新型コロナウイルスに関して連日報道がなされております。個人的には、報告の際には「感染者数」ではなく「陽性者数」と報道してほしいと思っています。
それはさておき、2020年8月2日現在の東京都の状況を確認してみます。
都内の最新感染動向 東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト
まずは新規陽性者数。
確かにこれは増加傾向です。ただし、あくまでPCR検査陽性者数です。
次に検査件数と陽性率です。
国や東京都の方針で検査件数は増えてきています。陽性率は上昇傾向が落ち着いてきました。
次に入院患者数。
こちらは徐々に増えてきています。
次に重症者患者数です。
こちらは5月上旬は100人ほどいましたが、最近は少数で推移しており、直近では減少しています。
これらを私なりにまとめると以下のようになります。
・陽性者数が増加傾向 → これの増加自体を問題視すべきではない。
・入院患者数が増加傾向 → 医療資源のキャパシティの観点から要注意。
・重症患者数は少数で推移 → 横這いが続いている。少なくとも急増していない。
という現状を踏まえて今後どうすべきか?ということですが、↓の記事に挙げられている方法が良いと思ったので紹介します。
コロナ第2波でも死亡率低下から見える2つの事実と、あるべき対策 竹中正治:龍谷大学経済学部教授 2020.7.30
記事内容を要約すると
なぜ6月から死亡する(あるいはその前段階として重症化する)人が、劇的に減ったのだろうか。この点で注目すべき事実は2つ。
第1は、検査対象の拡大だ。検査対象の年齢層が症状の明瞭な高齢者から症状の微弱な若手・中堅年齢層にまでシフトし、陽性判定となる者も若手・中堅年齢層の比率が急増したのだ。
第2の事実は、比較的早期からいわれていた通り、新型コロナ感染で重症化、あるいは死亡する比率は年齢別に見ると高齢者層に著しく偏っていることだ。
以上2つの事情を重ね合わせれば、重症化率、死亡率の劇的な低下は、検査対象者・陽性判定者の年齢分布が若年齢化したことが、少なくとも要因の一つとして働いている。
以上を踏まえてのとるべき対策は年齢階層別で異なる。
重症化・死亡する確率の高い70歳以上の高齢者層は自宅に閉じこもり、高齢者の養護施設などでは外部との出入りを厳しく管理・規制して感染から保護する必要がある。
若手・中堅年齢層は、外出時にはマスクを着用し、いわゆる「3密」をできるだけ回避するような防御をしながらも、平常に近い経済活動や教育・学習、スポーツ活動に復帰できる。もし症状が出て検査で陽性と判定された場合のみ、症状に合わせた医師の指示に従って自宅、施設、病院などで隔離・待機すれば良い。
ただし、医療サービスの供給不足にならないように注意すべきで、これは都道府県単位、自治体単位で注意・準備が必要。
あとは政府が研究開発を支援しながら治療薬やワクチン開発・実用化を待つ。
というわけで、案としては良いと思います。さて、問題は実行できるか、です。つまりこれまでは年齢関係なく一律での自粛や自粛解除がなされてきたため、年齢別の対策を今の日本政府がとれるか、というのが問題です。
来る8月6日(木)に、医師国会議員の会というものが予定されております。私も参加予定でして、そこで意見を述べてこようと思います。