以前から、↓のような週刊誌記事を時々見かけます。
【本会議+委員会発言が1回】
細野豪志氏、森英介氏【本会議+委員会発言が2回】
小渕優子氏、薗浦健太郎氏、額賀福志郎氏、林幹雄氏、林芳正氏【本会議+委員会発言が3回】
下村博文氏、宮澤博行氏【本会議+委員会発言が4回】
木原稔氏、冨樫博之氏、二階俊博氏、浜田靖一氏、藤丸敏氏#政治— NEWSポストセブン (@news_postseven) May 20, 2022
【働かない国会議員27人リスト】
所属政党の内訳は自民党25人、野党2人。ただし、落選した元議員は除外した。【表2】はこちらhttps://t.co/D4AqEzaOSV#NEWSポストセブン #国会議員 #政治家 pic.twitter.com/OcZyhjbqPF
— NEWSポストセブン (@news_postseven) May 19, 2022
結論から申し上げますと、こういう記事は悪質です。そもそも国会議員として成し遂げてきた仕事の評価を、国会における発言回数や質問主意書の数ですべきではありません。
国会における発言や質問主意書(内閣へ文書で質問できる制度)について、以下簡単に説明します。
・国会での委員会での質問時間は野党議員に多く配分されている。
・質問主意書は与党議員は提出せず、野党議員の身が提出する。
ということです。
私は自民党・公明党のような与党所属の議員ではありません。ということで、参議院ではそれなりに質問時間をいただいており、各種委員会等でそれなりの質問時間をいただきました。また、質問主意書も数多く提出させていただきました。
一方、自民党の議員は国会での数が多い上に、質問時間がさほどあるわけではなく、委員会で質問に立たない議員もかなりいることになります。そういった議員はたいてい大物の議員で、質問以外に色々な政治家としての権力を振るって仕事をしています(それが良いか悪いかは別ですが、有権者の期待にはそれなりに応えているとは言えると思います)。
また、質問主意書も同様です。これは内閣へ文書で質問できる制度であり、慣例上与党の議員は提出しないことになっております。自民党の議員に聞いたことがあるのですが、提出したくてもできない、とのことでした。
政治に詳しい人であれば、こういったことは当然理解しているので、先述の「働かない国会議員リスト」なる記事の内容は鵜吞みにしないと思います。
ただ、こういったことを理解している方はむしろ少数派なのではないかと思います。私も国会に来るまであまりこういったことは知りませんでした。なので、「働かない国会議員リスト」なる記事は悪質なミスリーディングを招き得る記事だと考えます。
すぐにどうにかなるものではありませんが、少しずつでも国政に興味を持つ方が増えて、こういった記事が淘汰されることを願っています。
参考となりそうな動画を紹介しておきます。
コメント
国会の質疑は、イギリス議会の方式のようにできないかと思っています。
イギリスの議会質問制度(国立国会図書館)
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11195783_po_IB1028.pdf?contentNo=1
日本の国会とイギリスの議会
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/17468/kh009-04.pdf
差し当たって衆議院も参議院のように、割当時間は質問者の話す時間とし、回答者の答弁の時間は計上しないようにしたらどうでしょうか?
また議論をするためには、答弁者からの逆質問を許可し、質問者が逆質問に回答する時間も計上しないようにしたらどうでしょうか?
つまり質問者が質問内容を話す時間だけを、割当時間内にするということです。答弁も、逆質問も、逆質問に対する答弁も、時間は無制限ということです。もっとも無制限にしたら支障も出るかと思いますので、ほどほどのラインを設けた方が良いとは思います。
以上のようにすれば、そもそもの政党に配分する時間も、議席数に比例して配分しても良くなるように思います。また時間内に収まらない事項については、イギリスのように文書での回答とすれば、回答そのものは得られるわけです。逆に文書の方が、言質を取れる場合もあるかと思います。
今後も頑張って下さい。