今回は、令和2(2020年)12月1日に丸山穂高衆議院議員が提出した質問主意書を紹介します。
質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。
特徴
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。
また、衆議院事務局がYouTubeで質問主意書に関する動画を作っており、参考として紹介しておきます。分かりやすくまとまっていると思います。動画の最後にあるメッセージが良いと思いました。
今回は、ジャパン・ハウスについての質問です。
ジャパン・ハウスって何?という方がいるかもしれませんので、まずはイメージが湧くような動画を紹介します。
外務省の説明文も掲載しておきます。
ジャパン・ハウスは,戦略的対外発信の強化に向けた取組の一環として,外務省が世界3都市(サンパウロ,ロサンゼルス,ロンドン)に設置した対外発信拠点です。これまで日本に興味のなかった人々も含め,幅広い層に向けて日本の多様な魅力,政策や取組を伝え,親日派・知日派の裾野を拡大していくことを目的としています。
ジャパン・ハウスの特徴
・日本に関する様々な情報がまとめて入手できるワンストップ・サービスを提供する。
・レストラン,カフェ,ショップ等の商業スペースを設置し,民間の活力,地方の魅力なども積極的に活用してオールジャパンで発信する。
・専門家の知見を活用しつつ,現地の人々の共感を呼ぶよう工夫して発信する。
海外の人々に日本のことを伝えるために行われている事業、といったところでしょうか。こういう事業をすることは大いに結構ですが、その内容や成果はしっかりと評価をすることが必要です。以前に丸山穂高衆議院議員が国会で質問をしています。
2018/03/30 衆議院外務委員会。日本維新の会・丸山穂高議員の質問。
皆様がジャパン・ハウス事業について考える機会になると思い、この質問主意書を記事にさせてもらいました。
今回紹介する質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。
「衆議院議員丸山穂高君提出パブリック・ディプロマシーに関する質問に対する答弁書(内閣衆質二〇一第二五一号)」を踏まえ、質問する。
一 サンパウロ、ロサンゼルス及びロンドンに展開するジャパン・ハウスについて、各ジャパン・ハウスの令和二年度の現在までの来館者数について把握するところを示されたい。
一について
令和二年度における各ジャパン・ハウスへの来館者数は、サンパウロが新型コロナウイルス感染症の影響により令和二年三月十七日から十月十八日まで休館し、同月十九日から十一月末までの来館者数は約二万人、ロサンゼルスも同様に同年三月十八日から現在まで休館し、来館者はおらず、ロンドンも同様に同月二十日から七月三日まで及び十一月五日から十二月二日まで休館し、同年七月四日から十一月四日までの来館者数は約三万人であった。二 外務省が作成している「ジャパン・ハウス」運営関連経費に関する行政事業レビューシートにおいて、各ジャパン・ハウスに係る「メディア掲載回数」を活動指標として採用しているが、掲載回数にはメディア側に料金を支払って行う広告も含まれるのか。含まれるものがある場合、メディア側に料金を支払って行った広告について平成二十七年度以降の件数及び費用を示されたい。また、当初見込みをどのような観点から設定しているのか伺いたい。
二について
御指摘の「メディア掲載回数」の中には「メディア側に料金を支払って行う広告」の回数も含まれ得るが、ジャパン・ハウスの活動については、所在国の政府、企業、メディア等の協力も得ながらそれぞれの地域の実情等に合わせて適切に展開しており、個々の事業における関係者の関与の在り方を含めて様々な形態があることから、お尋ねの「メディア側に料金を支払って行った広告」の「件数」及び「費用」並びに「当初見込み」について、お答えすることは困難である。三 各ジャパン・ハウスが主催する事業を当該施設とは別の会場で行うことは可能か。可能である場合、平成二十七年度以降における各年度において、開催された事業数及びその来場者数をそれぞれ示されたい。
三について
ジャパン・ハウスの活動は、事業の内容や目的によって、ジャパン・ハウス以外の会場で行うこともあり得るが、お尋ねの「事業数及びその来場者数」は二についてでお答えしたとおり、ジャパン・ハウスの活動は様々な形態があることから、お答えすることは困難である。四 ジャパン・ハウスの事業概要について、平成二十七年度から平成二十九年度の行政事業レビューシートでは「日本の多様な魅力、『正しい姿』を発信」と記載されていたものが、平成三十年度以降、「日本の多様な魅力や政策・取組を発信」との記載に変更されているが、「正しい姿」との文言を削除した理由について、政府の見解を問う。
四について
お尋ねの「行政事業レビューシート」の内容については、より分かりやすいものとする観点から、記載したものである。五 ジャパン・ハウスにおける政策発信について、平成三十年三月三十日の衆議院外務委員会において、「ジャパン・ハウスにおきましても、領土保全、歴史認識等を含む我が国の重要政策についてしかるべく発信することは重要と考えており(中略)具体的に歴史認識や領土保全について申し上げますと、ことし二月に田中明彦政策大学院大学学長をサンパウロの方に派遣いたしまして、ジャパン・ハウスにおいて、現地政府関係者、有識者、学生等約百三十名の参加を得まして、東アジア安全保障に関する講演を行い、この中で、領土問題、歴史認識等についても発信をいたしました」との政府答弁があったが、この事例以外にこれまで各ジャパン・ハウスにおいて歴史認識や領土保全について発信した事例について把握するところを全て示されたい。
五について
お尋ねの「歴史認識や領土保全について発信した事例」の具体的な範囲が明らかではないため網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、令和二年十月にサンパウロのジャパン・ハウスと教育機関兼シンクタンクであるジェトゥリオ・ヴァルガス財団の国際関係学部とが共催して日本と国際秩序に関するオンライン講演を、また、令和元年十一月に武藤顕在ロサンゼルス総領事がロサンゼルスのジャパン・ハウスにおいて日本外交に関する講演を行った事例はある。右質問する。
極端な例かもしれませんが、竹島や北方領土の領有権を主張する内容のジャパン・ハウス事業をそれぞれ韓国やロシアで行うのであれば(実現可能性はさておき)、賛同する日本人は多いのではないでしょうか。
この質問主意書を提出した丸山穂高衆議院議員に感謝します。
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