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行政に対する苦情の受理状況報告書 令和3年4月分 参議院行政監視委員会

国会・参議院には行政に対する苦情窓口というものあります。

参議院ウェブサイトのトップページからリンクが張られています。

ここから行政に対する苦情を伝えることができます。ここに伝えられた意見は月ごとにまとめられて、参議院の行政監視委員会所属の議員に伝えられます。私は行政監視委員会に所属しており、伝えられた意見をまとめた報告書が毎月届きます。

過去数か月の報告書について、以前ブログ記事で公開をさせていただきました。

令和3年4月の報告書が届きましたので、今回もここで公開をさせていただきます。紙の報告書をスキャンしたものになります。

行政に対する苦情 2021年4月(PDF 約3MB)

令和3年4月は29件の苦情報告があります。

参考までに昨年(令和2年)では、6月の苦情は129件、7月の苦情は111件、8月の苦情は82件、9月の苦情は53件、10月の苦情は74件、11月の苦情は47件、12月の苦情は52件でした。今年(令和3年)1月は107件、2月は27件、3月は62件の苦情報告がありました。

どんな意見が届いているのか、興味のある方はPDFファイルを開いて見てください。

今回は29件の苦情報告で、数としては他の月に比べると控えめでした。内容としてはバラエティに富むと思います。今回、極めて重要と思ったものを抜粋してみます。

[楽天株式会社と日本郵政株式会社との資本提携について]

楽天株式会社は中国ネット大手のテンセントと資本提携を行ったとの報道があったが、楽天は日本郵政株式会社とも資本提携を行っており、日本郵政が保有する個人情報が楽天を介して中国へ流出する危険があることから、国防のためにもこの資本提携を撤回してほしい。

私は楽天のサービスをそれなりに利用しています。楽天がテンセントからの出資を受けるというのは心配そのものです。

当の三木谷社長は「出資を受けるだけ」という主旨をのべているようですが、お金を出してもらうだけで済むはずがないと考えるのが自然ではないでしょうか。

三木谷社長は「なぜ大騒ぎ?」などと言っていますが、大騒ぎするのは当然ではないでしょうか。テンセントに中国共産党の影響が及ぶのは想像に難くありません。

今回の楽天に関するような懸念の対策として2019年に外為法が改正されました。外為法の趣旨からして、楽天のように通信インフラを担っていたり多量の個人情報を扱う企業が外国企業から1%を超える出資を受ける際には事前審査が必要です。しかし今回のテンセントによる出資はこの改正外為法の抜け穴をついた形で行われ、審査なしでした。

楽天テンセント問題で露呈 外資規制の「抜け穴」を塞げ 明星大学の細川昌彦教授 聞き手・福田直之 2021年4月28日 18時00分

 外為法は2020年5月に改正されたばかりです。経済と安全保障を一体ととらえる経済安全保障の観点から、事前の届け出が必要な出資の比率を10%から1%に下げて審査の対象を拡大したという触れ込みでした。

外為法は通信インフラのような「コア業種」を指定し、外資が1%以上の株式を取得する場合に事前の届け出を義務づけています。安全保障上の懸念がないか審査をするためですが、これには特例があります。

役員を出さず、非公開の技術情報にアクセスしないといった条件に加え、重要な意思決定権限を持つ委員会に参加しないといった追加の基準を守れば、コア業種かつ1%以上の出資であっても事前届け出を免除しています。事前審査が増えるのを嫌った外資系証券の声を受けて導入されました。テンセントはこの規定を利用し、審査を受けなかったのです。

今後の経緯を注意深く見守ることが必要と思われます。

何はともあれ、行政に対して意見があれば、参議院行政に対する苦情窓口にどんどん送りましょう。

もちろん、私宛にメールなどで送っていただいても結構です。

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