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政府が優越的地位の濫用を要請⁉

昨日、4度目の緊急事態宣言が発出されることが決まりました。

現時点での重症患者数60と重症患者のための確保病床392を考えると余裕はあるのですが、オリンピックを控えていることからか、菅総理曰く「先手先手で、予防的措置を講ずる」ための緊急事態宣言とのことでした。

さて、この緊急事態宣言の内容に関して、政府がやらかしました。再び飲食店への締め付けです。

4度目の「緊急事態宣言」が発出される東京。政府は、酒の販売事業者に対し、酒類の提供停止などに応じない飲食店との、取引の停止を求める方針を示しました。

業界からの反発は当然でしょう。

さらに、金融機関へも働きかけるような発言がありました。そこまでして酒類の提供を止めたいということなのでしょう…。

西村大臣は、酒の提供を続ける飲食店の情報を取引先の金融機関と共有し金融機関からも働きかけるよう関係省庁と調整していることを明らかにしました。
新型コロナ担当・西村大臣:「金融機関は日常的にやり取りを行なっていると思うので、これは法律に基づく要請、命令であるから、しっかり遵守していただけるように、金融機関からも働きかけを行っていただきたいと考えている」

これにはさすがに与党自民党からも反発がありました。

銀行は融資先に対して生殺与奪の権利を握っているので、優越的地位の濫用については慎重にあるべきですが、それを政府が推奨するような発言は大問題です。

ちなみに、もし仮に自らが優越的地位の濫用に遭遇した場合、行政が相談先を整備しています。

さて、話を戻しますと、結局西村大臣のこの発言は撤回となりました。

酒類の提供を続ける飲食店に“金融機関から圧力をかける”とも受け取られかねない発言です。これに対して、反発が広がっています。

地銀関係者:「資金の提供元の我々が『やめてくれ』と言えば、飲食店は『融資を止められたら困るから言うことを聞かないと』となる。優越的地位の乱用になるのではないか」

野党側は発言に強く反発し、与党側に抗議しました。抗議を受けた自民党の森山国対委員長は、加藤官房長官に対し、「国民の誤解を招く」として、西村大臣に注意するよう申し入れました。

加藤官房長官は9日夕方の会見で、西村大臣の発言を撤回しました。
加藤官房長官:「私から西村大臣に気をつけていただきたい旨を伝えた。関係省庁から個別の金融機関への働きかけは行わない」

行政府として困難な状況の中で感染対策を進めていくことの難しさは理解できなくもないですが、国民をコントロールするため、政府が手段を選ばなくなりつつある状況というのは重大な懸念点です。猛省を促したいところですが、おそらく無理でしょう。今後しっかりと行政を監視していきたいと思います。

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