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日本製鉄が米政府を提訴⁉

今回はこの記事です。

2025/01/04
日本製鉄によるアメリカの鉄鋼大手・USスチールの買収について、バイデン大統領が禁止命令を出したことを受け、日本製鉄は「法的権利を守るためのあらゆる措置を検討中」などとする声明を発表し、法的措置も辞さない構えを示した。

声明では、「バイデン大統領が、買収に対して禁止命令を決定したことに失望している。この決定は、バイデン大統領の政治的な思惑のためになされたものであり、米国憲法上の適正手続きと対米外国投資委員会(CFIUS)を規律する法令に明らかに違反している」と厳しく非難した。

また、USスチールとともに「法的権利を守るためにあらゆる措置を追求する」として、法的措置も辞さない構えを表明した。

CFIUSによる買収の審査については、「当初から、誠実かつ透明性をもって真摯(しんし)に協議に応じてきた」としたうえで、「審査プロセスが、政治によって著しく適正さを欠いていたことは明白」、「同盟国である日本国をこのように扱うことは衝撃的であり、非常に憂慮すべきこと」とコメントし、強い懸念を示した。

この記事と関連するX上のポストを紹介します。

USスチールのCEOが、買収阻止したバイデン大統領に批判コメント。
経産省で国際交渉界隈に長くいましたが、その経験でも、ここまでの「ブチ切れ」をかました正式な文書は見た記憶があまりないです、、、
「バイデン大統領の行動は恥、腐っとる!あいつは経済・安全保障上の重要な同盟国である日本を侮辱しやがった上に、米国の競争力を危機に晒しやがった。中国共産党のお偉方が今頃、街で小躍りしてるぞ。てか、バイデン、俺らから逃げ回って、やりやがった!」くらいのかんじ。。

ちなみに日本の報道だと、日本製鉄がUSスチールと、米国政府に法的措置を取るという文言が躍ってますが、「日米政府関係者を含むステークホルダーの皆様と引き続き緊密に連携し、法的権利を守るためのあらゆる措置を追求してまいります」としか書いてないです。
トランプ新政権への移行を見ずに法的措置に出れば、ワシントン界隈の弁護士やロビーコンサルタント等に多額の報酬をエンドレスで払い続けることになるので、脊髄反射的に「訴えてやる!」と判断するのかやや疑問が。。

訴訟はやるべきではありません。新旧大統領が安保上の懸念で中止命令を出した案件で訴訟をしても米国の弁護士が大儲けするだけで全く勝ち目はありません。
アメリカは禿鷹の集まりで甘いといかにお金を引っ張るかとカモにされます。私も弁護士だと言った瞬間「お前もサメか」と引かれた経験があります。この案件は日本人が教訓にすべきものだと思います。残念ですがやり方を間違えました。

米国当局の判断による買収阻止の場合でも違約金が生じるような契約を締結するとは考えられません。本当ならそれこそ重大なミスであり、その不払い又は弁護士への賠償請求で訴訟するこはあり得ます。その回避のためにさらに弁護士費用を払うのは無駄です。今からでも今回は違約金の例外だと両者で合意すれば済むことです。
日本でもかつて外資によるJパワー買収を阻止しました。敵対的だったとはいえ、国家の根幹的「公益」に関わると判断されれば阻止されることはどこでもあり得ることで、それが国を守るということです。この件が訴訟で覆る可能性は報道での情報を前提とする限りほぼ皆無だと思います。
USスチール買収阻止、アメリカ政府への訴訟以外に打開策見当たらず(読売新聞オンライン)

色々な観点がある問題のように思いました。

日本製鉄がどうすべきか、そして、日本がどうすべきか、について他にも様々な意見を吟味した上で対策を考えていければと思います。

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