今回は(も?)、令和3(2021)年11月10日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。
質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。
特徴
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。
また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。
以前、松戸市で活躍するVtuberと千葉県警のコラボ動画が出され、コラボ動画に対してフェミニストを自称する団体の抗議があった後に動画が削除されるということがありました。この件に関して2021年10月に質問主意書を提出したところ、それなりに反響がありました。
https://twitter.com/BlauerSeelowe/status/1449667967394795526?s=20
今回は、この質問主意書の続きとなる質問です。今回の件について、問題意識をお持ちのNHK党関係者の方(前回の質問主意書作成者と同じ方)から今回の質問主意書のご提案をいただき、提出する次第となりました。
Vtuber関連第二弾です。フェミニスト団体が内閣府の「男女共同参画の視点からの公的広報の手引き」を参照してVtuberを非難しているので、そもそも手引きが萌えキャラ排斥に使われることそのものが正しいかどうか等を聞いています。
※環境省は萌えキャラを使っているので…
※正直なところ前回の主意書はクオリティが高くなく、反響の大きさに驚いています。今回はクオリティ重視で起案しました。
この件に関連する動画を紹介しておきます。
今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。
美少女コンテンツと内閣府男女共同参画局発行「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」に関する質問主意書
私が「女性Vチューバーと千葉県警のコラボ動画の削除と政府の男女共同参画基本計画に関する質問主意書」(第二百五回国会質問第三一号)にて取り上げた問題について、「全国フェミニスト議員連盟」という団体は、その後の記者会見において、内閣府男女共同参画局発行「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」(以下「本件手引」という。)を参照して「戸定梨香」さんを批判していた。一方、政府は、環境省が「MOE萌えキャラクターコンセプト&キャラデザイン公募コンテスト」を主催するなど、公的広報に美少女キャラクターを起用することがしばしば見られる。
右を踏まえて、以下質問する。
一 本件手引は、違法性や有害性を判断する尺度を示したものか。
二 本件手引は、広報を実施する者に向けたものか。それとも、第三者にも向けたものか。
三 本件手引は、地方公共団体にも参考配布したと承知している。これに関し、以下の1及び2について政府の見解を示されたい。
1 本件手引は、地方公共団体を対象としているか。
2 この参考配布は、単なる配布なのか。それとも、地方自治法第二百四十五条の四にいう「技術的な助言若しくは勧告」として行われたものか。
一から三まで及び五について
「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」(平成十五年三月内閣府男女共同参画局作成。以下「本件手引」という。)は、基本的に、国の行政機関における広報担当者が広報業務を実施する際に、より効果的な広報とするために留意すべきことを記載したものであり、お尋ねのように特定の表現の「違法性や有害性を判断する尺度」を示すものとして作成したものではなく、お尋ねの「萌えコンテンツ」のような特定の表現を一律に禁止する趣旨のものでもない。また、本件手引は、地方公共団体にも参考配布したが、当該参考配布は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項の規定に基づく技術的な助言又は勧告として行ったものではない。四 ある団体の主観に沿わない表現が公的広報として用いられた際、しばしば本件手引が引用されるが、個別の案件について、政府以外の私的な団体が、本件手引を参照して批判を行うことにつき、政府の見解如何。
四について
私的な団体がお尋ねのように「本件手引を参照して批判を行うこと」について、政府としてお答えする立場にない。五 一部の自治体は、本件手引を参考にしたと称して、本件手引になんら記載のない萌えコンテンツ(平成十九年三月国土交通省総合政策局「日本のアニメを活用した国際観光交流等の拡大による地域活性化調査報告書」第一章「日本のアニメ・マンガを取り巻く状況」二十五ページに記載されている、「萌え」といわれる美少女コンテンツをいう。以下同じ。)を公的広報に使用することを避けるよう指示していた。本件手引は、萌えコンテンツを使用することを禁止しているか。
一で回答済み。
六 環境省による「MOE萌えキャラクターコンセプト&キャラデザイン公募コンテスト」によって誕生したCOOL CHOICEイメージキャラクターである「君野イマ」及び「君野ミライ」は、萌えコンテンツをアイキャッチャーとして起用しているが、「君野イマ」及び「君野ミライ」は本件手引に照らして適当か。また、「MOE萌えキャラクターコンセプト&キャラデザイン公募コンテスト」を開催する際、本件手引を参考にしたか。
六について
お尋ねの環境省による「「COOL CHOICE」MOE萌えキャラクターコンセプト&キャラデザイン公募コンテスト」においては、本件手引に記載されているとおり、「多様な受け手を意識し、共感が得られるような表現を心がけ」ることや、「訴求内容と訴求対象に合った、より効果的な表現方法を工夫」すること等に留意しつつ、地球温暖化対策に資するあらゆる賢い選択を促す国民運動「COOL CHOICE」に対する認知度の向上を図るため、キャラクターのコンセプト設定等について公募を行い、一般からの投票を経てキャラクターを決定したところであり、同コンテストにおいて決定された「君野イマ」及び「君野ミライ」は、本件手引に照らして、問題があるとは考えていない。なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。
右質問する。
今回の質問主意書もそれなりに反響をいただいたようです。以下、今回の質問主意書と答弁についてまとめていただいているツイートを紹介しておきます。
戸定梨香さんの件で浜田聡参議院議員さんが質問主意書を出していたけど、さらに男女共同参画の視点で作られたガイドラインは美少女コンテンツを規制の根拠になりえる物か質問主意書を出していたんですね。
これは知らなかったです。ハッキリとNOと政府見解が出ている。https://t.co/pWlBFPt3QD— ymils(イム)⚡ (@ymils_y) December 1, 2021
政府の答弁書は、
有害性や違法性を示す物ではない。
行政機関の広報担当者に留意する事を示した物。
地方自治体にも参考頒布したが、助言や勧告ではない。
私的団体の手引を用いた批判は政府は答える立場にはない。
萌えコンテンツの様な特定表現を一律に禁止してはいない。https://t.co/PBX8A1As9o— ymils(イム)⚡ (@ymils_y) December 1, 2021
「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」は絶対に遵守しなければならない様な物でもないし、法律の様に罰する根拠に使う物ではない。
このガイドラインが頻繁に使われる場面が多いので、閣議決定としてこの政府見解が出たのは大きい。
批判の根拠で出てたのは異常な使われ方だった話だと思います。— ymils(イム)⚡ (@ymils_y) December 1, 2021
表現の自由を守るためにお役に立てたのであれば、幸いです。