以前、医療現場の最前線で新型コロナウイルス感染症の対応をされている内科医と思われる方がTwitter上で大変興味深いツイートをされていました。新型コロナウイルス感染症に関する4択のクイズです。(医療関係者にとって)基礎知識の確認に良いと思いましたので、紹介していきます。
※1問目~50問目までは、以前の記事に加え、さらに改訂版をまとめています(以下のリンクリストは改訂版のみ)。
今回は91問目~95問目を紹介します。
どの選択肢がどれだけ選択されたのかが既に出ていますが、気にせず皆様も答えを考えてみると面白いと思います。
※最多の選択肢が解答とは限りません。またCOVID-19の医学は日々急速に進歩し、数ヶ月で内容が更新され古くなり、解説の解答が違ってくる可能性もあり、解説はあくまで”出題された当時のもの”であると考えてください。
まずは91問目。
【問題91】
現在COVID-19に対する治療薬の開発が進められている。その中でもメルク社のモルヌピラビルが現在第3相治験を行っており、近々緊急承認され、日本でも使用が始まるのではないかと期待されているが、現段階で①入院するような有症状
②死亡をどれぐらい減らすと報告されているか。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 27, 2021
【問題91解答】正答:b)
今後FDAから承認を受けるであろうメルク社の経口薬モルヌピラビルは、現段階で①入院するような有症状:50%程度抑制
②死亡:50%程度抑制と報告されています。https://t.co/V3jRo1mjD0
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 30, 2021
死亡例は、
③モルヌピラビル投与を受けた患者では0例
④プラセボ投与を受けた患者では8例であった。ちなみにまだ、これ、メーカーの速報で第3相試験の結果の論文化はこれからのようです。
おそらくまもなく上がってくるでしょう。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 30, 2021
アストラゼネカのワクチンも、ものすごい安くて(コーヒー1杯分ぐらい!)こうした
「広く地球上のすべての国の人たちに役に立つのであれば、儲けを度外視して使って欲しい」
という心意気は評価されて然るべきだと思います。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 30, 2021
92問目。
【問題92】
カタールでの120万人の接種者のデータで、デルタ株流行下でのワクチン2回接種完了者のブレイクスルー感染についてその抑制効果はa)ファイザー60.6% モデルナ32.6%
b)ファイザー32.6% モデルナ60.6%
c)ファイザー84.8% モデルナ53.5%
d)ファイザー53.5% モデルナ84.8%— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 27, 2021
ただし、この問題は、接種した時点からどれぐらい期間が空いてくるかによって、変わってくると思われます(抗体の量が減ってくるためです)
このため、この値が絶対ではなく、接種からの時期が過ぎてくることによってこれより下がってくる可能性はあるということは留意する必要があります。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 30, 2021
93問目。
【問題93】
現在1〜2回目接種用のワクチンについてはその有効成分の量が1回あたりファイザー:30μg
モデルナ:100μgと、かなり差がある2社のワクチンであるが、3回目接種用としてモデルナ社はどれぐらいの投与量でFDAに承認申請を行っているか。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 27, 2021
また、日本政府は、
『2回目接種後8ヶ月経過』
で、3回目接種をいつでも打てるようにと考えているようです。2021年4月に2回目接種を行った私の職場では、8ヶ月後となる12月に3回目接種を行うという方針に決まりまして、現在、職場内のスケジュール調整に入ったところでございます。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 30, 2021
94問目。
【問題94】
現在の12歳以上のファイザーのコロナワクチンは有効成分が30μg(0.3ml)で、1〜2回目の接種及び、3回目の接種も同量となりそうである。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 30, 2021
【問題94解答】正答: c)
今後投与が始まる5-11歳については、ファイザーは
『1回の投与量10μg、3週間の間隔で2回接種』
という容量でのFDAの申請を行いました。
12歳以上の1/3の量になっています。数日前に緊急承認がおりまして、まもなく各国でこの年代への投与が解禁になるものと思われます。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 31, 2021
95問目。
【問題95】
COVID-19再感染について正しい記載を選べ。①初回感染から3〜6ヶ月程度は再感染しにくい
②過去の感染による2度目の感染の予防効果は98%程度だが時間が経つと再感染の危険性が高まる
③過去の感染が無症状〜軽症の人は再感染しやすい
④抵抗力がない方は2回目の方が重症化する— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 30, 2021
以下、Lancetよりhttps://t.co/lfaP0cbHnd
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 31, 2021
③過去の感染が無症状〜軽症の人は再感染しやすい⭕️
あと、抗体の量が感染後だとワクチン接種後より少なく(これについては過去にも問題にしているのですが、1/10ぐらいしかない)かつ、ばらつきが大きいようですね。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 31, 2021
ああ、③の資料載せるの忘れました。
無症状〜軽症の人は、かかっても抗体が出来にくいそうですので、ご注意ください。(下記)https://t.co/8WO8Cv0u24— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) October 31, 2021
91問目で取り上げられている新型コロナウイルス感染症の経口治療薬についてはその情報について注目していきたいところです。11月11日時点の情報は以下の通りです。
アメリカの製薬大手「メルク」が開発した新型コロナ患者向けの飲み薬について、後藤厚労大臣は、日本国内で160万回分の供給を受ける合意を交わしたと発表しました。(以下略)
今後も引き続き、問題と解答を紹介していきます。ただし100問目が最後です。