参議院総務委員会があり、地方交付税の質疑をしました。時間は15分です。
質問要旨は以下の通りです。
1.高知県三原村と地方交付税について
https://x.com/yuyawatase/status/1744567316774543442
渡瀬裕哉氏のXのポストを紹介する。地方交付税の現場の実態。
たとえば、高知県三原村では人口1437人(世帯数759)に対し、13億円の地方交付税(更に国・県からの補助金は4億円)
つまり、1人につき約90万円、1世帯につき約170万円の交付税が支払われている。補助金も入れると、1人につき合計118万円、1世帯224万円。…
— 渡瀬裕哉 (@yuyawatase) January 9, 2024
地方交付税の現場の実態。たとえば、高知県三原村では人口1437人(世帯数759)に対し、13億円の地方交付税(更に国・県からの補助金は4億円)。つまり、1人につき約90万円、1世帯につき約170万円の交付税が支払われている。補助金も入れると、1人につき合計118万円、1世帯224万円。市町村民税は1億円しかないのに、役所の正規人件費は2億円、職員数は44人で年収約500万円。(それ以外の人件費も入れると総額4億円)、貯金(財調)は11億円以上。ハリボテの役所、ハリボテの経済。この村の経済は国からの地方交付税で成り立っている。つまり、この地域は国からの税金を回すことによって無理やり人口を維持しているに過ぎない。このような事例が山ほどあり、それをどう考えるのか、という議論なしに、地方交付税の議論なんてスカスカだろ。
渡瀬裕哉氏の言うように、高知県三原村のように国からの地方交付税で成り立っている自治体が山ほどあり、地方交付税を考える際にはその自治体の在り方に関する議論が重要と考えるが、大臣の所見を伺う。※簡潔で結構→総務大臣
2.地方交付税不交付団体について
地方交付税不交付団体は、基準財政収入額が基準財政需要額を上回り、自主財源で必要な行政サービスを賄える財政力を持つ自治体である。つまり、これらの自治体は地方交付税から補助金を受け取る必要がないほどに財政的に裕福であると考えられる。一概に不交付団体を是とすることに議論の余地はあるとは思うが、不交付団体を増やすことが地方分権推進のひとつであると考える。
・2-1.地方交付税不交付団体数の最近の増減傾向について概要を伺う。(簡素で可)→参考人
・2-2.(0-3.とまとめて質問予定)地方分権推進のため、地方交付税不交付団体を増やすことを総務省の目標として掲げることを提案するが、この提案への総務大臣の見解を伺う。→総務大臣
・2-3.愛媛県内に地方交付税不交付団体がないことに関する総務大臣の見解を伺う。→総務大臣
・2-4.アルゼンチンのミレイ大統領(ハビエル・ミレイ)は、就任以来、国税を90%削減するという大胆な政策を掲げている。この狙いのおもなものとして、州(地方)の税制自治権を回復し、各州が投資を誘致するための競争を促進するというものがある。地方が自主財源を確保し、経済活動を活性化させることが期待されているものであり、日本も大いに参考にすべきと考える。ミレイ大統領によるこの大胆な政策に関する見解を伺う。→政務三役誰でも3.御代田町長のX上のポストについて
いわゆる年収103万円の壁引き上げが話題となった際に、地方自治体の首長が不安の声が上がったと認識している。一方、そういった不安とは相対する意見を長野県の御代田町長がX上でポストしている。アカウントの固定ポストから一連のスレッドで説明をしている(この一連のスレッドを今回の配布資料とする予定)。
この中のポストの一つを紹介する。https://x.com/miyotamayor/status/1858863492138455078国益全体を見渡した時に、全体の税収が減るのはよくないという考え方は一つの見識ですが、それと別に自治体として困るかと言われたら、国がなんとかしてくれる仕組みが現にありますよ、ということはお伝えできると考えております。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
国益全体を見渡した時に、全体の税収が減るのはよくないという考え方は一つの見識ですが、それと別に自治体として困るかと言われたら、国がなんとかしてくれる仕組みが現にありますよ、ということはお伝えできると考えております。
・3-1.年収103万円の壁引き上げによっても地方自治体は困らず、国がなんとかしてくれる仕組みが現にある、との御代田町長の指摘に関する見解を伺う。→政務三役4.今回の改正案について
・今回の改正案のように度々おこなわれる単年度限りの算定費目の追加は特定財源となる項目となっており、一般財源とする地方交付税とは目的や性格が合致していないように思われる。言い換えれば地方自治体への補助金である。複雑な制度設計をより複雑化していると言わざるを得ない。であるならば補助金として地方に財政措置をするとした方が地方交付税の簡素化に資すると考えるが、地方交付税に盛り込む理由を伺いたい。→参考人5.(時間切れで質問できず)地方財務協会から発行されている『地方交付税制度解説(補正係数・基準財政収入額篇)』について
基準財政需要額の算定方法は非常に複雑でわかりづらく、特に補正係数など恣意的な運用がおこなわれているまたはおこなわれる可能性があるという指摘は以前から多くの専門家が指摘しているところである。この基準財政需要額は専門の冊子を購入しないとその詳細を知ることができない。以前の参議院の委員会で音喜多駿議員が指摘していたが、この詳細は本来、全国民に公表すべきであり、インターネット上で公表すべきではないか?音喜多駿議員の指摘から、この問題に関する政府の取組の進捗状況を伺う。→参考人
今回、大臣と副大臣の答弁が無駄に長く、質問時間を奪われたのが残念でした。
冒頭で紹介した、高知県三原村の決算カードを共有します。
https://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/card-23.html
今回の質問でも取り上げたのですが、ここで注目してほしいのは決算カード左側の歳入のところです。
歳入のうち、地方交付税が85.9%です。つまり国からのお金でこの自治体は維持されていると言っても過言ではありません。
地方税などの自主財源での自治体経営をしていくために、市町村合併(または近隣自治体による吸収合併というのはひとつの選択肢でしょう。
他の委員の質疑では、国が地方にばらまけ、という旨の提案が多くて辟易しました。
とにかく、国民がこういった問題について知ることが解決への糸口になると思います。