国会議員には、その立法活動などを行うために国会で様々な調査活動を手伝ってくれる環境が整っています。ひとつは以前紹介した調査室があります。
この他に、国立国会図書館もあります。
国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国会法第130条の規定に基づき、国立国会図書館法により設置されています。
「議員の調査研究に資するため、別に定める法律により、国会に国立国会図書館を置く。」
(国会法 第130条)
私はこれまで調査室だけでなく国会図書館にも調査をお願いしてきました。いずれも非常に心強い存在です。
さて、以前に世界各国の公共放送(国営放送)や受信料徴収などについて国会図書館に調査いただきました。
今回は世界各国におけるNHKの放送と受信料徴収の現状に関して国会図書館にしていただいた調査の話です。
・日本以外でNHKの放送が視聴可能な国
・上記の国において日本のように受信料が徴収されているのか
について調査いただきました。
以下、国会図書館からの回答を共有します。
海外でのNHK放送と受信料徴収(630KB PDF)
海外の日本人向け日本語放送である「NHKワールド・プレミアム」は、視聴者が現地の衛星放送・ケーブルテレビ等の放送事業者に加入して、有料で視聴するものです。この放送が視聴可能な国又は地域は(資料1)のとおりです。ヨーロッパ、中東及びアフリカにおいては、JSTV(Japan Satcllitc TV:NHKコスモメディアヨーロッパ)との契約により視聴が可能となりますが、JSTVの放送につき、インターネット経由の「JSTVi」の対象国は(資料2)のとおり、衛星放送カバーエリアは(資料3)のとおりとなります (ロシア (西部のみ)及びシリアは衛星放送のみ)。なお、NHKワールド・プレミアムを放送している衛星放送・ケーブルテレビがない場合は、衛星から直接受信し、有料で視聴することが可能です(資料4)。
NHKワールド・プレミアムの視聴にあたっては、それぞれの放送事業者等との契約に基づく視聴料等が必要になりますが、「受信料」に関する記載は見当た りませんでした(資料4~6)。また、「NHKよくある質問集」には、「なぜ受信料を支払っていない海外の人たちに放送するのか」という項目が掲載されています(資料7)。
(2020年10月1日追記 資料1)
(以上、追記)
国会図書館から、NHKワールド・プレミアムという放送についてご回答いただきました。これは世界各国の衛星放送・ケーブルテレビ会社に対する視聴料を払うというものです。NHKに支払う受信料とは異なると思います。
「なぜ受信料を支払っていない海外の人たちに放送するのか」についてNHKの回答は次の通りです。
〇 テレビとラジオで外国人向けと邦人向けに国際放送を実施することは、放送法第20条でNHKの必須な業務として位置づけられています。
〇 国際化が急速に進む中で、日本の姿や正確な情報を世界に向けて積極的に発信し、日本に対する正しい理解を促進していくことは、公共放送のきわめて重要な役割です。また、海外に住む日本人に対しては、適切な報道番組や情報番組などを提供する役割を担っています。
これについては、観光客など訪日外国人を増やすための宣伝効果を考えると、ある一定の理解はし得るものかもしれません。
ただし、放送内容に問題が指摘されることがあることは知っておきたいものです。
NHKが国際放送を強化 ならば朝日新聞と同じような「反日」報道を見直すべき
ただ、NHKの海外発信の内容については、一抹の不安がある。
例えば、従軍慰安婦問題については、「河野談話」よりも、さらに踏み込んで、その存在を認めている。2014年2月13日のNHK WORLD TVでは、「Many of the women were forced into prostitution to serve Japanese soldiers during World War Two.」(原文ママ)と報道した。これは、河野談話ですらあいまいにしていた慰安婦の強制性を世界中にPRしているのに等しい。この点については、今回の検討会のメンバーになった、独立総合研究所社長の青山繁晴氏が指摘している。
また、NHKスペシャル「Japanデビュー」では、謝った歴史認識を発信している。
「Japanデビュー」は「アジア」「天皇と憲法」「貿易」「軍事」に焦点をあてた特別番組で、2009年4月から6月に4回に分けて放送された。中でも初回の「アジア」では、放送内容をめぐって日本と台湾の視聴者から抗議が殺到。「日本の台湾統治を批判するため、(台湾人の)証言をねじ曲げている」など、放送内容が捏造だとの指摘が相次ぎ、台湾人約150人を含む約1万300人による集団起訴も起きている。
とりあえず、国内のNHKでは集金人をはじめとする問題が山積みなので、その問題解決に向けて頑張っていきます。