今回はJリーグの話です。
まず、私なりの結論:採算の取れない事業は継続困難 ということでしょう。
私は一サッカーファンとしてJリーグが盛り上がってほしいとは思っていますが、税金の使途は適切であるべきというのが大前提です。
スタジアムでのサッカー観戦の楽しさは多くの人に感じてもらいたいと思いながら、以下の現状のJリーグの問題を取り上げます。
「Jリーグも共に考える」 湘南ベルマーレのスタジアム問題 平塚市長にチェアマンhttps://t.co/fk5lIkpAUR
— 東京新聞(TOKYO Web) (@tokyo_shimbun) March 29, 2024
サッカーJ1湘南ベルマーレの新スタジアム構想が暗礁に乗り上げている問題を巡り、神奈川県平塚市の落合克宏市長は27日の記者会見で、Jリーグの野々村芳和チェアマンと協議したことを明らかにした。Jリーグが求める理想的なスタジアム像と、クラブチームを支える地方自治体の実情とのギャップを指摘したところ、「課題解消に向けてJリーグも一緒に考えたい」という返答があったという。
会談は12日に東京都千代田区のJリーグ事務所で40分間行われ、Jリーグの役員やクラブライセンスマネージャーらも同席した。ベルマーレ側が昨年、市へ提案した新スタジアム建設計画は、市総合公園内などに建設し、費用の半分に当たる70億円を市の負担とする内容で、市長は「公園内の建設や、市が予算をかけて直接建設するのは難しい」と伝達。公園以外の場所で、ベルマーレを主体に民間が建設するのが望ましいという見解を表明した。
今回の会談を受け、市とベルマーレが2月から毎月開いている勉強会にJリーグもアドバイザーとして不定期で参加することになった。全国のスタジアム建設・改修事例の知見を紹介する。
市内にあるベルマーレのホームスタジアムは老朽化し、屋根のカバー率もJ1基準を満たしていない。Jリーグ側が事態打開策の検討に関与する方向になったが、現段階では現スタジアムをどうするかなどの具体的な話は出ていない。(西岡聖雄)
Youtube動画でも多数取り上げられています。
↑の動画での印象的な部分のスクショを共有します。
サンフレッチェ広島やガンバ大阪のように活気があってうまくいっているように思えるところはありますが、そうではないチームがそれなりにあるのが現実なのでしょう。
少し長くなりますが、某ブログ記事を共有します。
個人的には、スタジアムの天然芝規制が問題のように思えます。
フィールドターフなどのような人工芝で代替可能性には注目したいです。
また、プロ野球の球場経営の効率性、そしてJリーグの若手選手育成環境の問題などにも注目です。
ブログを更新しました。
一番の不良債権はJリーグのスタジアム https://t.co/ECqOOnPp3f
— 茶請け (@ttensan2nd) September 5, 2024
税金の無駄というのなら税リーグとも揶揄されるJリーグの方が遙かに問題が大きいのですけどね。
シンプルにまとめますと……。
・選手の高い年俸を維持するためという理由でサッカーチームはほとんど費用負担をせず
試合観戦チケット収入の5~10%だけをスタジアム使用料として払うだけなので雀の涙・Jーグ側は「天然芝が最高!天然芝が良い!それ以外は認めない!」
という願望を最優先にしたスタジアム規定を作っているため
天然芝スタジアムであることが必須の条件になっている。
↓
・天然芝の養生のためJリーグの試合以外の日は基本貸し出し不可のため金が稼げない・スタジアムの建設および維持コストは税金負担
Jリーグの試合なんて年38程度です。
でも天然芝の養生のために基本ほぼ貸し出しができません。
スタジアムの稼働率の悪さにどうやってもペイしないんです。埼玉スタジアムの資料が以下にありますが、
天然芝スタジアムの稼働率の低さを誤魔化すために
「設営・芝メンテ(芝生のお手入れと養生)」
の94日間を稼働日に組み入れて稼働率を40%に見せています。Jリーグのスタジアム規定では
一応「ハイブリッド芝も可」とはなっていますが、
そのハイブリッド芝の規定も>※ハイブリッド芝 :ピッチ全体が天然芝と5%以下の人工芝とを組合わせたもの
となっており、要するに基本の天然芝以外ダメ!というところは変わっていないのです。
これが例えば人工芝のプロ野球で使われるハマスタこと横浜スタジアムの場合は
稼働率90%という稼働率で黒字を稼いでいます。文科省が国内主要スタジアムの現状として
サッカースタジアムの収支などを調べた事があります。平成26年度、札幌ドーム以外は全て赤字です。
ただし、当時の札幌ドームの黒字については
・日本ハムファイターズには球場レンタル費だけでなくいろいろ設備費用まで負担させている
・日本ハムファイターズがもたらした広告であろうと全て札幌ドーム側の収入
・芝のメンテコストを別計上したりしてコンサドーレの赤字部分を誤魔化している
という形で札幌市が数字をイジっていただけです。日本ハムファイターズが出て行った現在は赤字が誤魔化せなくなっています。
Jリーグのスタジアム規定によって
Jリーグの試合以外は芝の養生のために
実質貸し出せない稼働率の低い赤字スタジアムになるわけです。さて、ここからがJリーグのえぐさの真骨頂なのですが、
Jリーグにはライセンスというものがあるわけです。そしてJ1~J3のそれぞれのライセンス規定を満たさないと
ライセンスが維持できなくなってチームの活動ができなくなります。このライセンスの条件にはスタジアム規定も含まれています。
「スタジアム規定を満たし、かつ維持し続けられないのなら、そのチームは他所へ移転するか消滅するしかない」
という脅しをチームだけではなく自治体側にかける形になっています。
チームに移転や解散されたくなかったらわかってるだろうな?
税金バンバン出してスタジアムを維持しろ!
昇格に合わせてスタジアム規定がより厳しくなるんだから
もっと金を出して良いスタジアム作れ!というような話になってしまうんですよね。
ホームスタジアムの老朽化がかねてより指摘されている湘南ベルマーレは
スタジアムの条件を満たすためのスタジアムを新設してねと
平塚市側に一方的におねだりして市長をキレさせています。Jリーグ側もお金を負担しようとかいうのではなく
「建ててくれますよね」な姿勢のため平塚市長がキレました。同じ事はブラウブリッツ秋田のスタジアム問題でも起きていまして、
秋田市の卸売市場建て替えにしれっと
ブラウブリッツ秋田のホームスタジアム新設を便乗させようとしています。
チームもJリーグ側も責任もお金も負担しないように
曖昧な姿勢をとり続けていることも含めて秋田県の佐竹知事が問題視しています。巨額の建設費は税金で負担してね。
建設した後も必ず赤字になるから維持費も税金で負担してね。こんな話を持ってこられたら簡単には了承できませんよ。
「スタジアム規定を満たさないのならライセンスが切れますよ?いいんですか!?」
で今までは自治体へのたかりを維持してきたと言っていいでしょう。日本ハムファイターズが北広島へ移転し、
エスコンフィールドというホームスタジアムを持ち
初年度からがっつり黒字を出したこともあり、
税リーグと揶揄されるJリーグの税金依存体質との差が
よりはっきりと見せつけられる形になったと思います。スタジアム規定を盾に脅す形で
税金で負担させる事を前提とするビジネスモデルのJリーグ。
そのお荷物ぶりがどうやったって目立ってしまいます。加えて昇降格制度です。
Jリーグはプロ野球と違って2軍がありません。
こう書くとサッカー評論家とかがキレ散らかすのですが、
若手育成システムが欠落しています。若手育成のシステムがない事はJリーグ側も気にしていて
サテライトリーグだのエリートリーグだの作りましたが、
赤字がさらに拡大するだけとなり現在は開催されていません。昇降格があるためそれぞれのチームで若手を育成していくのではなく
そのチームの持てる全力をスタメンに起用することになるでしょう。そして金が出せなければすぐに上のチームへ移籍される。
上の方のチームも有望株は海外に移籍。
最近ではJリーグを経ずに直接海外へ。若手の育成をする余裕のない体制ではより海外へ行かれやすくなると思います。
おっと、長くなるので今回はこのへんにしときます。
スタジアムは営業が試合を持ってくるとか他への貸し出しなどで稼働率を上げることで収益化可能でしょう。
場所が悪すぎるとか条件面の問題があってうまくいかないケースもあります。条件面がいくら良くても、Jリーグのためのスタジアムだけは別なのです。
これは確実に赤字となり一番の金食い虫となるでしょう。
私もしばらく遠ざかっていたサッカー観戦に足を運んで、楽しみながらも問題について色々と考えてみたいと思います。