今回は昨日の記事の続きです。
少し復習しておくと、
安倍政権に味方してくれる東京高検検事長である黒川弘務氏を検事総長に就任させたい首相官邸
vs
政権とは独立して検察庁としての業務を遂行するために林真琴氏を検事総長に就任させたい検察庁
の戦いが現在行われていると思われます。
キープレーヤー3人も改めて確認しておきます。
・現在の検事総長 稲田伸夫氏は2021年8月13日に定年を迎える。が、下記により定年前に勇退する可能性あり。
・東京高検検事長 黒川弘務氏(本来は2020年2月8日63歳の誕生日に定年を迎えるはずだったが定年延長により2020年8月に定年を迎える)が定年前に検事総長になれば、首相官邸の勝ち。
・名古屋高検検事長 林真琴氏(2020年7月30日63歳の誕生日に定年予定)が定年前に検事総長になれば、検察の勝ち。
ところで、現在国会ではある法案が審議対象となっています。
「国家公務員法等の一部を改正する法律案」です。
この法案は、上の写真一番下を見てもらえればわかりますが、法令施行日が令和4年4月1日であり上記とは(一応?)別問題です。つまり、この法案が通ったからと言って黒川弘務氏が検事総長に就任できるわけではありません。原英史さんがうまく説明されておられましたのでリンクを紹介します。
「#検察庁法改正案に抗議します」にも法案にも、反対する(原英史)
ただし、別問題とは言いつつも、今国会で法案として通るか否かは次の場合に問題になる可能性があります。
(※諸事情により、すべては説明しないことにします。ごめんなさい。)
・現在の検事総長 稲田伸夫氏が2020年8月までに勇退せずに2021年8月13日まで任期を満了する。
・東京高検検事長 黒川弘務氏が2020年8月に定年を迎えるので、首相官邸にとっては黒川弘務氏を検事総長に就任させるには、さらに任期を1年延長する必要がある。
・さらに任期を延長するためには、再度黒川氏の定年延長を閣議決定をする必要があるが、その場合に定年延長の理由を説明する必要がある。
・黒川氏の定年を2月から8月に延長した際に散々野党から攻撃されたことを考えると、再延長の際にも再び野党から攻撃を受けることは不可避。