以前、医療現場の最前線で新型コロナウイルス感染症の対応をされている内科医と思われる方がTwitter上で大変興味深いツイートをされていました。新型コロナウイルス感染症に関する4択のクイズです。(医療関係者にとって)基礎知識の確認に良いと思いましたので、以前の記事で紹介していました。
が、このクイズのアカウントが鍵アカウントになってしまい、見ることができなくなってしまいました。その後、別の公開アカウントで同じ問題が公開されました。順次、改めて紹介していきます。
今回は26問目~30問目を紹介します。
どの選択肢がどれだけ選択されたのかが既に出ていますが、気にせず皆様も答えを考えてみると面白いと思います。
※最多の選択肢が解答とは限りません。
まずは26問目。
【過去問26 ※改変版】
モデルナとファイザーの違いで誤りを選べa)有効性
ファイザー95% モデルナ94%
b)対象年齢
ファイザー12歳以上 モデルナ17歳以上
c)アナフィラキシーの頻度(100万回あたり)
ファイザー4.7例 モデルナ2.5例
d)保管温度
ファイザー:−75度 モデルナ:-20度— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 5, 2021
モデルナはそのうち対象年齢の承認が下がってくるのかなと予想してはいますが、今のところ18歳以上です。
自治体の集団接種会場で、ファイザーがモデルナに置き換わる会場がいくつか出ており、この影響で、「17歳に間違ってモデルナを打ってしまった」というニュースがいくつか出ています。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
医学は科学です。
個人の意見や考え、趣向などで、決まったプロトコルを勝手に改変する(俺様ルールでのプロトコル変更)は許されません。まずきちんとマニュアルの通りに運用することを現場は考えて、それでも解決しない場合は、遠慮しないでメーカーなり厚労省なりにすぐに指示を仰ぐといいです。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
現在はモデルナのワクチンも接種可能年齢は12歳以上へと引き下げられています。
27問目。
【過去問27解答】正答:a
解答が割れていますが、正しいのはa)の3倍です。確かに肥満はコロナ重篤化のリスクにはなり得るのですが、BMIが40以上で4.5倍、BMIが30以上で3倍程度となっているようです。※下記の図の「喘息」はその後修正が入り、リスクなしと考えられるようになりました。 pic.twitter.com/oEypNLE4Dx
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
ちなみに、アメリカではパンデミックが始まった1年前と比べ、7割以上の人が体重増加を自覚。平均で約18.6キロ増量した、という衝撃の結果が得られたそうです・・・😱
じ、じ、じ、18.6kg……
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
28問目。
【過去問28解答】正答:c)
空間噴霧系のやつはほぼ全部エビデンスなしだと思って良いです!!!クレベリンもミストカテキンも支持する医学的根拠は何もありません!ちなみにa)の高濃度のアルコールは引火の原因になりますので、a)やるとコロナ以前に非常に危ないですよ。🔥
シンプルに換気が一番。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
29問目。
【過去問29】
医学的に妥当性があると思われる記載を選べ。a)救急車へのオゾン噴霧器の搭載。
b)歯科医で首かけタイプの空間除菌グッズを使用。
c)米国ではHEPAフィルター付き空気清浄機がない学校では新型コロナ感染が3〜4倍多いことが分かった。
d)職場に次亜塩素酸空間除菌脱臭機を設置。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 5, 2021
【過去問29解答】正答:c
HEPAフィルターっていうのは径が0.3µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集効率をもつ超高性能エアフィルターのことです。
HEPAフィルターの空気清浄機置いてる学校と、置いてない学校ではCOVID-19の発生が3倍ぐらい違うようです。https://t.co/xxhn4Wn5jd— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
また、首からかけるようなタイプの除菌グッズだの、空間除菌系のグッズたちは、全て
イ
ン
チ
キです。医学的な根拠は皆無です。クレベリンのように頼んでもいないのに病院に持ってきて、知らない医事課が設置して置いていくケースもあり、要注意です。
医学的な意味は全くゼロ。ありません。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
30問目。
【基本問題30】
医薬品副作用被害救済制度とは『医薬品の副作用により患者が入院や死亡した際、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が救済給付を行う制度』である。
以下の内容でイベルメクチンによる重度の薬剤性肝障害が発生し入院となった場合で、救済制度の補償の対象になりうるものを選べ。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 5, 2021
イベルメクチンなどの抗寄生虫薬、抗真菌薬や抗原虫薬の類は、普通の細菌用の抗生物質よりも薬剤性肝障害が結構よく出現します。
また体重15kg以下の小児への安全性は確立しておらず、動物実験で催奇形性があり妊婦への適応は確立していません。理解しておいていただきたい問題です。 pic.twitter.com/m11CvWLS4q
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
効果が現段階で期待できない薬剤を、副作用被害救済制度の対象外なのにも関わらず、しかも適応外処方ならまだしも、中身が何が入ってるかすらわからない国内未認可製品の並行個人輸入や、安全性の保証されていない小児への投与を自己流で行うなどの行為は、厳に慎むべき行動であると強く警告します。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) July 7, 2021
今後も引き続き、問題と解答を紹介していきます。
ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。