スポンサーリンク

諜報戦はきれいごとではすまない やられたら同じことをやるべき⁉

本日、参議院本会議でした。

重要法案のひとつである、いわゆるセキュリティクリアランス法案について主要会派による政府への質問と政府による答弁がありました。

2024/04/17
機密情報を扱う人を認定する「セキュリティ・クリアランス制度」を創設する法案を巡り、立憲民主党と日本維新の会が真逆の立場から岸田総理大臣を追及しました。

立憲民主党 杉尾秀哉参院議員
「今回の訪米前に政府与党が本法案を駆け込みで衆院通過させようとした意図が透けて見えるようです。つまり衆議院で本会議の審議を急いだのはバイデン大統領への手土産にするつもりだったのではないか」

岸田総理大臣
「我が国自身の経済安全保障を確保するうえで重要な法案であります。米国への手土産にするために衆議院での審議を急いだとのご指摘は全くあたりません」

17日から審議が始まった参議院では、立憲民主党の杉尾議員が法案審議を「急いだ」と批判する一方、日本維新の会の柴田議員は「遅い」と批判しました。

日本維新の会 柴田巧参院議員
「本日、参議院でも本会議質疑を迎えたことは喜ばしいと思います。その反面、随分と遅きに失したとの感が否めません」

岸田総理大臣
「プライバシーへの配慮など慎重に検討すべき課題も多く含まれていることから(有識者会議で)丁寧に検討を行っていただきました」

セキュリティ・クリアランス制度は機密情報や先端技術の流出を防ぐため、経済安全保障に関する情報を扱う民間人らを国が認定するものです。

与野党の修正協議を経て衆議院では立憲、維新ともに賛成し、可決しています。

Abemaニュースの動画は、野党第一党と野党第二党の姿勢の違いをわかりやすく表現されているのが興味深いです。

さて、今回の本会議では、私は本会議場で話を聞きながら、(法案内容と大いに関連する)次の本を読んでおりました。

シギント – 最強のインテリジェンス – | 江崎 道朗, 茂田 忠良 |本

ありがたいことに、江崎先生からご献本いただきました。。

著者のお二人出演動画です。

シギントのWikipedia情報は次の通りです。

シギント(SIGINT、英語: signals intelligence)とは、通信、電磁波、信号等の、主として傍受を利用した諜報・諜報活動のこと。 軍事分野における電子戦支援(ES)も技術的には同様のハードウェアを使用するが、その運用として作戦指揮官の意思決定に直ちに反映する目的で行われているという点で異なる。

今回流し読みをしているところで興味深いところを抽出してみます。

・諜報活動はきれいごとではすまない。相手にやられることは同じことをやり返すのが原則。

・コピー機やプリンターに仕掛けをつけて情報を盗むのは昔からどこの国でも行われてきた。

・上記の例:ロサンゼルスの中国領事館で明るみになった。FBIスパイが行ったが、二重スパイによって中国側にもアメリカの試みがばれた。

・NSAは携帯電話の位置情報追跡システムのFASCIAというデータベースを構築している。

・上記システムでは膨大な情報になるが、その中から怪しい動きをする携帯電話にターゲットを絞る。

・上記の例:頻繁に携帯電話の電源を切ったり入れたりする、複数の携帯電話が同時にOn・Offされる、等。

・ホテルでの諜報は、外国政府高官の使うホテルで行う。このクラスのホテルは限られる。

・ホテルの予約をした際に探知・通報プログラムが作動して情報収集者に伝わる。

・政治家は忙しいので車の中で打ち合わせをすることが多いので、車の中は諜報の対象。

・上記理由により、政府高官は原則としてタクシーは使わない。

・日本では行政による通信傍受が解禁されていないので、諜報の点でかなり不利。

本書の後半にはこのように具体的な方法が様々書かれていて大変興味深く思うとともに、日本が行う諜報活動のレベルに不安を感じるところです。

適宜国会でも取り上げていこうと思います。

↓もしよろしければ応援クリックお願いします。
人気ブログランキング

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメント

  1. 4‐YouMe より:

    やられたら、やり返す。
    そのことに異議はありませんが、表に出るような方法では問題があります。

    メルケルさんの電話を全て盗聴していた政権がありましたが、現場職員も文字通りインテリジェンシーであり、プロであってワンちゃんではありませんから、当然オバマさんの情報に至っては更に詳細を持っていたことでしょう。
    最近楽しんでいるタイプの本なので、ご紹介のお勧めも読んでみます。

    昨日は、議員としては評価していなかったものの、「好青年」だった方のイメージがガタオチになってしまいました。立憲社民れいわと似たようなものだが、どちらがマシかということになってしまいます。賞賛するのは政策に目を向けないパフォーマンス重視の人々です。このような案件の場合に対しては、私は変わり者でわざわざ書きますが、日本人の9999/10000(比喩)が、そっと去っていくのみであるとをお忘れなく・・・

    常習的に野次を発する人は、別室に拘束しオンライン参加させればよい。
    感染症の時にはできましたよね。

  2. 名無し より:

    佐藤優氏の話を聞く限りでは、日本の諜報能力はそれほど劣っているわけではないように思えます。ただ、たとえば米国が圧倒的に情報収集能力に優れているのは、(おそらく)米国でサービスを提供するすべての通信事業者(電話事業者)にFBI専用の盗聴ラインを持っているからだと思います。おそらくそんな話は信じない人が大半だと思いますが、実際、数十年前に仕事でちらっと見ましたから。それはFBIインターフェースと呼ばれていました。