今回は税収弾性値について簡潔にまとめます。
まず、税収弾性値とは? Google先生に尋ねました。
税収弾性値というのは、「名目GDPが1%上がったときに税収が何%増えるか」という数値だ。 この数値について、政府は今「1・1」という数値を使っている。 例えば,昨年暮れに公表された財政制度審議会の報告書にはこの1・1という数値が科“科学的にいい線”として記述されている.
私の問題意識は以下の通りです。
・政府の提示する税収弾性値は1強
・しかし税収弾性値はもっと大きいのでは?という指摘が目立つ
そもそも税収弾性値という数字について、色々な見解が出てきて、その幅が大きい原因は何なのでしょうか?この疑問はわきに置いておいて、話を勧めます。
政府の提示する税収弾性値は1.1のようです。
参議院議員中西健治君提出税収弾性値に関する質問に対する答弁書
税収弾性値(税収の伸び率を名目経済成長率で除したものをいう。以下同じ。)は、経済成長に応じて税収がどの程度増加するかを表す数値である。
平成二十六年一月に財務省が公表した「平成二十六年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」においては、平成二十六年度予算における制度・施策を前提とした機械的な試算により、中期的な将来の財政の姿を示すという性格から、税収の推計に当たって、比較的安定的な経済成長を実現していたバブル期以前の平均的な税収弾性値である一・一を用いている。
御指摘のように「近年の税収弾性値は高くなってきている」との主張もあるが、近年では税収弾性値の分母である名目経済成長率がゼロ近傍で推移していること等に伴い、極端に大きな税収弾性値が算出された年度が出てきているなど税収弾性値が大きな振れを示していることに留意が必要である。
したがって、仮に「後年度歳出・歳入への影響試算」において平成三十二年度も含めた中期的な将来の財政の姿を示す際には、今後とも、税収弾性値として一・一を用いることが適当である。
元参議院議員の金子洋一さんが税収弾性値について解説されている動画がありましたので共有します。
2014/08/05
財務省の出している「税収弾性値予測は1強」は本当でしょうか?
財務省が「説得」できなかった金子洋一先生の解説をお聞き下さい!OECDエコノミストの経歴も持つ金子先生が、国会議員ならこれだけは知っておくべき、という経済学を講義します!
民主党政権時代からデフレ脱却議連事務局長、「日本銀行のあり方を考える議員連盟」発起人を務め、デフレ脱却・円高是正を強く訴えて来られた、金子洋一参議院議員がチャンネルくらら初登場!
金子洋一さん曰く、政府は税収弾性値を低く設定したがる、とのことです。
SNS上で、税収弾性値に関するコメントをいくつか取り上げておきます。
財務省が税収弾性値1.1を使うのは増税したいとき。毎年度予算での税収見積もりの時は1.1よりまともな弾性値を使う。見通しが外れるとすぐばれるから。景気回復局面で弾性値が3くらいになるのは財務省は既知で確信犯だが財政学者は騙されてる https://t.co/46t5LiSh7e
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) March 24, 2016
それから一番大事なこと書いてないね。アベノミクス以降、日本の税収弾性値はだいたい3ですよ。GDPが1%伸びると税収は3%伸びちゃう。名目成長率4%(実質2%+物価上昇2%)達成で税収も一気に増えて、、、これは財務省に不都合な事実whttps://t.co/CLibIVPCgt
— 上念 司 (@smith796000) April 18, 2019
防衛力強化の財源に関し、経済成長による自然増収が完全に抜け落ちている。防衛費目標は当然5年後のGDPの2%の筈だが、総理の基準は常に令和4年のGDP。今後3%成長が実現すれば、5年後の名目GDPは現在の550兆円から優に600兆円を超し、税収増で追加的に必要な額は賄える(税収弾性値は2.7)。まずは成長!
— 本田悦朗 (@etsuro0112) January 3, 2023
嘘の税収弾性値1を使い続ける。
国民に嘘をつき続けるような犯罪的な省が下手な議員より強い権限を持ち続けているのは異常だ。
省益のために平気で国民を騙してきたのが財務省。
であるので嘘つき財務省をなんとかしろって話が議論の軸になるべき。— 茶請け (@ttensan2nd) June 20, 2022
「よくて1.4くらい」みたいな
ふわっとした事を言って誤魔化しました。
それでも税収弾性値1.1の数字は
全く変えないできました。毎年税収予測を間違う財務官僚が
「税収予測を考えれば防衛費のうち1兆円は必ず増税にしなければ財源が確保できません」
という主張は偽として却下すべき話です。— 遠子先輩 (@murrhauser) January 2, 2023
とりあえず、政府が設定している税収弾性値1.1に数多くの突っ込みが入っているのは確かです。