今回は(も)、国会で注目の年収103万円の壁引き上げについてです。
御代田町長のX上でのポストが興味深いです。ちなみに、長野県御代田町の場所はこちら↓。
国会議員が基礎控除の引き上げはすぐにはできない理由をX上で述べています。
しかし御代田町長は基礎控除の引き上げがさほど難しくないことを暗に示しています。
つまり御代田町長は、できない言い訳を重ねる国会議員が嘘つきであることを明るみにしています。
ありがとうございます。 https://t.co/oZB9gihaQD
— 浜田 聡 参議院議員 WBPC問題調査中 💉💉💉 YouTubeやブログは毎日発信 (@satoshi_hamada) December 6, 2024
また、スレッド形式で重要な内容があります。端的に内容をまとめます。
・年収103万円の壁引き上げで税収が減るのは確かだが…しかし。
・地方自治体は税収が足りなくても国が何とかする仕組みがある。
・1つめ:基準財政収入額(≒歳入)が基準財政需要額(≒支出)を下回った自治体は地方交付税をもらえる。
・2つめ:臨時財政対策債→地方交付税の不足を補う地方自治体の借金(ただし後で国が肩代わり≒実質地方交付税と同じ)
・地方交付税不交付団体が年収103万円の壁引き上げで税収減を文句言うのは一理ある。
・一方、足りない分を国から補填してもらっている不交付団体が年収の壁引き上げに文句を言うのは不思議だ。
・自治体として困るかと言われたら、国がなんとかしてくれる仕組みが現にありますよ。
103万円の壁問題のうち、自治体の財源不足に関する問題は、自治体財政に明るい人があまり多くないせいか、間違った前提に立った議論が多い気がします。今日の夜ある程度まとめて示したいと思います。私の結論は、基本的に心配ないはず、です。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
さて、「103万円の壁問題」に関して、自治体の長はどう考える「はず」であるのか、という点について、何回かに投稿を分けて述べたいと思います。私としては事実に即して述べ、価値判断はできるだけ避けながら書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
ではその分、自治体の仕事はできなくなるのでしょうか。それは明確にNO、と言えます(100%影響なしとまでは言えませんが。後述します)。自治体財政の仕組みがまったくそうなってはいないからです。これを理解するには、地方交付税の仕組みを知っていただく必要があります。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
基準財政需要額は、人口や面積、道路延長等により算定されます。それらの要素から、その自治体でお金がどれくらい必要なのかを計測するわけです。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
したがって、税収が1億円増えると、基準財政収入額では7500万円とカウントされ、2500万円は自治体のものにできます。ほんとは、増えて3年くらいは100%残してくださらないですかと言いたいところですが、国から地方交付税をいただいている手前、強くは言えませんね。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
ですが、今回は、「地方交付税の原資も減るぞ!」と言われていて、メディアもそこを強調して伝えています。いやーそれはないでしょと私は言いたい。メディアが、意図してるか、単に勉強不足なのか知りませんが、重大な論点を掲げていません。それは、臨時財政対策債のことです。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
税収減から原資が不足して編み出された秘策が、臨時財政対策債でした。平成13年度(2001年度)に導入されたものです。地方交付税が不足する分を、自治体のほうで借金してください、それを後で国が肩代わりします、と始まったものです。実は自治体の借金はこの臨財債の部分も大きいのですよね。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
ただし、ここ数年の国財政の好転により、臨財債が終焉に向かっていたことから、地方交付税の原資が1兆円減ったとしても、直ちに破綻となるまで状況が悪化するとは考えられません。が、ここは総務省等のご説明を聞いてみたいものだと考えております。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
壁を動かすことにより、不交付団体からは何とかしてもらいたいという声が上がる可能性はあると思っています。言う権利もある気がします(ふるさと納税の減収も、不交付団体には気の毒な状況)。ただ、交付自治体(大半の自治体)が減収について文句を言うのは、少々不思議な感じはします。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
そんなわけで、首長の立場から103万の壁問題がどう見えているのかを、ニュースをご覧になっているだけではなかなか理解しにくい角度からお知らせしました。事実に基づいた議論が望まれます。
以上
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) November 19, 2024
一連のポスト、基本的な話ではありますが、知らない方も多いです。そして重要な話でもあります。
今回をきっかけに御代田町を調べてみたら大変興味深いです。
2024/09/27
https://www.abn-tv.co.jp/news-abn/少子高齢化の中で、人口が増え続ける町があります。去年1年間、県内の市町村で、最も人口増加率が高かったのは白馬村。次いで野沢温泉村、そして3位が御代田町でした。
その御代田町の人口が、間もなく1万7000人に到達しそう、ということで、到達日を予想するクイズが企画されました。一体なぜ人口が増え続けているのでしょうか?(中略)
そもそも、なぜこのクイズを企画したのか?
町長に聞いてみると…■御代田町・小園拓志町長
「特にこの1年で人口が増えていて、人気を集めていることを町内外に伝えたいと思って」実は御代田町、記録が残る1965年から一度も人口が減っていないんです。2007年に1万5000人を突破し、去年は350人以上増加。およそ60年で倍以上になっています。
また、総務省の調査によりますと、今年1月時点で前の年から人口が増加した割合は県内では白馬村がトップで、2番目が野沢温泉村。御代田町は3番目でした。
上位2つは外国人の移住が多く、インバウンド向けの産業の活発化が要因とみられます。
ではなぜ、御代田町で人口が増え続けるのか。
40年にわたって御代田町を取材してきた、西軽井沢ケーブルテレビの石川さんに聞いてみると…■西軽井沢ケーブルテレビ・石川伸一さん
「アクセスが全て良い。で、子育てしやすい町ですよね。生きるのに最適な町になっちゃったんだね」御代田町は軽井沢町と佐久市、そして小諸市に囲まれた位置にあり、首都圏へ行くにも、買い物に行くにも、アクセス抜群!また、公立学校の給食費が無償になるなど、子育ての環境も整っています。
それに加え、晴天率の高さと降水量の少なさ。
これらが組み合わさった結果、移住者がどんどん増えています。(中略)
「地の人と移住者が等しく活躍できる町」だと話す町長。というのも…
■小園拓志町長
「だって移住者が町長になっているわけですよ。この町は。とすると、受け入れる力がすごくある町なんじゃないかな。移住者に特化した政策をやっているわけでもなくてですね、元々住んでいる人にとっても、移住した人にとっても、いい政策に焦点を当てて組み立てている」人口1万7000人まであと200人ほど。到達日予想クイズの応募期間は今月30日までです。
■小園拓志町長
「私、意外と3月中の達成がありえると思っていまして…3月27くらいにくるんじゃないかな。まだ応募者が少ない状況なので、非常に高確率で豪華賞品が当たるチャンスだと思います
御代田町のみならず、御代田町長ももちろん興味深いです。
2期目の町長選挙で再選してすぐに1か月療養されています。珍しいことですが、トップが必要な休養を取ることは重要です。残りの3年11か月しっかり働いてもらえればOKと思います。
たまーに、「おめえが町長やる前から御代田町はいい町なんだ」とつっかかられることがあるんですが、それはそうだと思いますよ。だから引っ越してきたんだもの。
— 御代田町長・小園ひろし (@miyotamayor) December 6, 2024
今後も注目していきたいと思います。