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今回の入管法改正案等について

参議院本会議で、いわゆる入管法改正案等の採決がありました。

2024/06/14 #ニュース #news #TBS
外国人労働者の「技能実習制度」に代わり、新たに「育成就労制度」を創設することなどを柱とした入管難民法などの改正案が、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立しました。

外国人材の育成・確保を目的とした改正入管難民法などでは、在留資格の「技能実習」を廃止し、新たに「育成就労」を創設します。

受け入れ後の就労期間を原則3年とし、その後、長期就労が可能な「特定技能」に移行しやすくします。

改正法ではこれまで原則禁止だった転職について、一定の条件で認めることを盛り込んだほか、永住権を持つ外国人が故意に税金などを滞納した場合は永住権の取り消しを可能とすることも盛り込まれています。

入管法改正案といえば、昨年は国会終盤で大荒れでした。

参議院法務委員会が大荒れ

それはさておき、今回の入管法関連法案は2つありました。

例によって法案調査記事を共有します。

1つ目の法案↓です。

閣法58、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案(執筆者反対)
→https://masahikosakamoto.amebaownd.com/posts/53784890

↑の記事を一部共有します。

 昨年の入管法改正の大きな点は難民申請で送還措置が停止されるのは3回まで、戦闘状態にあるウクライナからの避難民のような立場にある者を補完的保護対象者として定住者並みの保護を行うこと、犯罪で有罪判決を受け3年以上の実刑に処された者の強制送還、収容しないで退去強制手続を進める監理措置制度の創設によって個別事案ごとに収容か監理措置かを選択することが可能となる、などが挙げられる。

法務省は在留資格、在留期間等の審査を通じて外国人の出入国や在留の公正な管理に努めその国にとって好ましくない外国人の入国、在留を認めないとしつつも、例外的にではあるが、本来退去しなければならない外国人であっても家族状況等も考慮して特別在留許可を出してきていた。法務大臣の裁量で特別に在留を認める際の基準を定めたガイドラインが不明確であると指摘されてきていたことから見直しが行われた。

新ガイドラインでは、在留資格がなくても親が地域社会に溶け込み、子どもが長期間、日本で教育を受けている場合や正規の在留資格で入国し、長く活動していた場合、その後に資格が切れても在留を認めるという案である。だたし、不法入国などによって国の施設に収容され、その後、一時的に釈放された仮放免中に行方をくらませた場合や不法滞在の期間が相当の長期間に及ぶ場合などは在留を認めない方向である。在留期間が過ぎており在留資格のない者の在留を認めるという意味不明な日本語を法務省が記すのだから残念だ。

こちらの法案については、調査記事執筆者の坂本さんが指摘するように、在留資格を失った者の在留を認めるという意味不明な案であり、反対しました。

以前↓から懸念されていた抜け道ができてしまったように思います。

外国人の子供に「特別許可」⁉

もう一つの法案↓です。

閣法59、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案(執筆者賛成)
→https://masahikosakamoto.amebaownd.com/posts/54081012

この法案では、これまで強く批判されてきた技能実習を、名前を変えて育成就労としたものです。

名前を変えただけ、との批判はありますが、私はそこそこ評価します。記事の一部を共有します。

 これまでの技能実習生制度と大きく違うことは転籍が可能なことである。日本語能力A1以上という前提条件のハードルは高いものの受け入れ先の企業や団体を変更できることは育成就労者が失踪する事案の抑制につながるであろう。令和5人には技能実習生の失踪者は9000人を超えたという。転籍が可能である特定技能での失踪者76名(令和3年)にすぎない。雇用者には技能実習生が転籍できないことから甘えや傲慢さを生んでいた可能性もある。失踪した技能実習生は不法在留外国人になるケースが多い。就労育成制度によってハードルは高いとはいえ転籍を可能としたことの意義は大きい。ただし、転籍が可能となると就労育成で在留する外国人労働者は首都圏に集中し地方都市での労働力不足はより深刻になる可能性もあるのではないか。最大の意義は技能実習生を発展途上国へ人材育成を通じて国際貢献をすることなどという欺瞞に満ちた目的を標榜していた。看板と目的と中身の違いが国際的に批判されることもあった。育成就労制度は人材育成に加えて就労を目的とすることが明確に提言されている。制度が人材確保の為の一環でることと特定技能1号に繋ぐ制度であることを明確にしたことで標榜と実態の乖離を無くすことができる。技能実習生制度から育成就労制度、特定技能1号に移行する緩和措置期間を3年間とされていることから育成就労制度の開始は2026年の4月以降と考えられる。以降は緩やかに行われるので現行制度の受け入れを制限する必要はないであろう。

ということで、高い日本語能力を求め、職場の転籍を可能とする、という点は、技能実習に比べると状況を改善させると想定します。したがってこの制度改革を私は評価しています。

ということで、今回の入管法関連法案2つは上記の理由で反対と賛成にしました。

以前、原英史さんが述べていた意見陳述内容が理想だとは思いますが、なかなか一気に改善するのも難しいとは思います。

少しずつでも改善を進め、(民主党政権時?のような)後退はしないようにしたいものです。

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コメント

  1. 4‐YouMe より:

    実質賃金を上げる、ライフスタイルに合わせた働き方とのマッチングをすることは、外国人労働者受け入れの必要性を大きく減らします。日本人が働きたくなるからです。現在は働きたくなくなる仕掛けで溢れているため人手不足なのです。ブルーカラー労働、単純労働についても報酬を上げれば、意欲的に働く人は増え、労働者側の意識は大きく変わります。気力のある健康な高齢者も大いに労働参加し、リタイアするより精神的な好影響などから病気にもなりにくい生活をしてくれるでしょう。
    想定される移民の皆さんに対しての社会的コストは莫大です。世界各国と同じく家族の帯同も、いずれ大問題になります。

    米国のように「国家への忠誠を誓い市民になる」という考え方もありません。日本語が通じる程度では、大きな波乱を招きます。

    ところで、個人の国民負担について「企業の負担には個人の稼ぎが含まれる、個人から納税しているのも同然だ」という意味のことを言う方がいます。社会保険料は決定事項としての会社負担分がありますが、形ばかりでも保険なので当然です。全て会社もちでないのが不思議なくらいです。会社側は病気になった従業員には、速やかに治療をしてもらわないと人的投資が回収できずに困るからです。この話と共に、法人税他を持ち出す方がいますが、これは大きな間違いです。なぜなら、ソフトバンクは法人税をまともに払ったことなどありません。(トヨタは国家財政を支えるタックスペイヤーです。)

    原英史氏の活動が、活発になり現実的な力強い提言が行われることを期待します。
    日本は、まだ終わりではありません。

  2. せふぇむ より:

    文末の民主党政権時代の後退についての言及はなるほどと思いました。
    政治家には改善や進歩を望んでいますが、現状維持をするのも意外と難しいなと思いました。改悪するぐらいなら余計なことをしないでほしいとも思いますしね。
    挑戦は大事ですが、キープ力や確実性も大事なのかなと思いました。