最近、選択的夫婦別姓制度を導入すべきか否か、という話を聞きます。各種選挙のアンケートなどで質問項目に入っていることがあります。
モーニングショーで韓国の夫婦別氏が話題になって、一流コメンテーターの浜田敬子「苗字を選びたい。世論は…」安部敏樹「さっさとやって頂きたいですね」と言ってますけど。
内閣府世論調査。選択的夫婦別姓制度を導入した方がよいは、29%。29%ですよ?29%。
世論誘導するのはメディアの常套手段 pic.twitter.com/si2UnkA1VA
— Mi2 (@mi2_yes) May 11, 2022
まず、個人的な意見を述べると、あまりこだわりはありません。こう言うとおりを受けるかもしれません。気にしているのは、選択的夫婦別姓制度導入に賛成・反対どちらの立場に表明するかによって選挙での得票にどれくらい影響するのか、ということです。
あえて意見を述べれば、どちらかの立場を表明する必要はあるのか?あえて立場を表明しないのも立派な選択肢では、と思います。
それらを前提にした上で、それでもこれについて意見を求められた場合、私は例外的夫婦別姓制度の検討を提案します。
この例外的夫婦別性制度は、現状と選択的夫婦別姓制度の中間のような位置づけだから折衷案として悪くないのでは、と思うからです。
例外的夫婦別姓制度って何?という疑問は当然あると思うので、その説明を法務省ウェブサイトから拝借します。
Q2 例外的夫婦別氏制度とは,何ですか。
A
例外的夫婦別氏制度とは,夫婦は同じ氏を名乗るという現在の制度を原則としつつ,例外的に夫婦が結婚後にそれぞれの結婚前の氏を名乗ることも認めるという考え方です。このような考え方に基づいて制度を考える場合,様々なタイプのものが考えられますが,例えば,(1)夫婦同氏制度を定める現行民法の規定を本文とし,夫婦別氏制度をただし書の形式とすることで,原則と例外の関係を明らかにするとともに,(2)例外である別氏夫婦から原則である同氏夫婦への転換のみを認める制度とすることが考えられます。Q3 選択的夫婦別氏制度と例外的夫婦別氏制度は,どこが違うのですか。
A
選択的夫婦別氏制度では,同氏夫婦と別氏夫婦についてどちらが原則であるかということは明示しておらず,両者を対等なものと位置付けていました。
これに対し,例外的夫婦別氏制度とは,夫婦は同氏が原則であり,別氏となるのは夫婦の氏の在り方としては例外であるという考え方ですから,この点で選択的夫婦別氏制度と異なることになります。
このような考え方は,夫婦が同氏であるという原則は,今日に至るまで多数の国民の支持を得てきた制度であるという点を重視するとともに,新たに制度が導入された場合であっても,別氏を選ぶ夫婦は少数であると考えられることを踏まえたものと思われます。
なお,一口に例外的夫婦別氏制度といっても様々なタイプのものが考えられるということは,Q2において述べたとおりです。
というわけで、例外的夫婦別姓制度のコンセプトは何となくわかると思います。しかし、これには様々なタイプが考えられて一概には言えないのが難しい所です。
一応、一例の記載はありますので、そこだけ抜粋しておきます。
例えば,(1)夫婦同氏制度を定める現行民法の規定を本文とし,夫婦別氏制度をただし書の形式とすることで,原則と例外の関係を明らかにするとともに,(2)例外である別氏夫婦から原則である同氏夫婦への転換のみを認める制度とすることが考えられます。
という感じで、例外→原則の転換のみを認める制度が挙げられています。
例外的夫婦別姓制度は2001年頃に議論されていたようですが、現在この名前をほとんど聞かないのはなぜなのか、不思議に思っています。
例外的に夫婦の別姓を実現させる会
発案者の野田聖子は一般論として自民党において選択的夫婦別姓制度の導入が進まない理由について、「自民党の応援団体である神社庁などが猛烈に反対している。」と述べているhttps://t.co/OaoGJb43oB
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) March 3, 2021
以前、坂本雅彦さんに書いていただいた文章を紹介します。
昨日は参議院浜田聡議員のお手伝いに上がり下記の件を検討しましたのでここに記します。
選択制夫婦別姓について(参議院浜田聡議員のお手伝い)|坂本雅彦 https://t.co/ISBVXLbCfT #amebaownd— 坂本雅彦 (@NHK65860645) October 7, 2021
ここでは、夫婦同氏別氏並立制という言葉が使われていますが、例外的夫婦別姓制度と同様とのことです。
③ 夫婦同氏制を維持し、夫または妻は旧姓の使用を可能とするが、旧制に使用においても同氏時と同様の法的且つ社会的な責任を負う(夫婦同氏別氏並立制)
旧制に使用においても同氏時と同様の法的且つ社会的な責任を負う、とありますが、これも上記と同様に、様々なタイプが考えられるのでしょう。
まとめると、選択的夫婦別姓制度に賛成か反対か、という二者択一ではなく、その中間についても考えてみてもよいのでは、ということです。
以下、衆議院でのやり取りの一部の動画を紹介しておきます。