国会議員には、その立法活動などを行うために国会で様々な調査活動を手伝ってくれる環境が整っています。ひとつは以前紹介した調査室があります。
この他に、国立国会図書館もあります。
国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国会法第130条の規定に基づき、国立国会図書館法により設置されています。
「議員の調査研究に資するため、別に定める法律により、国会に国立国会図書館を置く。」
(国会法 第130条)
私はこれまで調査室だけでなく国会図書館にも調査をお願いしてきました。いずれも非常に心強い存在です。
さて、2020年1月にアメリカの下院である法案が可決しました。チベット支援法案です。
米下院、チベット支援法案を可決 日本経済新聞 2020/1/29
米下院本会議は28日、中国のチベット自治区での信教の自由確保などをめざす「チベット政策支援法案」を賛成多数で可決した。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の後継選出はチベット仏教の指導者に委ねられるべきだとし、中国政府が介入した場合は関係者に制裁を科す内容だ。自治区の都市ラサに米領事館の設置なども求めた。
上院での採決はまだのようです。
さて、チベットと中国共産党との関係に関する動画を紹介します。新唐人NTDTV=米NYに本部を置く中国語衛星放送のものです。英語ですが、日本語字幕がついています。
昨年12月にアメリカで成立したウイグル人権法案についての記事を先日書きました。
ウイグル人権法案に引き続き、このチベット支援法案の概要を知りたいと思い、国会図書館に調査を依頼しており、国会図書館からの回答をいただいています。
以下、国会図書館からの回答を共有します。
2019年チベット政策及び支援法案の概要(PDFファイル 424KB)
3 概要
・チベット及び中国に関連する種々の計画及び規定を修正し、再承認する。
・大統領は、持続可能な経済発展、文化の保存、教育などの分野において、チベットにおけるチベット族コミュニティを支援する計画のため、非政府組織に資金を提供しなければならない。
・国務省は、チベットのラサに米国の領事館が設置されるまでの間、米国における新たな中国領事館の設置を認めてはならない。
・ チベット問題担当特別調整官の職務を再承認し、その職務の義務の範囲を拡大して、次期ダライ・ラマがチベット仏教界単独で任命されることを保証するための国際的な連立を追求することなどの任務を追加する。
・国務省に対し、自身の宗教的指導者を選択して崇拝する権利を含むチベットの人々の人権を促進する米国の取組について、既存のチベットに関する定期報告において検討することを求める。
※なお、報道で言及されているグライ・ラマ後継者選出に関与した中国当局者への制裁については、第3条(c)において米国の政策の表明という形で規定されている。
とりあえずはこの法案がアメリカの上院で成立するかどうかを待ちたいと思います。最近はご存じの通り、アメリカが中国への強硬な姿勢を打ち立てています。これに日本としてどうするのかは重要な政治的判断だと思います。立法機関に身を置くものとして、法案の検討という形で可能な範囲で準備をしていきたいところです。