国会議員には、その立法活動などを行うために国会で様々な調査活動を手伝ってくれる環境が整っています。ひとつは以前紹介した調査室があります。
この他に、国立国会図書館もあります。
国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国会法第130条の規定に基づき、国立国会図書館法により設置されています。
「議員の調査研究に資するため、別に定める法律により、国会に国立国会図書館を置く。」
(国会法 第130条)
私はこれまで調査室だけでなく国会図書館にも調査をお願いしてきました。いずれも非常に心強い存在です。
先月のある日、和歌山県の職員さんが参議院議員会館の私の事務所に「ワーケーション」というものの案内資料を持参してくださいました。
ワーケーションとは Work+Vacation = Workation という造語だそうです。
なかなか面白い取り組みだと思い、世界各国でのワーケーションの状況など調べてみることにしました。そこで、国会図書館に調査を依頼したということです。国会図書館からの回答が届きましたので、皆さんと共有したいと思います。
外国政府 (G20(日本を除く)及び台湾)のワーケーションに対する取組が分かる資料は、見当たりませんでした。
なお、海外 (インドネシアのバリ島、スペインのタリファ、ニューヨーク)におけるワーケーションの事例が紹介されている資料1に、次のような記述がありました。
「海外におけるフィールドワークから見えたのは、ワーケーションはあくまでワーカー個人の働き方の選択であるという意味合いが強い、ということである。コワーキングスペースがワーケーションを働き方のスタイルとして提示することはあっても、企業がワーケーションを制度として導入・後押ししていたり、地域がワーケーションを打ち出してワーカーや施設を招致するという動きはフィールドワークからは見いだせなかった。一方で、日本におけるワーケーションの動きは、ワーカーからというよりも、企業の制度や地域の産業や政策が引っぱる現状と言えるだろう。」 (p208)
また、ワーケーションと似た概念であるブレジャー (出張等に自分の楽しみ、休暇を加えることで、ビジネス目的以外にも現地での様々なアクティビティや観光等の休暇としての時間も過ごすというもの)についても、三菱総合研究所によれば、この言葉を用いて政府観光局の戦略のターゲットに位置付けている海外の国は見当たらないとされています (資料2)。
欧米など他国では政府が推進しなくてもこういう働き方は普及するようですが、日本の場合は政府や企業が引っ張る必要がある、というのは何となくわかる気がします。
この政策の是非に関する意見は様々あるでしょうが、個人的には面白い政策だと思います。国会閉会中の今は、比較的移動の自由が利くので、私自身がワーケーションをやってみてもいいかなと思っています。
資料として引用されていた書籍↓です。