今回は(も?)、私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。2020年4月1日に提出したものです。
質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。
特徴
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。
で、私の提出した質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。
我が国に在留している外国人や知的障害者の方等に対する情報伝達について、やさしい日本語による発信が必要と思われること等に関する質問主意書
令和二年三月二十八日、毎日新聞は自社のウェブサイトに掲載された記事のリンクを「「感染者がいない場所に逃げてきた」鳥取・島根が隠れた人気に 新型コロナで」という見出しを使ってツイッターに投稿し、都市部の若者が出雲市へ旅行している様子を記事にした。その後「外出自粛要請がある中で、地方への旅行を勧めるように取られかねない記事内容と見出しでした。おわびして当該記事を削除します。」として、同月二十九日に謝罪記事を掲載し、先の記事をウェブサイトから削除した。東京都や横浜市等の大規模な自治体は独自の「やさしい日本語」を使用し、やさしい日本語を必要とする外国人や知的障害者の方々(以下「やさしい日本語を必要とする方々」という。)へ向けた情報発信を行っている。朝日新聞も同様である。しかし、特定の自治体や特定の新聞社独自の取り組みであるため、やさしい日本語を必要とする方々へは必ずしも行き渡っていないのが現状ではないか。新聞記者でさえ正しく理解できなかった「不要不急の外出を自粛する」という言葉は、当然ながらやさしい日本語を必要とする方々が理解できるとは言い難く、ビートたけしさんの「不要不急とか、なんか難しい言葉で。これ、用もねえのに外行くなって言えばいいじゃない、なあ。」という指摘は的を射ているように思う。
また、国立教育政策研究所が取りまとめているPISA二〇一八の結果と総務省が取りまとめている平成三十年版情報通信白書(以下「白書」という。)によると、学校外での平日のデジタル機器の利用状況(余暇)は「一人用ゲームで遊ぶ」、「ネット上でチャットをする」がOECD平均より突出して高く例年OECD加盟国中一位である反面、「インターネットで実用的な情報を調べる」は例年OECD平均を下回る。PISAは調査年度を通じて同様の結果になる傾向が見られる。白書では「ソーシャルメディアを利用して良かったこと」において、「社会や経済等に関する最新のニュースや情報を得ることができた」は二十六・四パーセントにとどまったとしている。最近の若者はテレビを所持していない者も珍しくなく、普段もっぱら友人とのチャットや趣味等の情報収集に終始し、他の社会的な情報(ニュース等)を全く収集しない若者にも政府の情報が適切に伝達する手法を早期に検討し実行することで、新型コロナウイルス感染症のまん延防止に寄与すると考える。
右を踏まえて、以下質問する。一 情報を伝達する際のより適切な表現について
1 「不要不急の外出を自粛する」の意味するところを理解できない方々が存在することについて、政府の見解如何。
2 世界各国の首脳や首長は、「家にいろ」、「出かけるな」、「都会の人間は地方に旅行するな」等、「不要不急の外出を自粛する」よりもわかりやすい表現を用いており、朝日新聞も「生きるために必要なこと以外で、外に出ないでください」、「東京に行かないでください」、「薬や食べるものを買いに行く・病院に行く→してもいいです」等、簡単な表現を用いている。やさしい日本語に関する取り組みが十分広がっていない今、新型コロナウイルス感染症に関する情報発信は最初からやさしい日本語で発出することを検討すべきと考えるが、政府の見解如何。
一の1及び2について
御指摘の「「不要不急の外出を自粛する」の意味するところを理解できない方々」及び「最初からやさしい日本語で発出する」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、新型コロナウイルス感染症に関する政府の取組等に係る情報が分かりやすく伝わるよう、厚生労働省ホームページでの英語等による情報の発信や、イラストを掲載したリーフレット等を活用した情報の発信を行っているところである。3 法務省が現在開催している「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」に関する有識者会議は、本年七月ごろを目途にガイドラインの完成を目指しているようであるが、本年七月ごろでは昨今の新型コロナウイルス感染症に関する情報発信としては間に合わない。「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」完成は本年七月より早まる見込みはあるのか。なければ、政府は横浜市製作「「やさしい日本語」で伝える 分かりやすく 伝わりやすい日本語を目指して(第四版)」を流用する等して、取り敢えず使える「やさしい日本語」のガイドラインを暫定的にでも決めてはどうか。
一の3について
厚生労働省が公表する新型コロナウイルス感染症に関する政府の取組等に係る情報の一部については、法務省において、平易な表現を用いる、漢字に振り仮名を付す等の工夫を行った上で情報の発信を行っており、随時更新しているところである。御指摘の「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」については、現在同省が開催している「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」に関する有識者会議において、御指摘のような先進的な取組を行っている地方公共団体へのヒアリングも含め、引き続き検討が進められる予定であり、同省においては、同会議の検討結果を踏まえ、令和二年七月以降に同ガイドラインを策定することを予定している。二 国民へ情報を伝達する際のより適切な手段について
1 平成二十三年三月十四日、政府は「政府 内閣官房」名義で計画停電の実施と節電を啓発する旨のエリアメールを送信した。同月十五日には内閣官房(節電啓発等担当)名義で節電を啓発する旨のエリアメールを送信した。新型コロナウイルス感染症に関する政府の情報は内閣官房で取りまとめの上、先のエリアメール等を用いて送信する方法や各自治体にエリアメールの送信を要請する等を行う方法が考えられるが、政府の見解如何。既に対応しているのであれば現状報告もお願いしたい。
2 政府は、白書に取り上げられているフェイスブック・ツイッター・インスタグラム・ライン等のソーシャルメディアに広告として政府広報を出す等により、政府が発信するウェブサイト等へ誘導を行う方法が考えられるが、政府の見解如何。既に対応しているのであれば現状報告もお願いしたい。
二について
「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和二年三月二十八日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)において、「政府は、・・・国民に対する正確で分かりやすく、かつ状況の変化に即応した情報提供や呼びかけを行い、行動変容に資する啓発を進めるとともに、冷静な対応をお願いする」、「広報担当官を中心に、官邸のウェブサイトにおいて厚生労働省等の関係省庁のウェブサイトへのリンクを紹介するなどして有機的に連携させ、かつ、SNS等の媒体も積極的に活用することで、迅速かつ積極的に国民等への情報発信を行う」等とされており、首相官邸ホームページの広報ページ「新型コロナウイルス感染症に備えて~一人ひとりができる対策を知っておこう~」において、「一人ひとりができる新型コロナウイルス感染症対策」や関係省庁のホームページへのリンクを掲載する、関係省庁において、SNSを活用して新型コロナウイルス感染症に関する政府の取組等を紹介する等の取組を行っているところ、これらを含め、今後とも、新型コロナウイルス感染症に関する政府の取組等に係る情報の発信を積極的に行ってまいりたい。
これまでの質問主意書に比べると、比較的熱心に答弁書いていただいているように思います。
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