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国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する金融庁の調査姿勢に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年10月5日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、以前ご相談いただいた方からのご依頼による質問です。西武信金の融資で不動産物件を購入したものの、その後の経営がうまくいかないからか借金の返済が苦しくなった方からの相談です。

昨年提出した質問主意書の続きとなる質問です。今回は質問対象が金融庁です(次回は国土交通省が対象です)。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する金融庁の調査姿勢に関する質問主意書

 第二百一回国会に私が提出した「国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する政府の調査姿勢に関する質問主意書」(第二百一回国会質問第一五〇号)に対する答弁書(内閣参質二〇一第一五〇号)において、「お尋ねの「証拠の残っていた二百五十八物件の詳細状況」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、金融機関の個別の融資事案の詳細については、当該融資先の正当な利益を害するおそれがあること等から開示を行うことは困難である。なお、金融庁においては、行政処分の内容及び理由について、他の金融機関等における予測可能性を高め、同様の事案の発生を抑制する観点から、公表を行っており、御指摘の関東財務局による西武信用金庫に対する行政処分についても、同様の趣旨により公表を行ったものである」との答弁があった。

不正行為に伴う不適切な融資により「当該融資先の正当な利益」を明らかに害していることからその被害の救済の意思の有無を確認するための質問であったが、政府から明確な答弁を得ることはできなかった。

また、関東財務局は西武信用金庫に対して業務改善命令を発したものの、西武信用金庫が反復的に行ってきた不正行為に基づく不適切な融資の被害者対応を明らかとしておらず、結果として二〇一九年五月二十四日の業務改善命令発令以降現在まで被害者救済が一切進んでいないという事実が明らかとなった。

加えて、西武信用金庫に対する業務改善命令によって「西武信用金庫は評価の足りない物件に過剰な担保を設定し不適切な融資を反復的に実行していた」という不正行為が明らかとなった。これは西武信用金庫の不良債権を増長させるものであり背任罪、特別背任罪を問われる行為である。さらに経済的耐用年数を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適正な行為を反復的に実行していたことは詐欺罪や不正競争防止法違反(品質誤認惹起行為)の教唆、共同正犯に問われる行為でもある。刑事訴訟法第二百三十九条第二項によれば「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」となっている。

以上を踏まえ、以下質問する。

一 行政文書「関財審業第三十三号」により金融庁は二〇一八年十月二十二日時点で既に二百五十八物件において不正の事実の詳細を具体的に把握していたことは明らかである。この二百五十八物件に含まれる被害者と認識している方からの私への報告によると、金融庁に対して情報開示請求を行ったところ、当初はそのほとんどを黒塗りで開示されたとのことであった。機密情報とは認められない既知の事実や一般的な情報をあえて黒塗りで対応してきた理由を明らかにされたい。

一について
お尋ねの「行政文書「関財審業第三十三号」」については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号。以下「情報公開法」という。)第三条の規定に基づく開示請求があり、情報公開法第五条第一号、第二号イ及び第六号イに該当するとした情報を除いて情報公開法第九条第一項の規定に基づき部分開示の決定をしたところである。
その後、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二条の規定に基づき審査請求がされたことから、情報公開法第十九条の規定に基づき情報公開・個人情報保護審査会への諮問を行い、同審査会からの答申(令和三年度(行情)答申第百三十七号)を受け、行政不服審査法第四十六条第一項の規定に基づき当該審査請求が理由があるものと判断して当該決定を変更し、当該行政文書の一部を開示したところである。

二 金融庁が西武信用金庫に対して不正融資の被害者の救済を不問にしている理由を明らかにされたい。

二について
お尋ねの「不正融資の被害者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、金融庁としては、西武信用金庫について、業績優先の営業を推進する余り、内部管理態勢の整備を怠った結果、投資用不動産向けの融資に当たり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている等の問題が認められたことから、同金庫に対し令和元年五月二十四日付けで信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十九条第一項の規定により準用する銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二十六条第一項の規定に基づき、健全かつ適切な業務運営を確保するため、内部統制の強化や信用リスク管理態勢の強化等を実行するよう、行政処分を行ったものである。

三 金融庁は西武信用金庫の不正の事実を把握しているにもかかわらず刑事責任を不問にしている理由を明らかにされたい。

三について
お尋ねについては、個別の事案に関することであり、お答えすることは差し控えたい。
なお、一般論として申し上げれば、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百三十九条第二項は「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と規定しているところ、同項の規定の趣旨に従い、公務員がその職務を行うことにより合理的根拠に基づき犯罪があると思料するかどうかについては具体的事案に即して判断する必要があると考えている。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

右質問する。

相談者の方が政府に情報開示を求めても、その意図に反して黒塗りの書類が出てくるなど苦労している状況で提出している質問主意書です。相談者の方にとっても、その他の関係者の方々にとっても、ある程度納得できるような形に落ち着くことを願っております。

最後に、西武信金の不祥事に関する動画を紹介しておきます。

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コメント

  1. 藤井 より:

    2年経ちましたが被害者救済は進んでいるのでしょうか?実は私も不動産トラブルの被害者です。