通常国会が1月18日に召集されました。
今国会でのいくつかの注目法案があります。以前紹介したツイートを再度紹介します。
KOKKAI-204 #1 日程と目玉法案
大まかな日程と、目玉法案をまとめました!
次期通常国会は、重要課題が目白押し👀・新型インフルエンザ等特別措置法
・感染症法
・国民投票法
・デジタル関連5法
・安保上の土地調査関連法案
・災害対策基本法改正案など。注目です🧐https://t.co/UrosYPZUMi
— 【公式】おとな研究所 (@otonaken_) January 12, 2021
今回は新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案について取り上げます。私なりにポイントを3つにまとめてみました。
・緊急事態宣言の前段階として「予防的措置」を新設
・緊急事態宣言下における営業時間要請に応じない店舗への罰則
・緊急事態宣言下における営業時間要請に応じた店舗への補償
ひとつずつ見ていきます。
まずは「予防的措置」についてです。
特措法改正で「予防的措置」新設 首相、知事への指示権限―政府方針 時事通信 2021年01月12日
政府は、通常国会に提出する新型コロナウイルス対策の特別措置法改正案で、緊急事態宣言の前段階として「予防的措置」(仮称)を新設する方針を固めた。
(中略)
概要によると、政府対策本部長(首相)が措置の期間や都道府県単位の区域を指定。対象となった都道府県の知事は、宣言の発令がなくても事業者に営業時間の変更を「要請」できる。正当な理由なく従わなければ、「命令」に切り替え、違反した場合の過料も導入する。
政府が緊急事態宣言を出す際には国会に報告が必要です(同法32条)。しかし、予防的措置の場合は宣言を発することなく、要請・命令・過料が可能となります。つまり国会への報告なしに私権を制限することができる可能性が指摘されています。
次に、店舗への罰則と補償についてです。
「罰則」巡り政党間に温度差 自公や維新は賛成 立憲、共産など反対 西日本新聞 2021/1/7
各党で意見が異なっているのが分かります。罰則については、賛成・反対のみならず、賛成の場合にも行政罰・刑事罰と別れています。違いを分かりやすく説明したページがありましたので、引用させてもらいます。
質問:刑事罰について教えて下さい。行政罰も教えて下さい。どのような不利益がありますか。
回答:
1、 刑事罰は、刑罰法規及び刑事訴訟法が適用される刑事手続を経て有罪判決が確定すると執行される不利益処分です。
(中略)
刑法9条で、「死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。」と定められます。
(中略)
5、行政罰
行政罰は、主に地方公共団体において、行政目的(国民の統治権委託による公正公平迅速な行政事務遂行、それを根拠にする合理的裁量権に基づく処分)を達成するために5万円以下の過料を条例で定めることにより、これに違反した場合に、市長など地方公共団体の長の命令により科せられる罰則です(地方自治法14条3項)。秩序罰とも言います。刑法や刑事訴訟法の規定は適用されず、地方自治法が適用されますので、一種の行政処分です。過料の命令に違反した場合は、地方税の強制徴収と同様の差押などの手続が取られます。過料は、刑法に規定のある刑罰ではないので、刑法や刑事訴訟法を適用する必要が無いということになります。従って、過料処分を受けても、法的に「前科」には該当しないことになります。
刑事罰の科料と行政罰の過料は読み方が同じになる可能性があるので(前者は「とがりょう」と読まれることもある)、会話などでは混乱しないように気を付けたいところです。
上記のように、今回の改正案については各党意見がバラバラであり、与野党合意するのは難しそうな印象です。
私は参議院では渡辺喜美議員と会派「みんなの党」を組ませていただいております。今後、政府からの説明を受け、様々な意見を参考にしたうえで、会派としてこの法案に対する方向性を出していきたいと考えています。
(以下、2021年1月21日追記)
倉山満さんの見解として、自粛警察対策は重要だと思います。