以前、医療現場の最前線で新型コロナウイルス感染症の対応をされている内科医と思われる方がTwitter上で大変興味深いツイートをされていました。新型コロナウイルス感染症に関する4択のクイズです。(医療関係者にとって)基礎知識の確認に良いと思いましたので、紹介していきます。
※1問目~50問目までは、以前の記事に加え、さらに改訂版をまとめています(以下のリンクリストは改訂版のみ)。
今回は56問目~60問目を紹介します。
どの選択肢がどれだけ選択されたのかが既に出ていますが、気にせず皆様も答えを考えてみると面白いと思います。
※最多の選択肢が解答とは限りません。
まずは56問目。
【過去問56解答】
これも54,55問目の連続問題となります。
『新型コロナワクチンを接種できない体質の人』に該当する人は実はほとんど激レアにしか存在しないということをご説明するためにこの連続問題を作っています。 pic.twitter.com/zV9gK7qlmm— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 23, 2021
d)は接種可能です。通常15分の接種後待機になるところを30分に伸ばして待機していただくように、接種会場ではマニュアルになっていると思います。
・他の薬剤(抗生剤等)
・他の食材
・蜂
・他のワクチンの全てのアナフィラキシーの既往があってもコロナワクチンは接種可能です。覚えてください。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 23, 2021
新型コロナワクチン自体のアナフィラキシーは1/10万〜20万人とされております。
他薬剤や食品でアナフィラキシーの既往がある方は、これが1/800程度に可能性が上がるとされておりますが、実際には、他会場で断られたアナフィラキシーの既往を持つ患者さんをお引き受けしても多くは何も起こりません。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 23, 2021
大腸内視鏡の際に使う下剤の中には、このPEGが含まれておりますので、この下剤でアナフィラキシーを起こした方は、今回の新型コロナワクチンは接種不可と判定されます。
※あくまで”アナフィラキシー”です。
蕁麻疹が出た程度は接種可能です。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 23, 2021
体質上の問題でコロナワクチンを接種できない(接種が禁忌となる)方というのは非常に限られていることがわかります。以下の問題でも同様の考え方が問われているように思います。
57問目。
【過去問57】
コロナワクチンを接種できない(禁忌)人は下記4名のうち誰か。a)過去にインフルエンザワクチンでアナフィラキシー
b)過去に肺炎球菌ワクチンでアナフィラキシー
c)過去にB型肝炎ワクチンでアナフィラキシー
d)1回目のコロナワクチンでアナフィラキシー※その1名以外は接種可能
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 21, 2021
a)過去にインフルエンザワクチンでアナフィラキシー
→打てる(30分待機)
b)過去に肺炎球菌ワクチンでアナフィラキシー
→打てる(30分待機)
c)過去にB型肝炎ワクチンでアナフィラキシー
→打てる(30分待機)
d)1回目コロナワクチンでアナフィラキシー
→不可本当に打てないのはd)のみ
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 23, 2021
下記の人は打てます!通常15分の接種後待機になるところを30分に伸ばして待機していただくように、接種会場ではマニュアルになってます。
・他の薬剤(抗生剤等)
・他の食材
・蜂
・他のワクチンなどの他の全てのアナフィラキシーの既往があってもコロナワクチンは接種可能です。覚えてください。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 23, 2021
58問目。
【過去問58解答】正解:d
ウイルス性心筋炎は、ウイルス感染に続発する心筋障害で激症型になりますと歩いてきた患者が30分で心停止になったりして救急外来を騒然とさせる疾患の1つです。
パルボウイルス、コクサッキーウイルス、エイズウイルス、インフルエンザウイルス、色々なもので起こります。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 3, 2021
ちなみに、上記のデータは100名の患者さんで調査を実施していて、男性が53%、女性47%、年齢の中央値は49歳でした。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 3, 2021
ウイルス性心筋炎としては激症型になると上記のように救急外来で歩いてきた人がいきなり心臓止まって、バケツをひっくり返したみたいな大騒ぎになる疾患ですが、ワクチン接種後の心筋炎については消炎鎮痛剤やステロイドの短期投与で軽快するレベルですので個人的には、ワクチン1択だと考えています。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 3, 2021
とはいえ、今後12〜16歳の接種も進んでまいります。ワクチン接種後、特に2回目の接種後数日経過した方で、
・胸痛
・動悸
・息苦しさ
・意識消失などが発生した場合は、循環器外来へ連れてきてください。心電図や胸部レントゲン、心エコー検査などが必要な場合もあります。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 3, 2021
解答が非常に割れてしまった上に、僅差でa)を選んだ方が多かった様子ですが、
コ
ロ
ナ
を
甘
く
見
過
ぎ
で
す。正解はd)。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 3, 2021
新型コロナウイルスに感染した際のダメージと、ワクチン接種における不確定な恐怖と、天秤にかけてどちらを選ぶか、ということでしょう。ワクチン接種希望者が今なお数多く存在しているということは、多数の人は後者を選んでいるということです。
59問目。
【問題59】(新作問題)
問題54-57の解説を読んで頂くと”コロナワクチンの接種禁忌となる体質の人”と言うのは、接種1回目についてはポリエチレングリコール(PEG)のアナフィラキシーの既往のある人にほぼ限定されることがわかります。
では日本国内でPEGのアナフィラキシー報告は過去に何例ぐらいか。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 3, 2021
1977年以降に報告されたポリエチレングリコールに対するアレルギー37例が2016年にまとめて報告されています。海外の報告でもこんな程度の人数です。https://t.co/H47mmpKrKl
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
PEG自体はシャンプーや歯磨き粉にも含まれており、これでアナフィラキシーになってると言うことは日常生活が送れないほどのレベルになってると思われ、そのような人は大変稀でありますので、それ以外の方はPEGを理由に、コロナワクチンが受けられないという事由には該当しないと思われます。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
一方で過去に化粧品類で”アレルギーを起こした”程度の方々は、日常で歯磨き粉やシャンプーを使用できるのであれば基本的に接種は全然可能です。
②PEGでアナフィラキシーの疑い→接種可能
心配であれば他の薬剤や食品のアレルギーの方々同様に、ワクチン後30分待機の対応となるだけです。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
アナフィラキシーについて正しく恐れることで、可能な限りワクチン接種希望者が接種できるようになるといいですね。
エピペンの使い方は知っておくと役に立つかもしれません。
60問目。
【問題60】正答:d)
PCRをtwitter的に超短い超平易な言葉で説明すると
『目的となる遺伝子を決めて、それを増幅させて、視覚的にわかりやすくして検出する検査』
です(めちゃ端折った😂)。端折りすぎたかもしれないけど…..。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
ちなみにSARS-CoV-2は、
⭕️コロナウイルス科
ベータコロナウイルス属
SARSコロナウイルス2(種)と言う分類になります。これに対しA型インフルであれば
⭕️オルトミクソウイルス科
アルファインフルエンザ属
A型インフルエンザウイルス(種)と言う分類になります。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
と言うことで、今度twitterでこのような阿呆なご意見を見かけた際には、
「はは〜ん。お前の髪の毛の遺伝子を解析したら、パンダ🐼の遺伝子が出てくるんやな?」
と、言ってあげてください。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
「COVID-19のPCR検査をやるとインフルエンザでも陽性になる!」と言う主張は、「人の髪の毛の遺伝子検査を実施したらパンダの遺伝子が検出されるんです!」と言うのと同じぐらい、超非科学的であり聞くに耐えません。
科が違う生物、科が違う生命体は、当然ですがそれぞれ別の遺伝子を持っています。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
なので、この例えは、もしかするとパンダ🐼でもまだ生ぬるくて、もしかしたらナメクジウオぐらいまで出てきてもらわないと適切ではないかもしれないね・・・。 pic.twitter.com/xJYLTmglDM
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) September 5, 2021
今後も引き続き、問題と解答を紹介していきます。
ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。