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国際的な人の往来に伴う、新型コロナウイルス感染症の水際対策に関する質問主意書 ←丸山穂高衆議院議員提出

今回は(も?)、令和3(2021年)1月21日に丸山穂高議員が衆議院に提出した質問主意書を紹介します。

質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。

今回は、新型コロナウイルスの海外からの流入を防ぐための水際対策に関するものです。

丸山穂高衆議院議員は2020年の1月23日に日本の水際対策が甘いのでは、YouTubeチャンネルで指摘しています。

また、質問主意書内に、ビジネストラック・レジデンストラックという言葉が出てきます。

ビジネストラック・レジデンストラックとは?医師が解説します。

未だにほとんど全ての国で新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入国制限が定められており、また渡航後も14日間の隔離待機が義務付けられています。これは、特に企業関係者が海外出張する上で大きな妨げになっており、免除に向けた動きとして、「ビジネストラック」の運用が徐々に始まっています。

ビジネストラックとレジデンストラックの違いは下記の通りです。

(1)ビジネストラック:「本邦活動計画書」の提出等の条件を満たすことで、相手国又は本邦入国後の14日間の自宅等待機期間中も、行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能となる(行動制限が一部緩和される)。主に短期出張者用。

(2)レジデンストラック:相手国又は本邦への入国が認められるものの、相手国又は本邦入国後の14日間の自宅等待機は維持される。主に駐在員の派遣・交代等、長期滞在者用。

今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。

国際的な人の往来に伴う、新型コロナウイルス感染症の水際対策に関する質問主意書

 令和二年六月十八日、政府は、国際的な人の往来再開に向けた段階的措置として、ビジネストラック及びレジデンストラック(以下、「両制度」という。)の仕組みを試行した。順次対象国が拡大され、令和二年十一月三十日以降、十一カ国・地域となっていたものの、新規入国は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、令和三年一月十四日以降一時停止することとなった。
右を踏まえ、以下質問する。

一 両制度は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されるまでの間一時停止となった。これにより、両制度の下で発給済みの有効な査証を所持する者については、一月二十一日午前零時までの間入国が認められるなどの例外はあるものの、両制度を利用して新規入国する外国人は、原則、入国不可となった。今後、両制度の一時停止の解除の条件として、緊急事態宣言の全都府県や一部都府県での解除が考えられるが、政府はどのように想定しているのか。また、緊急事態宣言の解除後も一時停止を継続する可能性はあるのか、その場合の条件も含め、政府の見解を問う。

二 政府は、両制度の一時停止を解除した後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いても、新たに緊急事態宣言が発令されるまでは、両制度を継続しても問題ないという認識か。あるいは、新たに緊急事態宣言が発令される前において、両制度の一時停止を行うことはあり得るのか、政府の見解を問う。

一及び二について
お尋ねのいわゆる「ビジネストラック」及び「レジデンストラック」については、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)第三十二条第五項の規定により同項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言がされるまでの間、運用を停止することとしている。必要な水際対策の在り方については、引き続き、国内外の感染状況等を見極めつつ、不断の検討を続けていく考えである。

三 両制度について、政府は、新型コロナウイルスの変異株が対象国・地域で確認された場合、当該国・地域を除外するとしていた。今回の一時停止までにそのような措置が適用された国はなかったが、報道によるとシンガポールでは令和二年十二月二十三日時点において、新型コロナウイルス変異株の感染者を確認したと発表されており、香港、タイ、オーストラリアでも現地メディアが変異株の確認を報じていたとされる。各国の新型コロナウイルス変異株の確認状況について、日本国内の報道、各国の現地報道、各国政府に確認を取るなど、どのような手段により政府は把握するのか、詳細を伺いたい。また、なぜ変異株が各国で確認された時点で当該国・地域に対して一時停止が行われなかったのか、事実確認から一時停止への事務手続きを含め、詳細を伺いたい。

三について
お尋ねの「各国の新型コロナウイルス変異株の確認状況」の「把握」については、外務省及び厚生労働省において、各国及び地域の政府当局が当該国及び地域において変異した新型コロナウイルス(以下「変異株」という。)の感染者を確認したと発表しているか否かを確認することにより行っている。また、いわゆる「ビジネストラック」及び「レジデンストラック」に合意している相手国及び地域の政府当局においては、御指摘の「今回の一時停止まで」の間、当該国及び地域において変異株の感染者を確認したと発表していない。

四 政府は令和二年十月三十日に開催された新型コロナウイルス感染症対策本部の会議において、十一月一日より外国人の入国制限を緩和することを発表していた。

1 入国制限緩和後の訪日外国人のコロナ陽性者数について、空港検疫におけるコロナ陽性者数が公表されているが、空港検疫では陰性だったものの、入国後に判明した訪日外国人の陽性者数については公開されていない。入国緩和の影響を判断する上で、公開は必要と考えるが今後導入されるパスポート番号を用いた水際対策を用いなければ、公開する方法はないのか、政府の見解を問う。また、空港検疫をすり抜け、入国後に感染が判明した外国籍の陽性者数について詳細を明らかにされたい。

四の1について
お尋ねの「空港検疫では陰性だったものの、入国後に判明した訪日外国人の陽性者数については・・・今後導入されるパスポート番号を用いた水際対策を用いなければ、公開する方法はないのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「今後導入されるパスポート番号を用いた水際対策」が、令和三年一月十三日に開催された厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリー・ボード感染者情報の活用のあり方に関するワーキンググループにおいて報告された、我が国への入国後二十八日以内に新型コロナウイルス感染症と診断された訪日外国人について、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システムにおいてパスポート番号を入力する取組を意味するのであれば、当該取組により把握した御指摘の「空港検疫では陰性だったものの、入国後に判明した訪日外国人の陽性者数」の公開については、その是非を含め、当該システム導入後の運用状況等を踏まえ、検討してまいりたい。また、「空港検疫をすり抜け、入国後に感染が判明した外国籍の陽性者数について詳細を明らかにされたい」とのお尋ねについては、「空港検疫をすり抜け」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

2 訪日外国人のコロナ陽性者について、医療費は公費負担になる。令和二年各月の訪日外国人のうちコロナ陽性者数、コロナ療養者となって国内において治療が実施された人数及び治療のために投じられた公費の総額について明らかにされたい。

四の2について
お尋ねについては、新型コロナウイルス感染症と診断された者の国籍を必ずしも確認していない等の理由により網羅的に把握していないため、お答えすることは困難である。

右質問する。

海外からの流入については、変異株の問題などもあり注意が必要です。

国会では国民民主党の山尾志桜里議員がこの件に関して質問しているのが印象に残っています。

私の方でもこの問題を注視していきたいと思います。この質問主意書を提出した丸山穂高衆議院議員に感謝します。

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