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余剰が見込まれる政府確保の新型コロナワクチンを台湾へ提供することの提案等に関する質問主意書 ←浜田聡提出

今回は(も?)、令和3(2021)年6月1日に私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は台湾へのワクチン提供に関する質問主意書です。この主意書を提出する頃には、国内のアストラゼネカ社のコロナワクチンが余りそうだということで、これを台湾へ送ったらどうか、という話はSNS上などで上がっていました。そういう問題意識をお持ちの方がこの質問主意書を書かれました。

この質問主意書を提出後に、ワクチンが台湾へ送られました。おそらく政府与党内では以前からこの計画は進行していたのでしょう。

この質問主意書が計画遂行に寄与したわけではないとは思いますが、提出者としては計画が遂行されてうれしく思います。

この件で、ワクチンが台湾に送られた日付や航空機番号には色々なメッセージが込められています。詳しくは↓の動画をどうぞ。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

余剰が見込まれる政府確保の新型コロナワクチンを台湾へ提供することの提案等に関する質問主意書

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は、令和三年五月二十日、アストラゼネカ社製の新型コロナウイルス感染症に係るワクチン「バキスゼブリア筋注」(以下「AZ社製ワクチン」という。)を接種した際ごくまれに発生する血栓症について、適正な診断・処置ができればコントロール可能なリスクと確認し、総合的にAZ社製ワクチンの有効性と安全性を評価し、承認して差し支えない旨の結論に至った。これを受け、厚生労働大臣は、令和三年五月二十一日、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第十四条の三に基づき、AZ社製ワクチンを、その効能をSARS―CoV―二による感染症の予防として特例承認した。

政府は、AZ社製ワクチンを確保しているものの、ファイザー社製の新型コロナウイルス感染症に係るワクチン「コミナティ筋注」を約一億九千四百万回分、モデルナ社製の新型コロナウイルス感染症に係るワクチン「COVID―十九ワクチンモデルナ筋注」を五千万回分確保できる見通しであり、AZ社製ワクチンが余る公算である。それもあってか、政府は、AZ社製ワクチンの国内接種を当面見送ることを決めたが、AZ社製ワクチンの保存期限は六か月であり、速やかに使用用途を決めなければせっかく確保したAZ社製ワクチンが保存期限を迎え廃棄されることとなる。貴重なAZ社製ワクチンの有効活用方法を速やかに検討しなければならない。

一方、台湾は新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの確保に苦戦している。具体的には、蔡英文総統が、令和三年五月二十六日の記者会見で、中国の介入でコミナティ筋注の購入契約ができていないと述べた。また、ロイター通信の報道によれば、令和三年五月二十五日現在、接種可能な新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの在庫が底をついたという報道があった。

右を踏まえて、以下質問する。

一 政府は、AZ社製ワクチンについて海外への輸出も検討していると報道されているが、これは事実か。事実であれば、「海外」には台湾が含まれているか。

二 政府は、台湾が新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの確保に苦戦していることを承知しているか。また、令和三年五月二十五日現在、台湾には接種可能な新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの在庫がほぼないことを承知しているか。

三 現時点で、台湾から日本に対し新型コロナウイルス感染症に係るワクチンを供給するよう要請があったか。もし要請がないとしたら、政府は、東日本大震災発災の際に台湾から義援金約二百五十億円をはじめとした多大な支援を受けた恩があるのであるから、台湾に対し、政府が確保したAZ社製ワクチンが必要かどうか能動的に聞くべきではないか。

一から三までについて
お尋ねについては、茂木外務大臣が、令和三年六月四日の記者会見において、「これまでも様々な国・地域からワクチン提供依頼がありましたが、今般、台湾側からの依頼について調整が整い、我が国で製造しましたアストラゼネカ社製のワクチン百二十四万回分を、無償で台湾側の窓口機関であります台湾日本関係協会を通じて、台湾の人々にお届けすることになりました」及び「台湾の場合、昨年来、非常に感染状況、コントロールというか低い状態で抑え込んできましたが、ここにきて感染の拡大が見られると、一方でワクチンについては、七月以降は台湾での生産体制が整ってきますが、当面、この現状において非常にワクチンの調達が厳しい状況にあるという中で、日本として支援を行った」と述べたとおりである。

ちなみに、このアストラゼネカ社のワクチンですが、今月より国内でも接種開始となりました。このワクチンはファイザー社やモデルナ社のワクチンに比べると、若干感染予防効果は落ちますが、それでも十分な効果はあると考えていいと思います。

あと、アストラゼネカ社のワクチンと言えば血栓症が知られています。こう書くと問題視する人が出てきますが、注目すべきはその頻度です。極めて低い頻度であり、コロナ感染による血栓発生頻度と比較すれば明らかにワクチン接種をする方に分が上がります。以前、4択問題を紹介させてもらいました。

この↑問題の解答が気になる方はこちら↓でご確認ください。

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