スポンサーリンク

米国・英国・カナダでの裁判のインターネット配信に関して国会図書館にご調査いただきました

裁判は公開で行われるのが原則です。

この裁判公開の原則は、日本国憲法に記載されています。

第82条 裁判の公開 | 日本国憲法を対話で学ぼう

第八十二条

裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。

裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

さて、以前、以下のような記事をあげました。裁判公開の原則のもと、裁判所に行かなくてもインターネット上で裁判の様子を見ることができるようにすべき、という意見を述べた記事です。海外ではインターネット上で裁判を公開しているケースも見られます。

米国・英国・カナダでは裁判のインターネットがある程度進んでいます。今回、これらの国における裁判のネット公開に関することについて国会図書館に調査をしてもらいました。その内容を一部紹介します。

先に、内容をまとめておくと、米国・英国・カナダで裁判のインターネット公開はそれなりに進んでいるものの、裁判のインターネット公開をすることによる懸念もある、ということです。

米国・英国・カナダでの裁判ネット公開関連の調査(PDF 1MB)

2.裁判の様子を配信する事例について懸念及びそれに対する対応が示されている資料

①アメリカにおける議論について、資料 10~13を御提供いたします。
資料10は アメリカ議会調査局がまとめた資料であり、裁判の放送に関する主要な議論のうち、裁判の運営に関する懸念として、カメラ等の機器が法廷運営を阻害する可能性、プライバシーの問題 (陪審員、証人等への影響の可能性)、法廷における議論への影響が挙げられています。また、こうした懸念に対する対応として、法廷運営を邪魔しない目立ちにくい機器を使用することや、プライバシーヘの配慮のため、証人を特定できないように映像をばかすこと、証人に録画を拒否する権利を認めること、特定種類の裁判(少年事件、DV事件等)の撮影を禁止することなどが州裁判所等で行われていることが紹介されています (pp19‐22)。
資料11は、インドにおける配信の取組に関する記事ですが、アメリカにおいて示されている配信への懸念を紹介しています。資料12は、ライブ配信等を行うことについて肯定的に論じた記事ですが、裁判官が示している懸念等も紹介されています。資料13はイギリス司法省が2012年にまとめた文書ですが、アメリカにおける世論調査では、裁判手続が放映された場合、54%の者が証言をするのをためらうと述べ、62%の者が公平な裁判が妨げられると感じると述べたなどとされています。
②イギリスについて、資料14を御提供いたします。資料14は2010年の資料ですが、放映に賛成する意見、反対する意見がまとめられており、反対する意見として、扇情主義につながる懸念や、被害者・証人への影響のおそれなどが挙げられています。
③カナダについて、資料15を御提供いたします。資料15は、性犯罪等に関わる事件の裁判において、メディアによる中継を認めるかどうかが裁判所で争われたことを伝える記事で、被告人の弁護士が、事件の内容がデリケートであるとして中継を認めることに懸念を示したことが紹介されています。

裁判のインターネット公開を進めるにあたり、懸念があるというのはある程度理解できます。とは言え、これはやはりメリット・デメリットを考えながら、ケースごとに柔軟な対応を考えるなどして、インターネット公開を進めていくべきでしょう。

裁判のインターネット公開は、今後の司法制度改革の中でも最重要と言って過言ではない、と考えます。

ところで、今後のNHK党の選挙方針である「諸派党構想」に関する書籍が発売予定となりました。NHK党をよく取材いただいているライターさん(立花孝志かく闘えり、のライターさん)が書かれたものです。もしよければ書店や図書館などで手に取ってみてください。

書籍「立花孝志かく闘えり」の紹介です

↓もしよろしければ応援クリックお願いします。
人気ブログランキング

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク