今回は(も?)、私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。2020年4月20日に提出したものです。
質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。
特徴
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。
で、私の提出した質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。
精神・発達障害者の雇用打ち切り対策や心のケアに関する質問主意書
精神・発達障害者は、契約社員、パートタイマーなど非正規で働く人が多い。厚生労働省が実施した平成三十年度障害者雇用実態調査(以下「実態調査」という。)では、精神障害者で無期契約の正社員は二十五・〇%、発達障害者で無期契約の正社員は二十一・七%であり、換言すれば、精神障害者・発達障害者の七割以上が、不安定な立場で働いている。
今回の新型コロナウイルスの影響により、精神・発達障害者は派遣や有期雇用の打ち切りの対象になりやすいと考えられる。全国民に一律十万円支給という政策は評価できるものの、それは精神・発達障害者にとっては一時しのぎにとどまる可能性が高い。現に、実態調査における平成三十年五月の平均賃金を見ると、精神障害者は十二万五千円、発達障害者は十二万七千円であり、失業した際の当面の生活を乗り切る貯蓄があるとは言えないのではないか。やはり、継続的な生活保障のためにも雇用の確保は必要であると考えている。
また、雇用の問題だけでなく、家庭内におけるストレスの増加も今後十分に考えられる。海外では、新型コロナウイルス対策のために実施した外出自粛措置の際にDVが増えるなどの問題が生じている。十分な福祉サービスが受けられず、家庭にいる時間が多くなるため、精神・発達障害者の中には家庭での虐待などを経験するケースが増える可能性があり、そうした家庭に対する支援も必要であると考えている。
障害者自立支援法の「障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援する」という目的の実現も鑑み、右を踏まえて、以下質問する。なお、新型コロナウイルス感染症については、現時点で収束するかどうかわからない状況であり、治療薬やワクチンの開発が完了していない状況であることから、政府として非常に難しい立場であることは理解しているつもりである。一 今回の新型コロナウイルスの影響で職を失ってしまった発達障害者への雇用面での対策は何か考えられているか。既に対策が講じられているのであれば現状報告もお願いしたい。
一について
発達障害者に対する就労支援については、発達障害者に関する専門的な相談員をハローワークに配置して就職準備から職場定着までの一貫した支援を行うとともに、発達障害者を雇い入れる事業主に対して助成金を支給する等の取組を実施しているところであり、新型コロナウイルス感染症の影響で失業した者等についても、関係機関と連携しつつ、これらの支援を通じて、雇用を促進してまいりたい。二 今回の新型コロナウイルスの影響で、外出できず、十分に福祉サービスも受けられない精神・発達障害者本人や家族の心のケアについての対策は何か考えられているか。既に対策が講じられているのであれば現状報告もお願いしたい。
二について
お尋ねの「精神・発達障害者本人や家族」を含め、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた者の心のケアについては、精神保健福祉センターや保健所等において相談に応じるとともに、相談内容に応じて適切な機関と連携する等の対応を行っているところである。
また、令和二年度一般会計補正予算(第一号)においても、精神保健福祉センターや保健所等における臨時職員の増員等相談体制の強化のための経費を計上している。三 精神・発達障害者に理解のある職場は、厚生労働省をはじめとする政府の様々な施策によって増加傾向にあるとはいえ、なお十分な数があるとは言い難い。この貴重な職場が現下の新型コロナウイルス感染症に伴う事業環境の影響によってなくなってしまえば、精神・発達障害者の社会参加の場が失われてしまう。以上の現状に鑑み、雇用調整助成金について、精神・発達障害者についてはその助成率を十分の十としてはどうか。
三について
政府としては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずる事業主を支援するため、雇用調整助成金の特例措置を講じているところであるが、現時点においては、精神障害者及び発達障害者に限定した更なる特例措置を講ずることは考えていない。なお、本質問主意書は精神・発達障害者が置かれている状況に鑑み、通常通り七日以内での答弁を求めるが、答弁書の文字がいわゆる青枠の五ミリ以内に収まっていなくても構わない。もし、答弁書の文字がいわゆる青枠の五ミリ以内に収まっていなくてはならないと政府が考えるならば、その作業は厚生労働省の官僚や、厚生労働省から内閣府に出向している官僚以外の者が行うなど、出来うる限り新型コロナウイルス感染症対策を行っている官僚の負担にならないよう答弁願う。
答弁書の内容はさておき、答弁書を読んだ時の第一印象は、これまで見た答弁書の中ではかなり丁寧に書いていただいているように思います。質問主意書の文面において、この答弁書を書く官僚の方々の負担に配慮したのですが、その気持ちが伝わったのであれば、嬉しく思います。
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