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食料・農業・農村基本法改正案が可決 事前の法案調査について

私は参議院本会議での採決対象法案に関して、原則すべて調査をしてその内容を公表しております。

具体的には以下の方針です。

・国会議員が毎月もらえる調査研究広報滞在費100万円を原資とする。

・1つの法案調査につき、調査した人に対して調査費用4万円。

・調査内容はブログ記事などの形でインターネット上で公表いただく。

これらに関しては過去に記事で一部を紹介しております。

さて、今回、参議院本会議で食料・農業・農村基本法改正案などの採決がありました。

2024/02/27 #農林水産省 #newsevery #日テレ
“農政の憲法”ともいわれる「食料・農業・農村基本法」の改正案が27日、閣議決定されました。改正されれば、25年ぶりとなります。農林水産省担当の陸口記者が解説します。

(中略)

基本法の改正案では、食料安全保障を抜本的に強化するとし、担い手不足解消のため、デジタル技術を生かしたスマート農業も促進するなどとしています。

坂本農水相は閣議の後の会見で「今後の農政の基本的方針として、ふさわしいものになるよう、一日も早い法案成立を目指す」と強調しました。

■法改正で暮らしに影響は?

──改正されると私たちの生活にはどう影響するんでしょうか?

今回、柱となるのは「食料安全保障」です。

ウクライナ侵攻をきっかけに、輸入に頼っていた小麦粉の価格が世界的に高騰しパンなどが値上がりしたり、同じく輸入していた家畜のエサ代が高騰して、牛乳などの乳製品が値上がりしたりしました。

──小麦も乳製品も、生活には欠かせないですよね。

ですので、そうならないようにするのが食料の安全保障です。

政府は輸入先の国を多様化したり、「不測の事態」が起きた場合には、農家に小麦や大豆などの生産を法律で要請できるようにして、国民1人1人が安定的に食料を入手できるようにしたい考えです。
(2024年2月27日放送「news every.」より)

この法案の調査は以下の通りです。

調査内容本文で、法案に関する評価を端的に示した部分を引用します。

本法案は農業については内向きで、農業の未来を見出そうと必死にもがいている国内の問題は置き去り。安定供給だけを念頭に置いています。つまり本法案では「食料安全保障」の項目だけを華々しく追加することに力点がおかれ、従来の農業政策は大きな変革を考えていないのです。オランダの4倍の農地があるはずのわが国。豊かな農業国家になる日はいつになるのでしょうか?

この評価は確かにおっしゃる通りで、私はこの法案には反対しました。

この法案で気になっている部分があります。それは農地取得の規制緩和の有無、です。

農林水産省/法令、告示・通知等 国会提出法律案/第213回国会(令和6年 常会)提出法律案『食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案 概要』

法案概要後半部分に次のようにあります。

(2)基本的施策として、効率的かつ安定的な農業経営以外の多様な農業者による農地の確保、農業法人の経営基盤の強化、農地の集団化・適正利用、農業生産の基盤の保全、先端的な技術(スマート技術)等を活用した生産性の向上、農産物の付加価値の向上(知財保護・活用等)、農業経営の支援を行う事業等(サービス事業体)の活用促進、家畜の伝染性疾病・有害動植物の発生予防、農業資材の価格変動への影響緩和等を規定。

農地取得の規制緩和については、次のような意見があります。

グローバリズムによる危機感はもっともですが、一方で大企業の参入による国益は重要なポイントと思います。

事前の法案調査においては、この点に関して触れられていないのが少し残念ではありました。

政府憎し、で法律案をけちょんけちょんに否定する気持ちは分からないでもないですが、それで重要な視点が欠けるようなことは避けていきたいところです。

法案調査においては、重要な(議論すべき)規制緩和・強化については内容に盛り込んでもらいたいと思っています。

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