今回は質問主意書の話です。
私はこれまで数多くの質問主意書を提出してきました。このブログ内の検索窓で「質問主意書」と検索すると、私の提出した質問主意書に関する記事が多数出てきます。もちろん、ブログで紹介していないものもたくさんあります。
質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。
特徴
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。
また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。
私は質問主意書を作成する際に、この本↓を大いに参考にしています。
国会質問制度の研究 質問主意書1890~2007 単行本 – 2012/5/3 田中 信一郎 (著)
著者の田中信一郎さんのX(旧Twitter)のポストを共有します。
拙著『国会質問制度の研究~質問主意書1890-2007』がAmazonで品切れです。高価にもかかわらず、ご購入いただいた方に感謝です。入手したいという有難い方がいらっしゃいましたら、他の書籍ネット販売をご利用になるか、出版社の日本出版ネットワークまでご連絡ください。 https://t.co/kAdEeZEbNQ
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) April 18, 2018
いい取組みです。質問主意書は、答弁と組み合わせて、一問一答方式で示すと分かりやすいですよ。それを、犬飼さんの信号方式で示すと、より効果的です。質問主意書は、議員の質問作成力も問われ、どのように言い逃れやはぐらかしを防ぐか、細かい技術が色々とあります。それでも、防ぎきれませんが。 https://t.co/dp5PLULOPO
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) November 6, 2018
これまで私の提出した質問主意書では、答弁書で言い逃れやはぐらかしをされていることがそれなりにあるのですが、それをできるだけ防ぐことには注力したいと考えています。
答弁書の作成プロセスのため、答弁書の原案作成を担当する省庁の課長補佐等の姿勢は、微妙ににじみ出ます。質問主意書の作成も、上手下手があります。関心の高いテーマの質問主意書は、質問と答弁を組み合わせてリライトしてみると、色々なことが分かってきますよ。情報の宝庫です。 https://t.co/teArSXOVt6
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) November 6, 2018
一般的に「国会質問」といいますが、正確には、内閣をチェックする「質問」と、議題をチェックする「質疑」に分かれます。質問の文書版が「質問主意書」です。本会議や予算委員会の質問は質疑です。質問主意書の専門書、連休のお伴にいかがでしょう。https://t.co/t0llg2hMOw
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) November 2, 2017
質問と質疑という言葉、私は使い分けているつもりですが、使い分けがされずに「質疑」を使っている例を身近なところで時折見ます。
大枠では野党の一員でありながら、無所属でしがらみのない参議院議員だからこそ取り組める問題が、沖縄やんばるの森問題のように、たくさんあるのです。現地を調査し、行政官とやり取りし、質問主意書で問いただし、委員会で追い詰める。議員でなければ難しいけど、議員一人でも大きな力になるのです。
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) July 9, 2019
私もしがらみのない参議院議員のひとりだと自負しています。議員一人の大きな力を適切に行使していくことを心がけています。
質問主意書そのものも、国会議員から行政への情報提供という意味があります。
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) November 15, 2020
質問主意書によって政府に情報提供をすることができる、というのは重要な視点と思います。私もこの点を意識して質問主意書を提出することはあります。
最後に、このポスト↓内容は、私の事務所の関係者に目を通してもらいたいものです。
質問主意書の見本にしたいくらいの厳しい質問です。質問主意書を書くコツの一つは「具体的かつ詳細に」とか、同じ答えでも質問ごとに答えてくださいのように、ざっくりとした答弁で逃げにくいようにすることです。質問主意書の素案書きで頑張っているDクン、文部科学省のこの質問をよく参考にしてね。 https://t.co/CciJPEtVbG
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) March 17, 2018
質問主意書を書くコツの一つは「具体的かつ詳細に」とか、同じ答えでも質問ごとに答えてくださいのように、ざっくりとした答弁で逃げにくいようにすることです。
本題とはずれますが、↑のポストの中で述べられていることと関連するポストを共有します。
けさの朝刊から許せないニュース。文科省前事務次官の前川喜平氏が名古屋市立の中学校で講演したことをめぐり、文科省が講演内容を問いただしていたという。いじめなどの問題を除き、国が学校の授業内容を調査することは教育基本法違反。文部官僚が独断でやるとは考えにくい。官邸からの圧力があった? pic.twitter.com/p593qlGOu6
— 新聞うずみ火 (@shinbunuzumibi) March 16, 2018
「前川喜平氏が名古屋市立の中学校で講演したことをめぐり、文科省が名古屋市教育委員会に問い合わせていた問題で、政府はこれまで「文科省が独断で行なった」と説明していたが、実際には自民党文科部会に所属する衆院議員が文科省に授業の経緯などを複数回にわたって照会していたことが判明した」
— きっこ (@kikko_no_blog) March 18, 2018
前川喜平氏が名古屋市立八王子中学校で講演をした件について赤池、池田両議員が文科省に質問をした。地元紙、中日新聞の両議員に対するバッシングが常軌を逸している。「安倍政権に忖度」とは、意味不明!援助交際を肯定する前川氏を危惧し、問い合わせして何が悪い! pic.twitter.com/XlGZ8t2acu
— Rainbow ちゃん (@Rainbow31090828) March 22, 2018
ちなみに、私は2019年に繰り上げ当選をした際に、私の親戚の方から田中信一郎さんの上記著書を紹介してもらいました。田中信一郎さんはその親戚の方の知り合いです。国会議員としての活動を始めた時期に本当に良い本を紹介してもらった縁に感謝です。
コメント
スタッフの皆様は、議員のように判断をすることはなくても、ある意味で同じようなスキルが求められることでしょう。クローズドクエスチョンを増やすと逃げにくくなりますが、具体性のあるポイントを突いた質問でなければなければならないので、下調べも尋常ではないでしょう。
浜田先生のご紹介の本を楽しく読んでいますが、今回は残念ながら上級すぎました。
1国会の質問制度の前史
2現行制度の形成史
3質問制度の運用
4質問主意書の作成過程
5質問主意書の役割と機能の検証
以上のようなポイントで書かれていると、Amazonの紹介ページに掲載されていました。
Amazonの残りは1冊でしたから、すぐにも届けてほしいという方はお急ぎください。
私は質問などの背景にある情勢や知識を得ることで精一杯ですが、
浜田先生に続こうという勇者は、ぜひ読んでください。がんばって!
こんな本があったなんて、ぜんぜん知りませんでした。衝動的に注文(中古本)してしまいました。