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米国の2対1ルールとカナダのOne-for-One Ruleについて

国会議員には、その立法活動などを行うために国会で様々な調査活動を手伝ってくれる環境が整っています。ひとつは以前紹介した調査室があります。

この他に、国立国会図書館もあります。

国立国会図書館について

国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国会法第130条の規定に基づき、国立国会図書館法により設置されています。

「議員の調査研究に資するため、別に定める法律により、国会に国立国会図書館を置く。」

(国会法 第130条)

私はこれまで調査室だけでなく国会図書館にも調査をお願いしてきました。いずれも非常に心強い存在です。

さて、今回はアメリカとカナダの規制緩和に関して国会図書館にしていただいた調査の話です。

アメリカでは2016年にトランプ大統領が就任し、2対1ルールを導入しました。1つ規制を設けるためには2つの規制をなくせ、というもので、大統領令です。

カナダではOne-for-One Ruleがあります。こちらは法制化されています。

以下、国会図書館からの回答を共有します。

アメリカの「2対1ルール」とカナダの「One-for-One Rule」(約739KB PDF)

1.アメリカの「2対1(“Two‐for-One”)ルール」

アメリカでは、法律ではなく大統領令 (Exective Order)13771号で定められています。資料1は、大統領令の原典です。

(中略)

資料4は、2019会計年度において、150の規制緩和措置を行い35の重要な規制を新設したこと、トランプ政権下で規制の新設が劇的に減ったこと等をまとめたホワイトハウス発表の資料です。

資料5は、2019会 計年度単独及び2017会計年度から2019会計年度までの累計において、規制緩和措置及び規制新設の数並びに規制遵守費用 (Regulatory Costs)の削減効果を省庁別にまとめた連邦政府資料です。

2.カナダの「One-for-One Rule」

カナダでは、2012年に “Red Tape Reduction Action Plan”を公表し、One-for-One Ruleをはじめとする6つの規制改革が盛り込まれました。同ルールは、2015年に”Red Tape Reduction Act”において法制化されています。

資料6は、当該法律の原典です。One-for-One Ruleを含む規制・行政手続コスト削減の取組の経緯をまとめた資料7によれば、カナダは同ルールを法制化した初めての国であるとのことです。

資料8は、同ルールを規制の政策評価の観点から調査したものですが、2012年 4月~2014年6月の期間の実績として、2,200万カナダドルの行政手続コスト、19件の規制が削減されたとのことです(p17)。2012年から2018年までの各年及び合計の実績 (規制の削減数 (Net regulations eliminated)、行政手続コスト削減額 (Administrative burden saved)、 (One-for-One Ruleの適用が)免除された規制の数(Regugations exempted))については、カナダの独立系シンクタンクの調査がまとめていましたので、御参照ください(資料9,p3)。2018~2019会計年度の実績は、国家財政委員会事務局の年次報告によると、規制の削減数が9、行政手続コストは600万ドル増、One-for-One Ruleの適用が免除された規制の数が11です(資料10,p17.)。

ありがたいことに、国会図書館にはインターネット上で確認可能な資料を多数教えて頂けました。私の今後の活動の参考にしようと思います。このブログを見ていただいている皆さんにとっても参考になれば幸いです。

不必要な規制を緩和することで国の経済成長につながると思います。日本の国会でもこういう議論がなされるよう、私もがんばっていこうと思います。

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