参議院選挙の投票日翌日に次のような番組がありました。
色々と見どころがあるのですが、今回は↑の動画の11分40秒くらいからのやりとりに注目してみます。日本の超過死亡に関する議論のところです。
質問;まず 超過死亡者数 とはなんですか?
答え;例年ある時期の本来想定されている死亡者数より、増えた数を言います。例えば冬場にはいつもより多くの死者数が出てしまいますが、増えた数を超過の数と言います。
ここで、過去の私のツイートを紹介しておきます。
https://twitter.com/satoshi_hamada/status/1386883714806730752?s=20&t=xybgxZhMYVwlA_BZvcOCAg
2020年は超過死亡数が減っていました。しかし、その後2021年は増加しています。番組内では、この原因について、参政党の神谷宗幣さんがワクチンのせいだ、と言ったのに対し、元経産官僚の宇佐美典也さんが応酬しています。
オレ昨日初めて番組中帰ろうと思ったよ。
— 宇佐美典也 (@usaminoriya) July 11, 2022
アベプラって基本的には論破するような場じゃなくて対話する場のはずなんだけど、一方的に主張を押し売りしてくるんだもんよ。ありゃきつい。
こっちだって折り合って、顔を立てていい気持ちで帰ってもらいたいのに時間独占してゴリゴリ一方的に主張押し付けられたらそりゃ番組成り立たんよ。— 宇佐美典也 (@usaminoriya) July 11, 2022
一度だけ返信しますが、
パッと思いつく限りでも、コロナの株の変異、人の活動量、厳冬酷暑、など変わってるのになぜ
「2020年と2022 年で変わったのはワクチン打ったか打たないかだけ」
と断言できるのか意味不明です。 https://t.co/sYEm4Xa9L1— 宇佐美典也 (@usaminoriya) July 11, 2022
2021年の超過死亡者数が増えているのは事実として、ではそれがなぜなのか、について答えを出すのは難しいと思います。5W1Hのうち、一番答えを出すのが難しいのがWhyということを以前記事↓にしました。
それはさておき、超過死亡者数増加について参考になるリンクを紹介しておきます。
2022.04.14「新型コロナワクチンで超過死亡が急増中!」のフェイクのからくり
死亡原因の細かな検討が必要 宮坂 昌之
図2は名古屋市立大学大学院医学研究科・公衆衛生分野教授の鈴木貞夫氏が作成されたグラフです。これによると、日本では2021年1月から2021年後半まで死者数(週当たりの死亡者数)が少しずつ増えています(死者増加の一部は新型コロナ感染によるものかもしれません)。
ただし、ワクチン接種回数の軌跡をよく見ると、この増加は、ワクチン接種が始まる2021年2月17日よりも前に始まっているのです。さらに、ワクチン接種は日本では6月に入ってから1日100万回を超えるものすごい勢いで進み始めたのですが、週当たりの死者数はワクチン接種が始まった後も接種以前とほぼ同じペースで増えています。もし、ワクチン接種で死者が増えたのであれば、接種が本格化するとともに毎週の死者数を示すグラフの軌跡が急上昇しないといけないはずです。
そもそも、超過死亡や過少死亡には、さまざまな因子が絡んできます。たとえば、2021年では、新型コロナによる感染症対策の徹底によって肺炎やインフルエンザによる死亡者数が減少する一方で、病床逼迫で必要な治療を受けられずに死亡した人も出ました。長期外出を控えることで運動する機会が減り、老衰が進んだ高齢者もいたでしょう。感染を恐れて健診を控えた結果、がんの発見が遅れるようなこともあるでしょう。
このようにさまざまな要因が絡み合って、死亡者数は毎年不規則に変動しています。超過死亡を注意深くモニタリングする重要性は否定しませんが、死亡原因の細かな検討をすることなしに、超過死亡の増加だけで、すべてワクチン接種が原因と結論づけるのは、論理の飛躍があります。
ということで、先述の宇佐美典也さんの考えが常識的とは思います。
とりあえず、超過死亡者数が増えているのは事実と考えられ、その点には注意が必要とは思います。ただし、その背景にあるものを突き止めるのは大変難しい、と再度申し上げておきます。