今回は2019年4月、プレジデントオンラインの記事を取り上げます。
自治体が街中に”ブロンズ像”を増やすワケ ふるさと納税が何に使われているか https://t.co/MLzpZ5FYUv
— PRESIDENT Online / プレジデントオンライン (@Pre_Online) June 8, 2019
注目点を2つ取り上げます。
1点目:東京一極集中を是正する必要はあるのか?
東京一極集中是正を信じてる人達に読んで頂きたいな。
自治体が街中に”ブロンズ像”を増やすワケ ふるさと納税が何に使われているか #プレジデントオンライン https://t.co/cn6upEZwMt
— パエリア大臣 (@3qM0v41MGg58816) August 28, 2024
自治体が街中に”ブロンズ像”を増やすワケ(PRESIDENT Online)
>都市の中心部は出生率が下がります。しかし、それは結婚して子どもが生まれた場合に郊外に移り住むだけのことです。これは東京、福岡、仙台でも共通に観察されたモデルです
私の親がまさにこれ。 https://t.co/prS1IAVmae
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) June 12, 2019
日本創成会議の増田レポートは事実誤認
まず、14年に発表された日本創成会議のレポート「ストップ少子化・地方元気戦略」(座長・増田寛也氏、以下増田レポート)の中で議論されて、その後に様々な地方移住促進政策の根拠になった「人口過密の大都市では、住居や子育て環境等から出生率が低いのが一般的であり、少子化対策の視点からも地方から大都市への『人の流れ』を変える必要がある」「『東京一極集中』は、少子化対策の観点からも歯止めをかける必要がある」という主張を取り上げたい。
実は、この主張を事実誤認であると断言する研究者がいる。八田達夫・アジア成長研究所理事長(政策研究大学院大学元学長)は、増田レポートを真っ向から「事実誤認」と否定している。
「たしかに、都市の中心部は出生率が下がります。しかし、それは結婚して子どもが生まれた場合に郊外に移り住むだけのことです。これは東京、福岡、仙台でも共通に観察されたモデルです。東京都の場合は都道府県を越えて周辺自治体に移り住む範囲が広がっただけです。首都圏全体で見た場合の出生率で考えるべきです」と八田氏は主張する。
つまり、東京都の出生率が低いこと自体は事実であるものの、それは子育て世帯が住環境を変えるために、千葉、埼玉、神奈川などに引っ越しをするだけのことでしかないのだ。したがって、出生率を上げるために、若者を単純に地方に移住させる政策には必ずしも妥当性はないということになる。
こういう政策は、角栄時代からあった
八田氏は言葉を続ける。
「僕が事実確認をするべきだとある媒体に書いたとき、当時の石破(茂)地方創生相はショックだったと思います。向こうの担当者が来ていろいろな弁解をしたけれども、要するに全く反論はないということでした。それを基盤に政策をスタートしたものだから随分いい加減なものになりました」
では、なぜ誤った事実による地方創生政策が推進されたのであろうか。この点についても八田氏の見解は明瞭だ。
「要するに地方バラマキ政策は昔からあるわけです。田中角栄首相のときに、国土の均衡ある発展と言って頑張ったわけですね。また、農業の補助などで生産性が高い都市から税金を取り上げて地方にばらまく行為は1960年代から行われています。今回は目先を変えて、その名目として出生率を使っただけです。地方にばらまくことが目的なので、それが失われれば別な理由がまた出てくるでしょう。だから、僕は怒りまくっているわけです」
増田レポートを受けて全国の地方自治体では「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、人口目標などを設定してきた。その根幹のあるべき姿を見直す議論が必要なのかもしれない。
2点目:地方税額が人件費を下回る自治体が多い。
住民税の総額を超える人件費払ってる自治体は74%も有ります、地元では総額超えた自治体の人件費の補填を固定資産税で賄ってます💢🐯#住民税廃止#2年以上も一律給付金待たせるな
自治体が街中に”ブロンズ像”を増やすワケ ふるさと納税が何に使われているか (2ページ目) https://t.co/NeIxmku50P
— 本多富正@越前府中減税会🐯 (@TomimasaHonda) April 23, 2023
74%の自治体で、市町村民税総額が人件費を下回る
地方自治体は、なぜこのような中央政府からのバラマキ政策を無批判に受け入れるのか。国政における地方偏重の議席構造などはあるものの、その手掛かりは地方財政の現状からもうかがい知ることができる。
アジア成長研究所理事長で、政策研究大学院大学元学長の八田達夫氏。「地方創生政策はバラマキ政策です」
地方財政の現状は中央政府からの財政移転がなければ、そもそも全く成り立たない設計となっている。16年度の地方自治体の決算カードによると、地方自治体は職員人件費すら自前の税収で支払うことが厳しい状況となっていることがわかる。たとえば、全国1741市区町村のうち、地方税総額(市町村税)を上回る人件費を支払っている地方自治体は約29%、市町村民税総額(個人・法人合計)を上回る人件費を支払っている地方自治体は約74%となっている。最大で地方税の約8倍、市町村民税の約20倍の人件費が支払われている地方自治体も存在し、住民が毎年納めている地方税を職員給与のために支払っていることも、ザラだ。
これらの地方自治体は中央政府からの財政移転である地方交付税や国庫支出金によって、自治体運営の資金の多くを賄っている。日本の地方財政は地方自治体が中央政府に依存することを前提とした仕組みとなっている。
もちろん地方自治体が財政的に破綻することなく運営されているので、現状の日本のような地方財政の仕組みを採用することも1つの考え方と言えるだろう。しかし、地方自治体の中央政府への財政依存は、地方自治の精神を確実に蝕むとともに、地方自治のあり方そのものを根幹から事実上の骨抜きにしている。
日本の地方自治体が住民らに課している地方税には標準税率が設定されている。財政的に中央政府に依存する地方自治体は、地方税を標準税率以上に上げることはできるが、それを引き下げることは極めて困難である。
標準税率を下回る地方税率を設定しようとした場合、地方債に関する制度上のペナルティや地方交付税を受け取りながら減税をすることに対する世論の風当たりなどをクリアしなければ減税政策を実現することはできない。そのため、首長や議会の非常に強いリーダーシップが必要とされることは言うまでもない。
地方税の税率は地方自治の根幹となるものだ。地方分権が徹底している米国の場合、地方税率を引き下げることは、地域の競争戦略や行政改革を推進する手段として重視されている。
その他
地方自治が“善きこと”で中央集権が“悪しきこと”って前提は常々疑問なんだよなあ。交付税の仕組みは全くの公平だとは思わないが、ある種の“知恵”の結晶だとは思う。
自治体が街中に”ブロンズ像”を増やすワケ https://t.co/x212SzPvlk
— spiral3939 (@spiral3939) June 9, 2019
“行政コストがかかる都市部の税金が高いのに対し、地方は相対的に税金が安いため高税率を嫌った人々や企業が移ることもある。税率とは地域の戦略的意思そのものだと言えるだろう。”地方行政を縛っているのは? / “自治体が街中に”ブロンズ像”を増やすワケ ふるさと納税が何…” https://t.co/izooRGKh9k
— charlestonblue (@charlestonblue) November 3, 2020
関連動画をいくつか紹介します。
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<動画の目次>
・0:00 人口の東京一極集中はなぜ起こる?
・3:24 地方衰退の危険性はある?
・4:58 市場が縮小するリフォーム会社に求められること
・7:02 世界的には「安い」!?東京の地価は健全か?
・11:06 日本全体の価値をあげましょう!===============================================
2023/02/08 #人口減少 #ghq #戦後
東京一極集中だと大騒ぎするメディア。コロナも落ち着き、東京への転入超過が拡大して騒いでいますが、そもそも東京にくる人の数は昔のほうが多かったのです。そして無理矢理でも地方に分散させた時代もありました。それによって日本得たもの、失ったものも含めて、戦後人口移動をダイナミックに解説します。このような解説なども配信しているVoicyにもぜひご登録を!
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