今回はファブレス企業の簡単な話です。
ファブレス企業とは?についてSNSからの情報を共有します。
ファブレスとは、工場を自社で保有せず、外部の提携企業に製造を委託し、自社開発の製品を販売する形態のことです。
任天堂のビジネスモデル
<ファブレス経営>ファブレスとは、工場を自社で保有せず、外部の提携企業に製造を委託し、自社開発の製品を販売する形態のことです。 pic.twitter.com/gg9kmbPcCW
— 【#会計クイズ】大手町のランダムウォーカー (@OTE_WALK) June 21, 2022
ひとまず、そういう形態の企業があるということですが、この形態のメリット・デメリットを見ておきたいと思います。
ファブレスとは?メリットやデメリット、代表的な導入例を紹介 2022.06.15 株式会社システムインテグレータ
ファブレスにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
製造業が市場変動や需要の変化に合わせて生産を行うためには、必要に応じて製造設備を更新する必要があります。しかし、製造設備の更新は頻繁にできるものではなく、刷新には莫大な費用が必要です。しかしファブレス経営で製造を外部委託すれば、初期投資を減らし、設備投資の償却コストも軽減できます。その分、損益分岐点を大きく引き下げることができるでしょう。また、事業の撤退時にも撤退コストを軽減できます。製造に関する初期投資とコストの抑制により、ファブレス企業はその分の資金と人材を研究開発に集中できます。研究開発は企業競争の源泉であり、差別化を図る上で重要な要素です。ファブレスによって製造を外部に委託できることで、こうした研究も加速させやすくなります。
また、製造設備や人員を抱える固定費が不要なため、資金が固定化せず、市場の変化に対応できる柔軟性も向上します。資金の自由度が高まるため、事業におけるリスクの軽減にもなるでしょう。
このように、工場を持たないファブレス企業は、高収益・高利益率といった特徴を持ちます。
一方で、ファブレス経営のメリットを活かすためには、企画・設計力やブランディングに長けていなければならないでしょう。ベンチャー企業のように、企画力があっても資金力が乏しい企業などは、こうした経営方式を採用することで、資金的な制約を回避しながら成長を目指すことができます。
デメリット
一方、ファブレスならではのデメリットもいくつか存在します。まず挙げられるのが、製品の品質管理・生産管理に注意が必要な点です。ファブレスであろうとなかろうと、顧客は自社のブランドとして商品を認知します。そのため、いくら外部に製造を委託していたとしても、商品の質や価値を維持しなければ顧客の信用を失ってしまうでしょう。
信頼できる委託先を選定し、品質・生産管理をチェックできる体制を構築する必要があるのです。
そして、もう一つのデメリットとして挙げられるのが、外部委託に伴う機密漏洩や製造ノウハウ漏洩に関するものです。製品には、自社のノウハウやテクノロジー、開発した企画といったものが詰まっています。そうした情報の漏洩や、他社が先んじて類似製品を市場に出すなどが起こってしまうとビジネスチャンスが失われ、重大な損失が生じてしまうでしょう。委託先の選定に際しては信頼できる相手なのか、リスクがないか、慎重に見極める必要があります。
またファブレスでは定義上、自社で製品を製造していません。したがって、製造過程には接点を持たないわけです。製造過程で得たノウハウや知見を企画開発にフィードバックするということは基本的にできません。自社内の知見が薄れてしまうことはもちろん、製造フローが他人事化し、特に海外の委託先に外注する場合などは現地で発生した問題を発見したり解決したりするうえで対応が遅れがちになりやすいです。
こうしたことから、場合によってはレピュテーションリスクにもなります。近年、国内外の複数の衣料品メーカーが、生産過程に人権侵害が指摘されている材料を使っている疑いで世論の批判や外国当局による捜査の対象となったことがありました。
とりあえず、こういう事業形態がある、ということは知っておくことにします。