以前、医療現場の最前線で新型コロナウイルス感染症の対応をされている内科医と思われる方がTwitter上で大変興味深いツイートをされていました。新型コロナウイルス感染症に関する4択のクイズです。(医療関係者にとって)基礎知識の確認に良いと思いましたので、以前の記事で紹介していました。
が、このクイズのアカウントが鍵アカウントになってしまい、見ることができなくなってしまいました。その後、別の公開アカウントで同じ問題が公開されました。順次、改めて紹介していきます。
今回は41問目~45問目を紹介します。
どの選択肢がどれだけ選択されたのかが既に出ていますが、気にせず皆様も答えを考えてみると面白いと思います。
※最多の選択肢が解答とは限りません。
まずは41問目。
【過去問41】
現在の定義で『濃厚接触者』となる可能性が高いのは?a)学生1名が陽性となり、2日前に同じ講義を受けた学生全員。
b)1週間前に1泊した単身赴任の父親が陽性となった場合の家族。
c)2日前お泊まりをした彼女が陽性になった場合の彼氏。
d)バイト先の飲食店の同僚が陽性の場合— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 7, 2021
a)講義中はマスクを全員しているはず
b)日数の経過が前すぎます。
d)飲食店はマスクをしてバイトしてるはず。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 14, 2021
42問目。
【過去問42解答】正答:b)
変異株問題もあり、適切なマスクの素材と付け方は非常に大切です。一番危険性が少ないのはもちろん、b)です。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 14, 2021
43問目。
【過去問43】※応用編
Dr.丼は何度もコロナIgG抗体(アボット/N蛋白)を行ったが今まで1回も陽性になっていない。ワクチンが二回終わり、アボット社(N蛋白)と市販キット(S蛋白、N蛋白)の2つの抗体検査を実施、アボットは陰性。市販キットが陽性だった。解釈で正しいものを選べ。(選択肢下記)
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 7, 2021
【問題43解答】
やや応用問題です。アボットがN蛋白に対する抗体しか拾わない方式→陰性
市販キットがN蛋白とS蛋白に対する抗体を拾う形式→陽性という結果についてですが、下記のコロナウイルスの構造の図を見てみましょう。 pic.twitter.com/bxIUL0K7VQ
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 14, 2021
c)ワクチン接種によりSタンパク(スパイク)に対する抗体だけが完成した。⭕️
まさに、ファイザーのmRNAワクチンとは、このSタンパクのみを作らせますので、Sタンパクに対する抗体しかできません。d)SタンパクとNタンパクの両方の抗体はできてないので❌
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 14, 2021
追記:
現在アボット社も、Sタンパク専用の抗体検査を開始しており、最大手として多くの研究に使用されています。ARCHITECT SARS-CoV-2 IgG II QuantというものがアボットのSタンパク用の抗体となり、私も何度かワクチン後の抗体価の測定に利用しました。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 14, 2021
なお、このようなCOVIDの抗体検査は全て保険が効きません。
自費検査になります。
このため病院によっては実施していない(臨床検査会社との契約外)となっている医療機関も多いです。事前に確認をされてから申し込むといいと思います。※保険診療と同日には実施できないことが多いです。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 15, 2021
44問目。
【過去問44】
現在認可のmRNAワクチンについて”世界標準”となる医学的見解を選べ。a)遺伝子を人体に導入することには慎重であるべきだ
b)体内に入った後の遺伝子の動きを完全に制御することはできない
c)リスクがあるものを接種させるのは医学倫理に反する
d)重症化だけでなく発症を防ぐ効果がある— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 7, 2021
【過去問44解答】正答:d)
d)が圧倒的な解答で安心しました。
ちなみに、私的に『絶対に選んで欲しくない選択肢』は全て、https://t.co/wIZgLRT9cQの記事から、採用させていただきました。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 15, 2021
b)この文章の根拠になるものがありません。
ワクチンのmRNAは、スパイクタンパクを作らせたらすぐに消えて無くなります。長々残存する能力がそもそもないのです。保存も超低温で非常に気を使い、わざわざ筋肉注射にする理由も、”吸収に時間がかかる皮下注射にしてたらすぐ無くなってしまう”からです。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 15, 2021
d)今回のmRNAワクチン2種は、重篤化を防ぐのみならず、感染、及び発症も、非常に高い効果で抑制します。
厚労省のホームページにも重篤化を防ぐだけではないですということは明記されるようになりました。いまだに
『重篤化しか防がないでしょ』と言ってる人は完全にアップデートが遅れております。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 15, 2021
選択肢c)の解説が秀逸だと思いました。
リスクがあるものを接種するのが医学に反するのであれば、この世の全ての医薬品が使えなくなります。
リスクはどんな医学的手技、どんな医薬品にも必ず存在します。しかしそのベネフィットが上回るからこそ、『保険診療』あるいは『公費負担医療』として使用することが承認されているのです。
私としては、まさにその通りだと思うのですが、世間的にはなかなか一般的になりにくい考え方なのかもしれません。
45問目。
【過去問45】
以下の選択肢で⚠️誤りを選べa) 細胞の核の中に染色体が、染色体の中にDNAがあり、遺伝子として働く
b) mRNAはDNAを転写したもので、mRNAの情報を元に様々なタンパク質が作られる
c)DNA→mRNA→タンパクが作られることをセントラルドグマと言う
d)セントラルドクマとは遺伝子操作である— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 7, 2021
a)b)c)は全て正しいです。
しかしd)はおかしいですね。セントラルドグマとは、上記のように『遺伝子情報をタンパク質として発現するための全生命体に共通の仕組み』を指す言葉であり、人工的に遺伝子操作をするとかしないとかとは何の関係もありません。
用語の使い方が間違いです。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 15, 2021
ところで、新型コロナとワクチンについて以前紹介した本の動画が370万回以上再生されています。
(新型)コロナウイルスとワクチンの基本的な情報がまとまっていますので、適宜ご参照ください。
今後も引き続き、問題と解答を紹介していきます。
ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。