当してしまう。前述の事実にかんがみれば、マスク着用困難者は、精神障害者保健福祉手帳を所持しているかどうかにかかわらず、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種順位を上げるべきであり、実際に精神障害者保健福祉手帳を所持していない者がマスク着用困難者であるかどうかは、医師の診断書があれば足りるものと思慮するが、政府の見解如何。

一について
新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「予防接種」という。)の接種順位については、令和三年二月九日に開催された新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会において、同感染症にかかった際の重症化リスクの大きさ、同感染症の患者(同感染症にかかっていると疑われる者を含む。)に対する医療提供体制の確保の必要性等を踏まえ、医療従事者等、高齢者、高齢者以外で基礎疾患を有する者及び高齢者施設等の従事者の順に予防接種を行い、その後、それ以外の者に対し、予防接種に係るワクチンの供給量や地域の実情等を踏まえ、順次予防接種を行うことを基本的考え方とすることが取りまとめられたものであり、御指摘の「マスク着用困難者」について、「精神障害者保健福祉手帳を所持しているかどうかにかかわらず、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種順位を上げる」ことについては考えていない。

なお、「「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き」の改訂について」(令和三年六月一日付け健健発〇六〇一第一号厚生労働省健康局健康課長通知)の別添「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き(三・〇版)」において、「基礎疾患を有する者のうち重い精神疾患や知的障害の者の場合は、精神障害者保健福祉手帳、自立支援医療受給者証や療育手帳を確認するが、手帳等により確認できない場合は予診票等で確認すること」としているところである。

二 地方自治体が、独自に、精神障害者保健福祉手帳を所持していないマスク着用困難者の新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種順位を上げることは差し支えないか。政府の見解如何。

二について
お尋ねについては、「新型コロナウイルスワクチンに係る予防接種の高齢者に次ぐ接種順位の者(基礎疾患を有する者等)への接種の開始等について」(令和三年四月二十一日付け厚生労働省健康局健康課予防接種室事務連絡)において、「自治体は基礎疾患を有する者等への先行予約期間の設定などにより、基礎疾患を有する者等が優先的に接種できる機会を設ける」こととした上で、「先行予約期間内であっても、予約の空き状況がある場合などは、基礎疾患を有する者等の接種機会が損なわれない範囲でそれ以外の者も予約可能とすること」としており、市町村(特別区を含む。)は、「基礎疾患を有する者等の接種機会が損なわれない範囲」で、御指摘の「精神障害者保健福祉手帳を所持していないマスク着用困難者」も含めた予防接種の対象となる者に対して、順次、予防接種を行うことができることとしている。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

色々と課題はあるのでしょうが、大半は現場で臨機応変に対応してもらう方針でいいのでは、と個人的には思います。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

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