国会の衆議院・参議院ともに、それぞれの議員を調査面でお手伝いしてくれる調査室という機関?があります。
衆参両院には、議員活動全般を調査面で補佐するため、それぞれ「調査室」が置かれています。
(中略)
調査業務の一端を紹介すれば、例えば、議案審査では、議員立法を起草するための調査、付託された法律案の提案理由・問題点・利害得失等に係る調査、参考資料の作成、決議や審査報告書・調査報告書の原案作成等を行っています。また、委員派遣等により国内外の行政現場等を視察する際には、日程案を調整した上で、現地に赴く議員に随行し、報告書の原案作成等を行います。さらに、国会議員や議員秘書の方々からの依頼に応じ、法律案等の論点整理、政策課題の問題分析、各種公表資料の収集・分析を行い、議員が本会議や委員会等において質疑・討論等を行う際の準備作業を補佐するなどしています。
これまで調査室には幾度となくお世話になってきました。毎回、調査依頼をする際には、電子メールで調査依頼の文面を送っています。その後、調査結果が電子メールで返ってきます。調査内容については、PDFファイルやワードファイルなど、電子データでいただけるのがありがたいです。
さて、これまで何度もお世話になってきた参議院の調査室ですが、この調査室については私も知らないことが多いのです。
国会議員にとっては、調査室以外にも立法活動の補佐をしていただけるところとして以下のようなところが挙げられます。
・参議院法制局 (衆議院法制局) … 法案作成の補佐や法律の調査など
・国会図書館 … 文献依頼や各種調査など
これらはいずれもウェブサイトやYouTubeチャンネルなどがあるのですが、調査室にはありません。
とにかく、調査室については分からないところが多いものの、非常にありがたく調査依頼をさせていただいておりました。先日、調査室の調査について質問をしてみたところ、以下のようなことを教えていただきました。多くの方にとっては関係のないことですが、せっかくなので個人名などを伏せたうえで共有させていただきます。
調査室に御依頼いただく際に参考いただけますとありがたい点を以下にお伝えさせていただきます。
調査室における調査業務は、いわゆる文献調査が中心でありまして、依頼に応じて公表情報を収集・整理して御提示することが基本となります。
公表された情報にないものは個別に問い合わせるほかないのですが、調査室は参議院における国政調査権の行使主体ではないので、相手方において対応の義務はなく、相手方が政府機関であっても既存の資料がない場合に調査させるような権限はないことになります。この点は非政府系団体であれば困難の度合いが更に深くなります。
なお、調査室は各委員会毎に設置されておりますが、それぞれ管理職含め10名程度の小所帯でございまして、自ら調査票を広く配付・集計して行うような調査等多くのマンパワーを投入して行うタイプの調査は困難なところであります。
よって、政府機関において所管が明らかな事項や議案に関連する調査依頼であれば、政府機関等に多くの情報が蓄積、公開されており、ご対応もできるのですが、所管が不明な新しい問題や政府において議論が行われていない問題については、書籍や雑誌、新聞の記事等公知の情報を収集する作業が中心となります。
また、海外の文献に当たるような調査内容につきましては、国立国会図書館において先生方の調査を担当するレファレンス課が得意としているところであります。
加えまして、調査室は各委員長の命により事務を掌ることとなっており、委員長が中立公正を旨とする立場にあることから「調査室として」独自の見解を公にすることはできず、あくまで、先生方の立法調査活動の「補佐」を行うに止まります。
以上について御理解賜り、調査室を今後とも活用いただけますと有り難く存じます。
国政調査権の行使主体ではない、ということで、強い権限のもとに調査ができるわけではないのです。ただし、それでも普段から頼りになる存在であることには変わりはありません。
今後も調査室と協力していい仕事をしていけるように心がけます。