今国会ではNTT法改正案が提出されています。先日、衆議院で可決しました。
NTT法改正案を可決 研究開示・外国人役員の規制緩和―衆院委https://t.co/Okp7q00ugC
NTTへの規制を一部緩和するNTT法改正案は4日、衆院総務委員会で可決しました。改正案はNTTの研究成果の開示義務を撤廃するほか、禁止している外国人の役員就任は全体の3分の1未満であれば認めます。
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) April 4, 2024
NTTへの規制を緩くするという内容の法案です。
重要なポイントが多岐にわたる法案ですが、とりあえず私が依頼した(※)調査結果を参照します。
#NTT法廃止で日本は滅ぶ と言ってる方、ぜひ法案解説をお読みください。
NTT法の廃止も株の売却も、今回の改正では行われません。【まさか増税?!】NTT株売却益を防衛費増額分に充てるんじゃなかったの?|地方自立ラボ https://t.co/pOvyRhfO1A
— 地方自立ラボ (@LocaLabo) March 31, 2024
とはいえ、NTTを、GAFAMを超える企業にしようとする政府の企みには失笑を隠せません。
だって天下りだらけですからね。
今回の法改正もNTTを野に放つというよりは、その方向性を強める法改正と考えています。— 地方自立ラボ (@LocaLabo) March 31, 2024
私の依頼で調査した法案についての説明は以下のリンクをご参照ください。
NTT法の調査記事から興味深い部分を抜粋します。
携帯電話の普及に伴い電電公社が築いてきた全国に張り巡らされた通信インフラの有効活用により、5Gの先、いわゆるBeyond5G(6G)の通信基盤の研究、整備が進められています。6Gは光通信網や低軌道衛星を使った光ネットワーク(IOWN構想)とされ、NTTの開発した技術が世界的にみても先頭を走っているそうです。これら開発した技術の公開をなくし「研究開発の自立性を高め」ることが出来るようにしたものと考えられます。
https://www.sbbit.jp/article/cont1/37601
今回の改正のトップに挙げられた「研究の推進責務及び研究成果の普及責務の廃止」。これは平たく言うと、NTTが研究の先頭に立つ責任をもっている、それを皆にひろめる義務があったが、それを廃止するということです。
しかし実は、他のキャリアが恐れているNTT法改正の肝はここではないかと勘繰りたくなります。つまりこれまでNTTの研究に「おんぶにだっこ」でAUやソフトバンク、楽天は研究開発に力を入れていないのではないかと思えるのです。NTTからその責務が外されることで、各社独自に研究開発を進め、より独自色をもった回線を提供する必要がでてくるのではないかと思います。要は親から自立するのは面倒なわけです。
NTTは巨大すぎるのかもしれませんが、現在ではシェアを3割ずつ分け合っている状況ですから、比較的競争としては安定期に入っています。ですから「利用者料金の高止まりやイノベーションの停滞」については、かえってKDDIやソフトバンクのほうこそ企業努力(先進的な技術開発)を忘れていませんか?と言いたい総務省のカウンターパンチなのかなと感じました。
本noteでは、本法案に関して「研究の推進責務及び研究成果の普及責務を廃止」については賛成です。
今回のNTT法改正案に対して、AU、ソフトバンク、楽天が反対しており、上記の分析は非常に興味深いです。
NTT法のあり方についてSNSでも議論が高まっています。
NTT法廃止の場合、主に3つの懸念があります。NTT法で担保されている国民の利益が損なわれないようにすることが重要です。
日本の未来のために、拙速な結論とならないようにオープンな場での丁寧な議論が必要です。 pic.twitter.com/rUN9P8kRE7— 楽天モバイル (@Rakuten_Mobile) November 20, 2023
KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルがNTTの研究成果を頼りにすることができなくなるから焦っているのか、という推測もあながち外れているとは思えません。
NTT法改正案については、昨年秋に自民党の小林鷹之議員が動画で説明をしています。
小林鷹之議員曰く、自民党では我が国の情報通信産業の国際競争力向上につながる大きな視点で議論が展開されているとのことです。IOWN構想についても話されていました。
最後に、NTTと言えば「天下り」問題が重要です。今後の法改正でどうなるのか、そしてどうすべきなのか、ご意見を賜れればと思います。
総務省からNTTグループへの「天下り」読み上げ!
渡りもいます!とのことKDD、ソフトバンクへは?
ソフトバンクはゼロ
KDD 1 と pic.twitter.com/jMzRRd2zE7— x (@xzjps) March 15, 2021
高額接待だけじゃない総務省とNTTグループ「天下り癒着」の実態 | FRIDAYデジタル https://t.co/4dVBsdyb7c #政治 pic.twitter.com/Ow1ylsrCqO
— SHIN∞1🌏 (@shin19infinity) March 19, 2021
第六章 天下りとグループ第一主義
総務省、郵政省からNTTグループ企業への天下り役員一覧!
他に「隠れNTTグループ企業3社」
通信建設工事を請け負う企業に、NTTからの天下り役員多数。5Gの基地局工事の7割はこの3社が実施。
KDDIやソフトバンクの工事も。いろいろビックリ! pic.twitter.com/FyhJVDlrss
— kazuko | 星読みコンサルタント | ライフナビゲーター (@kuwatakazuko) January 5, 2021
コメント
残有NTT株の売却がゆっくり行われ、次世代の技術への投資が行われるのであれば、悪いことではないと感じます。IT経営をしていた方から、日本人はハード技術のキャッチアップは非常に得意だが、ソフト面は不得手だと聞きました。このような分野には、高度人材の外国出身者にも来てもらい、世界全体のために参加してもらいたいと考えます。
いまのところは、売却資金を国庫に入れてしまって、無駄遣いをするイメージしか浮かびませんけれど。。。
ユニバーサルサービスとして配備するのも程度問題です。電話や通信がない地域があるのは、むしろ素敵です。公平なように見えるものにも不適切投資が多いと感じています。どのサービスがある地域に住むのかは、個人が選択できます。
ときには、電波の届かない秘境にも行きたいです。