(2020年7月22日追記 参議院調査室の行う調査は、各議員の調査依頼に沿うものであり、調査結果については参議院調査室の見解ではありません。ここで公表している内容は、調査室に調査いただいたことではありますが、あくまで立法調査活動の「補佐」いただいたものであり、私の責任のもとの調査結果として公表させていただくものです。)
国会の衆議院・参議院ともに、それぞれの議員を調査面でお手伝いしてくれる調査室という機関?があります。
衆参両院には、議員活動全般を調査面で補佐するため、それぞれ「調査室」が置かれています。
(中略)
調査業務の一端を紹介すれば、例えば、議案審査では、議員立法を起草するための調査、付託された法律案の提案理由・問題点・利害得失等に係る調査、参考資料の作成、決議や審査報告書・調査報告書の原案作成等を行っています。また、委員派遣等により国内外の行政現場等を視察する際には、日程案を調整した上で、現地に赴く議員に随行し、報告書の原案作成等を行います。さらに、国会議員や議員秘書の方々からの依頼に応じ、法律案等の論点整理、政策課題の問題分析、各種公表資料の収集・分析を行い、議員が本会議や委員会等において質疑・討論等を行う際の準備作業を補佐するなどしています。
これまで調査室には幾度となくお世話になってきました。調査内容については、PDFファイルやワードファイルなど、電子データでいただけるのがありがたいです。
さて、毎年のように大雨による被害が出てきており、今年も残念ながら被害が発生してしまいました。
九州豪雨、死者56人に 「特定非常災害」指定急ぐ 日本経済新聞 2020/7/7
九州の豪雨でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。また、中部地方でも豪雨がひどいようでお見舞い申し上げます。
この新型コロナウイルス感染症が問題となっている中、災害が起こっていることになります。災害の当事者の方々にとって、場合によっては自宅から避難をする必要があります。その際に避難所がどうなるのかというのは問題となってくると思います↓。
ただし、学校の体育館などに設けられた、いわゆる避難所というものはひとつの選択肢であって、必ずしもいわゆる避難所にこだわる必要はありません。
避難所よりホテル旅館を、
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) July 6, 2020
私が、#マニフェスト で提案していた #宿を避難所 として活用する案が実用化された。とにかくよいことだ。今朝の #京都新聞 と村山マニフェストより。 pic.twitter.com/0LHt9FRdEG
— 村山祥栄 大正大学客員教授・前京都市議・前市長候補 (@sho9722483) July 7, 2020
もしホテルを使えるのであればそちらの方が生活環境ははるかに良いでしょう。この案については、政府の方で既に検討されており、西村大臣が記者会見で言及しています。
新型コロナ対策「避難所よりホテル」 経財相、熊本など豪雨で 日本経済新聞 2020/7/4
西村康稔経済財政・再生相は4日の記者会見で、熊本県と鹿児島県での豪雨被害に関連し、新型コロナウイルス対策として「避難所よりもホテルの方が別々の部屋で過ごすので有効だ」と述べた。熊本県全体でホテルや旅館を確保するよう防災部局に伝えたという。
このように、災害時にいわゆる避難所よりホテルを利用することに関して、調査室に調査を依頼しました。早速、参考になる資料をたくさんいただいております。
いただいた資料を見てみると、避難所よりホテルを利用することについては、以前から少しずつ検討がされてきており、東日本大震災や熊本大地震でも利用実績があるようです。
以下、調査室からいただいた資料を掲載します。
1 避難所の設置
ア 災害が発生したときには、あらかじめ指定した指定避難所の被災状況、周辺の火災からなどの延焼の可能性、その他の二次災害の可能性、危険物の有無などの安全面を直ちに確認の上、法による避難所を設置すること。
イ あらかじめ指定した指定避難所だけでは不足した場合は、次の点に留意して、必要な避難所の確保を図ること。
(ア)法による避難所は、原則として、指定避難所を利用し、指定避難所だけでは受入施設が量的に不足する場合に公共施設等を利用すること。
(イ)これら適当な建物を得難い場合は、その他の既存の建物を利用して差し支えない。ただし、民営の旅館又はホテル等を借り上げて避難所を設置する場合は、緊急やむを得ない切迫した事情にある場合を除き、内閣府と連絡調整を図り実施すること。
(ホテル・旅館等の避難所としての開設に向けた準備)
Q12 ホテル・旅館等には、どのような避難者の受入れを検討するのが良いでしょうか。
A12 高齢者・基礎疾患を有する者・障がい者・妊産婦・訪日外国人旅行者等及びその家族等を優先的に避難するように検討することが考えられます。優先順位の考え方を決めておくとともに、事前にリストを作成し、災害時には、避難所として開設したホテル・旅館等に、上記優先順位を踏まえつつ、受入れを図ってください。
また、避難が長期にわたると見込まれる場合には、健康な人等を含め、できるだけ早期に、ホテル・旅館、研修所、その他宿泊施設等に移送することが望ましいです。
また、先週12日の会見の場でも質問がありました避難所としてのホテル・旅館等の活用に関して、観光庁の取りまとめによれば、現時点で、全国の1,200を超える宿泊施設から、条件が合えば災害時の避難所としての活用に協力可能との回答を得ていると聞いており、自治体にも情報共有を行っているところです。
調査室の方々、ありがとうございました。