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公職選挙法上禁止されている街頭演説に字幕を付することと聴覚障害をお持ちの方への配慮に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年10月4日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、選挙等での街頭演説と公職選挙法についての質問です。

選挙運動による街頭演説の内容や要約をスクリーンなどに表示できないという公職選挙法の規定について質問をしました。新型コロナウイルス禍のマスク着用で、聴覚障害者が候補者の唇の動きを見ることが難しくなり街頭演説に対する字幕のニーズは増していると考えられ、時代に合わせて規定を変化させていく必要があります。

今回の件について、問題意識をお持ちのNHK党関係者の方から今回の質問主意書のご提案をいただき、提出する次第となりました。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

公職選挙法上禁止されている街頭演説に字幕を付することと聴覚障害をお持ちの方への配慮に関する質問主意書

 総務省は、政見放送及び経歴放送実施規程の一部を改正する告示案について、平成二十五年四月二十四日から同年五月二十三日までの間、国民から広く意見を募集したところ、聴覚障害をお持ちの方から「政見放送のみならず、選挙期間中の街頭演説、個人演説会等にも「要約筆記」及び「手話通訳」等の情報保障手段の配置が無条件で可能なように、必要な法改正を実施して下さい。私たちはこのようなニーズを持っています。」というご意見が寄せられたと承知している(平成二十五年六月十日付総務省ホームページ発表「政見放送及び経歴放送実施規程の一部を改正する告示案に対する意見募集の結果」の別紙における意見番号六。以下「字幕要望意見」という。)。

今般のコロナ禍により、公職の候補者はマスクを着用して街頭演説を行うことが増えたことから、聴覚障害をお持ちの方は読唇術によって演説を「聞く」ことができず、街頭演説に対する字幕ニーズは増しているものと思われる。

右を踏まえて、以下質問する。

一 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「法」という。)第七条第一項の「事務又は事業」は、公職選挙法が適用される選挙に関する事務を含むか。

一について
御指摘の障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十五号。以下「法」という。)第七条第一項においては、「行政機関等」が行う「事務又は事業」について規定しているところ、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の規定に基づき、「行政機関等」である各選挙管理委員会等が行う選挙に関する事務については、同項の「事務又は事業」に該当するものと認識している。

二 字幕要望意見は、法第七条第二項の「障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明」に該当するか。

三 法第七条第二項の「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮」は、政令、省令の改正や政府による衆参両院への法案提出等の法制上の措置を含むか。

二及び三について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、お尋ねの「字幕要望意見」については、法律改正を求めているものと考えられるところ、法第七条第二項の「現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明」とは、個別具体的な場面において、社会的障壁の除去の実施に関する配慮を必要としている状況にあることを、言語(手話も含む。)その他の意思疎通のための手段により伝えるものであり、同項の「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮」とは、障害者が日常生活又は社会生活において受ける様々な制限をもたらす原因となる社会的障壁を取り除くため、その実施に伴う負担が過重でない場合に、特定の障害者に対して個別の状況に応じて講じられるべき措置である。

四 公職の候補者に対し、街頭演説を行うに際し音声認識ソフト等を用いて演説内容やその要約をスクリーン等に表示することは、法第七条第二項の「実施に伴う負担が過重」であるときに該当するか。

五 公職選挙法第百四十三条第一項第四号の二を追加する法改正の際、「演説会場内においてその演説会の開催中掲示する映写等の類」を屋内に限って掲示することができるとし、屋外においては掲示の禁止を維持することとしたことによって、公職の候補者が自ら聴覚障害をお持ちの方に対し字幕を提供する手段が著しく制限された状態が放置されたことに関し、政府の見解如何。障害者に対する差別解消の観点から述べられたい。

四及び五について
公職選挙法第百四十三条第二項の規定により、選挙運動のために映写等の類(屋内の演説会場内においてその演説会の開催中掲示する映写等の類を除く。)を掲示する行為は禁止されており、お尋ねのように街頭演説において演説内容やその要約をスクリーン等に表示することはできない。

政府としては、選挙の公正を確保しつつ、障害者の政治参加を進めることについては、重要な課題であると認識しているが、選挙運動のために使用する文書図画の掲示に係る規制については、選挙運動の在り方の問題であることから、各党各会派において十分に議論していただきたいと考えている。

なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

右質問する。

今回の質問主意書とその答弁書は産経新聞で記事になりました。

参考までに、公職選挙法の143条の条文(かなり長いです)を記事の最下部に掲載しておきます。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

書籍「立花孝志かく闘えり」の紹介です

※公職選挙法第143条

(文書図画の掲示)
第百四十三条 選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号のいずれかに該当するもの(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第一号、第二号、第四号、第四号の二及び第五号に該当するものであつて衆議院名簿届出政党等が使用するもの)のほかは、掲示することができない。
一 選挙事務所を表示するために、その場所において使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
二 第百四十一条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に取り付けて使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
三 公職の候補者(参議院比例代表選出議員の選挙における候補者たる参議院名簿登載者で第八十六条の三第一項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されているものを除く。)が使用するたすき、胸章及び腕章の類
四 演説会場においてその演説会の開催中使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
四の二 屋内の演説会場内においてその演説会の開催中掲示する映写等の類
四の三 個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員、参議院選挙区選出議員又は都道府県知事の選挙の場合に限る。)
五 前各号に掲げるものを除くほか、選挙運動のために使用するポスター(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者(第八十六条の三第一項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されている者を除く。)が使用するものに限る。)
2 選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類(前項第四号の二の映写等の類を除く。)を掲示する行為は、同項の禁止行為に該当するものとみなす。
3 衆議院(小選挙区選出)議員、参議院(選挙区選出)議員又は都道府県知事の選挙については、第一項第四号の三の個人演説会告知用ポスター及び同項第五号の規定により選挙運動のために使用するポスター(衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党が使用するものを除く。)は、第百四十四条の二第一項の規定により設置されたポスターの掲示場ごとに公職の候補者一人につきそれぞれ一枚を限り掲示するほかは、掲示することができない。
4 第百四十四条の二第八項の規定によりポスターの掲示場を設けることとした都道府県の議会の議員並びに市町村の議会の議員及び長の選挙については、第一項第五号の規定により選挙運動のために使用するポスターは、同条第八項の規定により設置されたポスターの掲示場ごとに公職の候補者一人につきそれぞれ一枚を限り掲示するほかは、掲示することができない。
5 第一項第一号の規定により選挙事務所を表示するための文書図画は、第百二十九条の規定にかかわらず、選挙の当日においても、掲示することができる。
6 第一項第四号の三の個人演説会告知用ポスター及び同項第五号の規定により選挙運動のために使用するポスターは、第百二十九条の規定にかかわらず、選挙の当日においても、掲示しておくことができる。
7 第一項第一号の規定により掲示することができるポスター、立札及び看板の類の数は、選挙事務所ごとに、通じて三をこえることができない。
8 第一項第四号の規定により掲示することができるポスター、立札及び看板の類の数は、演説会場外に掲示するものについては、会場ごとに、通じて二を超えることができない。
9 第一項に規定するポスター(同項第四号の三及び第五号のポスターを除く。)、立札及び看板の類(屋内の演説会場内において使用する同項第四号のポスター、立札及び看板の類を除く。)は、縦二百七十三センチメートル、横七十三センチメートル(同項第一号のポスター、立札及び看板の類にあつては、縦三百五十センチメートル、横百センチメートル)を超えてはならない。
10 第一項の規定により掲示することができるちようちんの類は、それぞれ一箇とし、その大きさは、高さ八十五センチメートル、直径四十五センチメートルを超えてはならない。
11 第一項第四号の三の個人演説会告知用ポスターは、長さ四十二センチメートル、幅十センチメートルを超えてはならない。
12 前項のポスターは、第一項第五号のポスターと合わせて作成し、掲示することができる。
13 第一項第四号の三の個人演説会告知用ポスターには、その表面に掲示責任者の氏名及び住所を記載しなければならない。
14 衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院議員の選挙においては、公職の候補者は、政令で定めるところにより、政令で定める額の範囲内で、第一項第一号及び第二号の立札及び看板の類、同項第四号の三の個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員又は参議院選挙区選出議員の選挙の場合に限る。)並びに同項第五号のポスターを無料で作成することができる。この場合においては、第百四十一条第七項ただし書の規定を準用する。
15 地方公共団体の議会の議員又は長の選挙については、地方公共団体は、前項の規定(参議院比例代表選出議員の選挙に係る部分を除く。)に準じて、条例で定めるところにより、公職の候補者の第一項第四号の三の個人演説会告知用ポスター(都道府県知事の選挙の場合に限る。)及び同項第五号のポスターの作成について、無料とすることができる。
16 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この項において「公職の候補者等」という。)の政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名又は当該公職の候補者等の氏名が類推されるような事項を表示する文書図画及び第百九十九条の五第一項に規定する後援団体(以下この項において「後援団体」という。)の政治活動のために使用される当該後援団体の名称を表示する文書図画で、次に掲げるもの以外のものを掲示する行為は、第一項の禁止行為に該当するものとみなす。
一 立札及び看板の類で、公職の候補者等一人につき又は同一の公職の候補者等に係る後援団体のすべてを通じて政令で定める総数の範囲内で、かつ、当該公職の候補者等又は当該後援団体が政治活動のために使用する事務所ごとにその場所において通じて二を限り、掲示されるもの
二 ポスターで、当該ポスターを掲示するためのベニヤ板、プラスチック板その他これらに類するものを用いて掲示されるもの以外のもの(公職の候補者等若しくは後援団体の政治活動のために使用する事務所若しくは連絡所を表示し、又は後援団体の構成員であることを表示するために掲示されるもの及び第十九項各号の区分による当該選挙ごとの一定期間内に当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)内に掲示されるものを除く。)
三 政治活動のためにする演説会、講演会、研修会その他これらに類する集会(以下この号において「演説会等」という。)の会場において当該演説会等の開催中使用されるもの
四 第十四章の三の規定により使用することができるもの
17 前項第一号の立札及び看板の類は、縦百五十センチメートル、横四十センチメートルを超えないものであり、かつ、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)の定めるところの表示をしたものでなければならない。
18 第十六項第二号のポスターには、その表面に掲示責任者及び印刷者の氏名(法人にあつては名称)及び住所を記載しなければならない。
19 第十六項において「一定期間」とは、次の各号に定める期間とする。
一 衆議院議員の総選挙にあつては、衆議院議員の任期満了の日の六月前の日から当該総選挙の期日までの間又は衆議院の解散の日の翌日から当該総選挙の期日までの間
二 参議院議員の通常選挙にあつては、参議院議員の任期満了の日の六月前の日から当該通常選挙の期日までの間
三 地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了による選挙にあつては、その任期満了の日の六月前の日から当該選挙の期日までの間
四 衆議院議員又は参議院議員の再選挙(統一対象再選挙(第三十三条の二第三項から第五項までの規定によるものを除く。次号において同じ。)を除く。)又は補欠選挙(同条第三項から第五項までの規定によるものに限る。)にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(同条第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第一項又は第三項から第五項までに規定する遅い方の事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)が告示した日の翌日から当該選挙の期日までの間
五 衆議院議員又は参議院議員の統一対象再選挙又は補欠選挙(第三十三条の二第三項から第五項までの規定によるものを除く。)にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(同条第七項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第二項に規定する遅い方の事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)が告示した日の翌日又は当該選挙を行うべき期日の六月前の日のいずれか遅い日から当該選挙の期日までの間
六 地方公共団体の議会の議員又は長の選挙のうち任期満了による選挙以外の選挙にあつては、当該選挙を行うべき事由が生じたとき(第三十四条第四項の規定の適用がある場合には、同項の規定により読み替えて適用される同条第一項に規定する最も遅い事由が生じたとき)その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が告示した日の翌日から当該選挙の期日までの間
(文書図画の撤去義務)
第百四十三条の二 前条第一項第一号、第二号又は第四号のポスター、立札、ちようちん及び看板の類を掲示した者は、選挙事務所を廃止したとき、第百四十一条第一項から第三項までの自動車若しくは船舶を主として選挙運動のために使用することをやめたとき、又は演説会が終了したときは、直ちにこれらを撤去しなければならない。

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