以前、西武信金の不正融資が問題となったことがあります。
西武信金の融資に協力したものとして、建築士や不動産鑑定士が、不当?な不動産鑑定評価をした可能性があるとのことでした。
これに関連して、とある方から今年の6月頃に相談がありました。西武信金の融資で不動産物件を購入したものの、その後の経営がうまくいかないからか借金の返済が苦しくなった方からの相談です。
西武信金の不正融資問題に関連して、西武信金や関係者への捜査をもっとしてほしい、といった要望でした。相談の上、質問主意書としてその相談内容を形にすることにしました。
その後、相談主の方から私へのメールがありました。掲載許可を得ましたので、ここで公表したいと思います。少し長いです。メール本文下の方に、ポイントと思われる部分を太字にしておきましたので、時間がない方はそちらだけでもご覧ください。
●●Sh●●iz● <t●●e1●●6@●●n●●u●●.com>
Thu 10/1/2020 11:03 AM
お世話になっております。
先日、西武信金の不正に関して質問主意書をご提出していただいた、また、8月下旬にはその後の進捗をこちらから一方的に報告させていただいた●●です。1国民である私の相談にも耳を傾けていただき真摯にご反応いただけることには常々感謝しかありません。
悲痛な叫びが実際に届いている、それだけでも明日に向かって歩む気持ちになれます。今回はまた、誠に勝手ながらこの約1ヶ月での進捗と現状の課題、そして相談を送らせていただきます。
<目次>
a.西武信金の不正内容
b.私の置かれている立場
c.不誠実な対応に終始する警察や行政
i)警視庁
ii)国交省
iii)金融庁
d.お願いしたいことa.西武信金の不正内容
不動産の専門家を使って虚偽の鑑定資料を作らせ、物件の実力と大きく乖離した担保価値や残耐用年数があるように見せかけ、結果として過剰な額の融資を過剰な返済期間で反復的に実行し続けていた。
この不正により、債務者は物件を購入した時点で大きな債務超過となっている。
西武信金はこの不正融資の件だけではなく、反社勢力との黒い繋がりなどが発覚したことから、2019年5月24日付で業務改善命令を受けた、という事実がある。
この業務改善命令を受け、同日に西武信金自身から発表された資料によれば1)西武信金の職員が不動産の専門家に対して修繕費用や耐用年数の改ざんを指示・示唆していた証拠が258件残っている
2)この258件という数は履歴の残っている過去18ヶ月間の同様の取引の約1割に相当する(=全体で約2500件?)b.私の置かれている立場
この不正融資により購入してしまった物件を売却すべく動いてきました。
損切りも仕方ないとして債務を消せるか消せないかのギリギリまで値下げし、一般媒介として複数社に売却依頼をしていますが市場からの反応はほとんどありません。
築古のため、返済期間が取れないことが一番の問題です。西武信金からは以前より「9月中の決着できなければ競売手続きに入る」と言われていたので、今月新しい動きがあるかも知れません。
こちらも指をくわえて受け身でいるわけにもいかないため、弁護士を立てて調停またはADRの手続きをはじめています。c.不誠実な対応に終始する警察や行政
i)警視庁
刑事告訴、告発の相談に対して所轄の警察署の対応には大きな問題があるとして、東京都公安委員会に苦情申立を行っていましたが、9月にその回答が届きました。
その内容は「不適切な点は認められませんでした」
問題があるから苦情を申立ていたにも関わらず、こちらの意見は100%無視し再度こちらに問合せをすることもなく、所轄の警察署からの回答を100%採用して「問題なし」で片付ける。
このようなケースは私だけでなく、他でも頻繁に起こっているようです。
これでは公安委員会は単なる警察署のメッセンジャー組織でしかなく、本来の組織の目的を全く果たしていない機能不全状態です。ii)国交省
一貫して「個別の案件には答えられない」というスタンスの国交省に対して何とか具体的な回答を得るよう質問を継続してきました。
しかし、現時点でもらっている最終回答は以下のとおりです。(1)措置要求の内容につきましては、前回までと同様の内容になりますが、本件に関与した不動産鑑定士の調査については個別の事案に関することであり、また、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えは致しかねます。
(2)不動産鑑定士が不当な鑑定評価等を行ったことを疑うに足りる事実があるときなど、不動産鑑定業の適正な運営を確保するため必要があると認める場合に、業務に関する検査を行うことができます。ご指摘の金融機関の融資に関して、関与した不動産鑑定士が不当な鑑定評価を行ったことを疑うに足りる事実がある場合には、個別の案件に関して検査を行いうると考えますが、いずれにせよ個別の事案に関することについては回答を致しかねます。
(3)刑事訴訟法第239条第2項に定められている通り、「その職務を行うことにより犯罪があると思料する」場合には、国家公務員は告発の対応をすることとなります。
今後同様のご主張については、当方は同様の回答をさせていただくことをご承知願います。まずは(1)ですが、身内が身内を密室内で審査し、処分が下ったときだけ公開される今の「措置要求」制度には大きな問題があると考えます。
次に(2)(3)、この回答内容は「具体的には何もしない」と等しいと受け止めています。私は既に不動産鑑定士の不正内容に関し具体的に何がどう違反しているかをまとめ刑事告訴・告発ができる状態にしているので、それを提示することも可能であると国交省に伝えています。
しかし、明確な法律違反をしているにも関わらず、何もしない国交省に対しては不信感しかありません。
仕方ないので刑事告訴・告発に進もうと思っていますが、上記のとおり、警察署が拒否前提の対応しかしてこないため、なかなか次の一歩が歩めないままでいます。iii)金融庁
現在、私が問題視していることは以下の2点だけです。
1)明確な法律違反を犯している不動産鑑定士とそれを教唆した西武信用金庫に対し、その後何の処分も下さない、警察に告訴、告発もしない理由
2)かぼちゃの馬車事件におけるスルガ銀行に対する業務停止命令の際には、具体的に被害者救済をするよう文字起こしされているのに対し、西武信用金庫の本件に関して被害者救済が一文字も謳われていない理由1年以上、苦情を送り続けてやっと一昨日に電話連絡がありました。
しかしその回答内容は「公表していないことは今後も一切開示できない」として何の進展もないものでした。d.お願いしたいこと
この事件の解決を目指す上で私が思いつく唯一の手段は
「不正の証拠が残っている258物件の内訳の確認」
これしかないと考えています。
ここにメスを入れたいと思って動いてきましたが、どうしてもそのパンドラの箱を開けられません。
そこに進めるような手段があれば、ぜひともお力添えをいただきたいと思うところです。この258物件に関与した不動産の専門家、そして指示・示唆した改ざん内容、これさえわかれば犯罪を確定させることが可能と考えます。
258物件に関与した不動産の専門家は極少数だと思っており、その中に私の物件に関与した不動産鑑定士も入っているものと思っています。
また、改ざん内容は例えば木造の全耐用年数を35年としていたものを60年にする等だったと思われます。
ちなみに私の物件においては、鉄骨造の全耐用年数を71年に、木造を83年に、と明らかな異常値となっています。とにかくこの258物件を精査したいという思いから、先の質問主意書にも書いていただいたのですが、残念ながらすかされてしまいました。
この258物件は金融庁が発表した数字ではなく西武信用金庫からの発表だったからだと理解しています。そこで、逆に金融庁はどこまで具体的な数値を持っていたのかを確認すべく情報開示請求によって公開を求めているところです。
2つの行政文書に対し開示決定は出たので、その中にどこまで書かれているかを確認する予定です。
私が質問主意書を提出したものの、それがあまり効果はないようで歯がゆい思いはあります。一方で、相談者の方には残酷かもしれませんが、投資は自己責任の部分もあると言えます。
かぼちゃの馬車のケースのように、被害者の会が結成されれば状況はまた違ってくるのかもしれません。
国会議員がどこまで踏み込むべきかについては色々と迷うところではありますが、ひとまず相談者の方からのメールを公表してみようと思い、今回の記事を書いたという次第です。