今回も共同親権が話題です。
現在の日本では、両親が離婚をするとその子の親権はどちらかがもつ単独親権制です。それを両親ともに親権を持たせるという共同親権制にすべく、民法改正案が衆議院で審議されております。
改正案は、政府の法制審議会でまとめられたものが今回の審議対象になっていると私は認識しています。
一方、民間の法制審議会でまとめられた法案もあり、北村晴男弁護士等が中心になって熱心に取り組んでいると認識しています。
今回は、4月3日に衆議院の法務委員会で行われた参考人質疑を取り上げたいと思います。今回の法改正の有識者をお呼びして、議員が意見を聞くというものが参考人質疑です。
動画を共有します。
7時間以上の長い動画↑です。
参考人の一覧↓です。
令和6年4月3日法務委員会 参考人
〇民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第47号)【午前】
犬伏由子(慶応義塾大学名誉教授)
斉藤幸子(ちょっと待って共同親権プロジェクトチームリーダー)
しばはし聡子(一般社団法人りむすび代表)
山口亮子(関西学院大学法学部教授)— Tatsuya Ohashi / 大橋たつ矢 (@catbirdwindmoon) March 29, 2024
共同親権を巡る民法改正案に関する参考人(予定)のスタンス
①犬伏由子(慶應義塾大学名誉教授)https://t.co/bdoM75qvBw— Ring Frei (@FreiRing) March 29, 2024
③しばはし聡子(一般社団法人りむすび代表)https://t.co/VAgspLwyAo
— Ring Frei (@FreiRing) March 29, 2024
⑤大村敦志(学習院大法科大学院教授)https://t.co/009BSXtDEL
— Ring Frei (@FreiRing) March 29, 2024
⑦北村晴男(民間法制審家族法制部会長)https://t.co/eEIWpMXEG3
— Ring Frei (@FreiRing) March 29, 2024
まとめ
共同親権(案)に
賛成①④⑤
不充分③⑦
反対②⑥⑧ pic.twitter.com/w1e6jpmlmQ— Ring Frei (@FreiRing) March 29, 2024
私も参考人の意見陳述を一通り聞いてみました。個人的意見としては、反対派は、その理由をDV(ドメスティックバイオレンス)一点に絞っているような気はしました。山口参考人の説明で、アメリカにおける法制度変遷が大変興味深いと思いました。
SNS上のコメントを共有します。
4/3の法務委員会。岡村晴美弁護士が「共同監護計画は必要ない。子どもが会いたいときに会わせるべき」と。
共同親権と共同監護計画の取り決めがあったからこそかいけつした福原愛と江宏傑さんの和解のケースを例示して、反論したかったが、傍聴人にその機会は与えられず。— 西牟田靖「誰も国境を知らない 令和版」発売中 (@nishimuta62) April 3, 2024
法務委員会午後。神様仏様北村様が全部言ってくれた。上野弁護士もいた。池下議員の質問はいいとこを突く。これで共同養育計画必要ですよね、とならなければ驚きだ。
原田&立憲の発言は結局共同養育計画へ行き着くし、共産はDVだけ、岡村さん喋り過ぎて損をするタイプね。— スナムロ・レイ (@musuko_mamoru) April 3, 2024
関西学院大学法学部教授 山口亮子 参考人。
昨日の参考人では抜きん出ていた。・日本の家族法法改正は、アメリカ法に近い。
・監護者指定はおかしい。居所指定権の単独行使はやめるべき。共同養育計画がないことが、今回の法改正の課題。(ちなみに私はフランス法推し)https://t.co/bckJeZ73X8
— 石井 敏宏 (@ishiitoshihiro) April 4, 2024
北村晴男弁護士の付き添いである上野晃弁護士、岡村晴美弁護士の付き添いの斉藤秀樹弁護士。彼らの百面相に、4/3にかける意気込みが現れていた。僕もそうだったかも。
— 西牟田靖「誰も国境を知らない 令和版」発売中 (@nishimuta62) April 3, 2024
今回の法務委員会の内容を、X上に逐一ポストされた方がおられました。その一連のポストを紹介します。54個のポストになります。
まずは犬伏名誉教授から3点にわたり発言。1点目は助言及び相談体制の必要性。婚姻件数の3分の1が離婚しており、離婚を経験する子供が多数いる中、別居・離婚時に決めるべきことの情報提供が必要。2点目は協議離婚に関する情報提供・公的関与は今後の検討課題だと指摘。↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
そして斎藤幸子は「住所を秘匿して暮らしているDV被害者」として発言。「離婚後に協力し合えない人たちにも共同を強制するのは今回の法改正」と して自らの経験を話し、「面会交流中に辛い想いをしている人がいることも知ってください。」↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
しばはしさんから、当初養育に後ろ向きであったが、子の気持ちへの反省から離婚したことも親子関係は続いているという考えで活動をしている。事例として、1点目は精神的DVでの高葛藤ケース。2点目は夫婦ともに共同親権・共同養育を希望しているケース。3点目は同居親が別居親に子に関わって欲しい↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
悪化させない・争わせない仕組みに変えることに司法関係者(弁護士を含む)が取り組むことが必要。例えばカウンセリングやADR前置主義など。長期の親子引き離しは葛藤の原因になる。行政による、一人親ではなく二人親を前提とした支援が必要。
「子が望んでいることは、両親が争わないこと。」— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
子の監護者に関する規定を取り上げ、監護者は監護・教育・居所指定を単独で行え、これまでの単独親権と変わらない状態になると指摘。他の親に連絡せず、急に転居できてしまう。その結果、面会交流が出来なくなり葛藤を高める。監護者を決めることは極めて限られた選択肢であり、↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
そして離婚時に心理学で開発された親教育を行う。プログラムは年々改善され、効果がみられる。そして離婚後に子の養育に関して10数ページ相当の養育計画書を決める。9割が協議や調停により裁判所に書類を提出し、承認されて成立する。学期中の週1回の食事、各週末に別居親の家に泊まることが多い。↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
柴山さんがまずDVに関し裁判所は適切な判断ができるのかという点について斎藤参考人と犬伏参考人に質問。そして別居直後から速やかに親子交流を行うべきことについて、しばはし参考人に質問。
→長期の親子断絶が葛藤に繋がり、離婚の話がまとまらなくなる事例が多い。
(以下あまり聞き取れず)— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
しばはし参考人から面会交流ではうまくいっているにもかかわらず、離婚調停では条件闘争になる。その結果、同居親が面会交流に後ろ向きになる。司法で争わない仕組みが必要。
犬伏参考人から、調停員の人材が必要。東京家裁では午前1期日、午後2期日を行っている。親ガイダンスもビデオを流すだけ↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
立憲の道下が斎藤参考人に不安について質問。
→裁判が続くのが不安なので、性格の不一致で離婚したいが面交を求めて新たな裁判をするのではないか。どうやったら子の利益を重視できるか、各参考人に質問。
斎藤参考人から、裁判所はDV・虐待を見抜けていない、裁判所に対する不信感は根深いと。↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
→山口参考人からアメリカでは憲法上の権利としてペアレンタルライツが規定されている。私人間では、指摘通りに親の養育に変わってきている。日本では親の権利・責務を含めて親権になっている。
しばはし参考人に今の制度でも共同養育はできるのではないかと質問。↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
美延さんから、4人の参考人に子の利益についての考えを聞きたいと。
犬伏参考人から、子の権利条約の理念が根ざしていくこと。
しばはし参考人から、親が争わないこと、親が子の顔色を窺わずに交流ができること。
山口参考人から、子が双方の親から愛情を受け、養育を受けること。↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
山口参考人に親教育に関する質問。
→すべて未成年の親に受講を課す州と、紛争性の高い親に課す州がある。オンラインで行う州も、対面で行う州もある。
共同養育計画に関して、これらから計画書のサンプルや手引きを作っていくことが大事なのではないか。↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
共産の本村が斎藤参考人にパブコメのみんなの声が消されてしまったことに質問。
→3分の2が共同親権に反対・慎重なのに、国民を無視している。
(私の感想:赤石千衣子が一人で400通送るようなことをするから、パブコメの信頼性が下がったのでは)↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
アメリカではシェルターでも親子の交流が行われている。
斎藤参考人から、共同親権になると人権侵害になると。DV・虐待に関して各参考人に質問あり。
犬伏参考人から、裁判所を出た後のアフターフォローはしにくいと。今後も(課題として)挙げていきたい。↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
午後から、まずは大村参考人から法制審議会家族法制部会に参加した研究者としての意見。民法改正案の内容を一通り説明したうえで、取り決めは裁判所を通じて変更することでき、変化する状況に柔軟に対応することが可能。当事者の決定を様々な形でサポートする仕組みが必要。↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
原田参考人から現時点で共同親権の導入は危険。
親権ではなく親責任であるべき
→午前中に論破された話をまた持ち出した
子の意思の尊重もいれるべき
→同居親に都合のいい子の意思に責任を押し付けたいだけ
フレンドリーペアレントルールを、DV加害をしていた親に親権を与えるルールと貶める。↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
→各分野に関して、細かいルールを決めればいいだけ。
別居親が拒否権を持ち、家裁のリソースが足りない。
→しかし同居親の独裁は全く問題視しない。— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
その結果として親権争いが苛烈になり、虚偽DV主張もなされる。母親の再婚相手や恋人や母親自身による子の虐待事件も後も絶たない。
今回の法改正は、国際社会から国際結婚に関して子どもの拉致国家と批判されたのがきっかけ。しかしハーグ条約には「恐れ」という規定を潜り込ませた。↓— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
岡村参考人(小魚弁護士)から女性はDVを受けても我慢している。DVの本質は支配である。離婚や別居でDVが終わるという時代は終わった。そして裁判で面会交流が禁止された事案を取り上げている。
→あれ、裁判所では面会交流が強制されているはずでは?
この後も延々と話が続くが、単なる別居親悪玉論。— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
ADRで解決するための仕組みが必要。
岡村参考人から家裁がパンクしているので、原則実施で行うことになるのではないか。子がピンポン玉のように忠誠葛藤になる。— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
日下議員から現民法においても、良好な関係の夫婦は離婚後の共同監護は可能と言う意見はある。しかし私が別居親なら、離婚しても子の親権を持ちたい。
岡村参考人から、私は事実婚で単独親権であったが、夫も子の父親として問題はなかった。
→それは単独親権者の独裁に非親権者が従ってきただけ— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
日下議員から子は父母との交流を求める。適切な親子交流は子の利益に資するのではないか。
北村参考人から月に1回しか会えないより、4回会えるお子さんでは自己肯定感が固くなるというデータがあると紹介あり。↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
米山議員(女性大生と援交の過去あり)から、共同が原則なのか質問あり。
大村参考人から2者択一ではなく、どのように共同が適切か単独が適切がで議論してきた。↓
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
岡村参考人から弁護士に話がある事例は、100%近くは話が難しく、親権の共同は難しい。
米山議員から、ジェンダーギャップの部分を置いておいて共同親権は早いのではないか。
原田参考人から、父が子の監護に関して何をしていると言っているうちは、主たる監護者といえない。
岡村も何か言ってた。— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
北村参考人から、父母が近い距離にいれば50%近い面会交流が可能なケースもあるし、かなり遠方に住んでいれば、長期休みの時に交流するケースもある。
— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
池下議員から、過去に離婚した夫婦が親権変更の申し立てをした場合に今後どうなるか。
北村参考人から、配偶者が拒否したら争いになる。配偶者に対するDVの恐れがあれば、裁判所は認めないのではないか。
大村参考人は、最終的には子の利益を重視して判断がされるべきであろう。— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
そして木村草太御大が登場。フランスでは愛が覚めたら離婚するが、日本では子が大人になるまで離婚する人が少ない。だから婚姻中共同親権の割合は多い。また親権停止の数も多い。
→もうお腹一杯です、これで書き込みは一段落します。— 共同親権、よい親権【法務省の共同親権の要綱案から監護者指定はなくすべき】 (@ONAyQfK1HbuZght) April 3, 2024
この法案審議は衆議院ではそろそろ終盤のように思います。昨年の入管法改正案の審議では、終盤の法務委員会がそれなりに騒がしくなりました。今年はどうなるのか、注目しています。
コメント
リンク文中の「人間の本質、本当にこどもの幸せを考えるのなら、当たり前の制度でしょう。」という、北村弁護士のこのお言葉が、私の考えの全てです。今回の案では不十分だということにも同感です。実現するための制度づくりは、善意の法律家や議員、官僚の皆さんに、最善を尽くしていただきたいです。
北村さんは、とある小さな政治団体のパーティで、おじいちゃまのお笑い半分のノリの誘いに、名誉職として?顧問弁護士になってくれましたが、次の日には契約もないのに、ご自身のYouTubeで嬉しそうに「顧問になりました!」と発信していました。宣伝をしてくれたのかもしれませんが、法律家がそのような態度でよろしいのですか?と、皆が笑いました。
今回のお話を伺い、信頼して尽力していただきたい弁護士さんのおひとりだと改めて感じます。
PS:再来年も議員でいていただきます。必ず改選させます。応援の体制を考えますから待っていてください。そのためにゲームの動画を見るのはやめます。まるで力がなくても、立花さんだけに任せて、何も助けることなく議員を続けてもらおうなんて思っていません。TBSの件の義理ではありません。浜田先生は正しいことをして、よくないことをやめさせる方だからです。